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2014年8月19日火曜日

drupa大胆予測 (2):drupa2020では『ペーパーエレクトロニクス』が大きな話題に!

drupa2016に引き続き、今回は2020年開催drupaのトピックを予想したいと思います。ここまで先の話だと、妄想なのかもしれませんけど(笑)

さて、今年3月にロンドンで開催されたIPEX2014のプリンテッドエレクトロニクス (PE)コーナーで、Ceradropというフランスの会社の方とお話ししました。その方はインクジェットヘッドの制御ソフトウェアをご担当されている方なのですが、お話しの中で「PEを商業印刷に応用したい」と仰っていました。

「PEを商業印刷に応用すると、どんなことができるの?」
「(お渡しした名刺を見ながら)例えば、これの名前やロゴの部分を光らせたりできるようになるんだ。あと、音を出せたり。通信ができるポスターもできるようになるよ。」
「(スマホを手に取って)将来、スマホの充電器もいらなくなるかも。スマホケースに太陽電池を印刷すれば、ケース自体から充電できるようになるからね。」
「いつ頃、実現できそう?」
「まだ分からない。でも、こういう風に使いたいという広告主が出てくれば、結構早く実現できるような気がする。技術開発は、落としどころがはっきりしていると、どんどん進んだりするからね。実は、今回の展示会でも、PEの商業印刷応用に興味がある人を探しているんだ。」
「そういう人、見つかった?」
「ぼちぼちかな。でも、興味を持ってくれる人は結構いるよ。」

実は昨年(2013年)、花王のマーケティングご担当者から、ニベアがブラジルで展開した『太陽電池が印刷された雑誌広告』を使ったキャンペーンのお話しをお伺いしていました。恥ずかしながら、その時は「面白い!」程度の感想しか持ちませんでした。しかし、Ceradropの方のお話を伺いながら「これって、もしかして印刷産業の大きな事業機会になるかも」という思い(というか妄想(笑))が大きくなりました。

ふと会場を見渡すと、PE x 商業印刷物の事例も展示されていたりしました。こちらのポスターもそのひとつで、ドラムセットの部分を触ると音が出ます。ただ、これが「音が鳴るポスター」だとあまり知られていないようで、触っている人は少なかったようです。

ちなみに、このポスターは英国の印刷通販会社MOOで制作したもののようです。たまたまIPEX視察時にMOOも訪問させていただいたのですが、社内に同じものが貼ってあって、その制作秘話もお伺いしました。MOOはとても面白い会社さんで、私の中では「世界で最もマーケティング力の高い印刷会社」という位置付けです。機会があったら、MOOの分析もこのブログでご紹介したいと思います。

話は元に戻しますが、帰国後に調べてみたところ、PE x 商業印刷のような『紙のエレクトロニクス応用=ペーパーエレクトロニクス』は様々な分野で大きな注目を集めていることが分かりました。例えば、クラウドファンディングサイトKICKSTARTERではペーパーエレクトロニクス分野のベンチャー企業が予定額を大きく上回る資金を調達していたり、スウェーデンの森林業界が産業の発展に寄与する研究を表彰するThe Marcus Wallenberg賞では、今年はペーパーエレクトロニクス分野の研究が受賞したり。

この背景には、ウェアラブルコンピュータなど向けに「薄くて軽くて柔軟で環境に優しい基板」が求められていることがあります。一方、コミュニケーションの観点からも、ペーパーエレクトロニクスは印刷物の表現力・双方向性を大きく高めます。さらに、最近話題のIoT(モノのインターネット, Internet of Things)への貢献も十分に考えられます。ICチップを安く大量に「印刷」できれば、たくさんのモノをネットにつなげられるようになるのですから。これは、生産管理やサプライチェーンマネージメントにも大きな影響を及ぼします。

2020年のdrupaでは、ペーパーエレクトロニクス分野を印刷会社が開拓するための機材が、多くの出展社から提案されることになると私は考えます。ペーパーエレクトロニクスは、印刷会社はもちろん、印刷機材・資材メーカーにも大きな事業機会を提供することになるためです。

ところで、こうした流れを受けて、国内でも筑波大学 生命環境系 生物材料工学分野 環境材料系科学研究室 江前(えのまえ)教授を中心に「紙のエレクトロニクス応用研究会」が今年の7月に発足しました。こちらのサイトからペーパーエレクトロニクス関連の情報が随時発信されており、また今後は会員限定の交流会なども計画されています。私も参加しておりますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にお声がけください (^ ^) 一緒に新しい分野を開拓しましょう!


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