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2016年11月30日水曜日

2016年の印刷市場を振り返る:北海道・石川県の場合〜新幹線開業効果は!?

昨年(2015年)3月14日、北陸新幹線が金沢まで開業しました。そして今年(2016年)3月26日、北海道新幹線 新青森駅 - 新函館北斗駅間が開業しました。新幹線の開業は、その地域の印刷業界にどのような効果をもたらしているのでしょうか。

前回(東京都・千葉県の場合)に続き中小企業団体中央会の情報にもとづいて、今回は北海道と石川県の2016年の印刷市場動向を分析します(注:8月まで):

  • 2016年1月:
    • 石川県:長い正月休暇もあり、売上・収益とも前年同月より下降した。原因は官公庁の見積もり合わせ・入札も減少している。また、一般企業も1月は少し控えめであった。
  • 2016年2月:
    • 北海道:組合員の業況においては、あまり変化のない通常の2月であった。ただこの先の見通しとしては、一般家庭の消費の回復、観光客の入り込み(インバウンド観光)が大きな意味を持つと考えられる。 (加工紙)
    • 石川県:前年同月と比較すると動きも鈍く、業界全体が静かではあるが、3月後半から4月にかけて昨年と違った付加価値ある収益改善を目指して進行中である。昨年の新幹線開通による波及効果を一過性ではなく、より持続できるように知恵と工夫が我々の業界の今後の課題である。組合脱退者が多くなった理由は、後継者がいない、仕事が少なくなった、新幹線開業による仕事に関係がない、である。
  • 2016年3月:
    • 北海道:昨年の3月と比較して、売上高、販売価格、収益にさほど大きな変化はない。(加工紙)
    • 石川県:仕事上年度末は1年で1番多忙な時期に、新幹線開業関連の仕事と重なり、前年同月以上に多忙な毎日であった。収益も多忙な分だけ伸びたように感じるが、近年の低価格落ちを少しでも改善できるよう心がけたい。個人消費は相変わらず足踏み状態が続き、地域経済もまだ回復の実感は乏しい。
  • 2016年4月:
    • 北海道:昨年同月と比較して大きな変化はなかった。(加工紙)
    • 北海道:平成28年度当初の契約額は昨年度に比べて、契約件数で5件、契約額で約3割の減少となったことにより、毎月の売上高は厳しい状況が予想される。(印刷関連サービス)
    • 石川県:前年同月に比較するまでもなく、業界全体が厳しく新年度と言うのに動きが鈍く、収益も減少していたが、後半より連休前に若干の動きが出てきた感じがある。
  • 2016年5月:
    • 北海道:本年度の契約額が前年対比3割減となったことから、売上高は減少した。(印刷関連サービス)
    • 石川県:印刷でも業種によってバラつきがあり、前年同月から見ると売上・収益も下降で先行き不透明感が強い。個人消費は依然低調である。
  • 2016年6月:
    • 北海道:昨年6月はインバウンド効果の影響で売上、収益とも良好でしたが、今年の6月はかなり厳しい状況である。 (加工紙)
    • 石川県:5月報告と同様、印刷の業種によってバラつきがあり。昨年の新幹線開業効果実績も定着してきたが、更なる波及に努力している。収益状況は決していいとは言えない。
  • 2016年7月:
    • 北海道:7月は天候不順が続いて果物関係の段ボール箱の出荷が悪く、道内一般家庭の消費も悪い。業界としては昨年7月よりも厳しい景況である。(加工紙)
    • 石川県:売上高は昨年同様のようにはいかないが、6月から見れば若干の多忙を感じる。8月もこの調子で頑張りたい。
  • 2016年8月:
    • 北海道:台風の大雨による農作物の被害で、これから流通資材の段ボールカートンに大きな影響が出る気配がある。一般家庭の消費も悪く、紙器段ボール箱の引き合いも厳しいと考えられる。 (加工紙)
    • 石川県:8月は恒例と言っても過言ではないが、お盆・子供の夏季休暇も長く仕事全ての動きが鈍く、昨年同月の売上を維持するのが精一杯である。収益も昨年同月の売上維持には程遠いが収益率も悪い。

北海道と石川県、それぞれの市場動向をまとめると以下のようになります。新幹線開業効果を含め、随分と差があるようです:
  • 北海道市場の概況(加工紙中心):
    • 北海道新幹線開通の効果はあまり感じていない模様。
    • 4月までは前年並み、6月以降は天候不順などの影響で厳しい状況が続いている。
  • 石川県の印刷市場概況:
    • 一定の新幹線開業の効果あり。ただ、さらなる上乗せは進んでいない様子。
    • 月によって業績にバラつきあり。
    • 業種によっても業績にバラつきあり。

北海道と石川県のケースをみる限りでは、新幹線の開業が印刷業界にもたらす恩恵は必ずしも大きなものではないようです。ただ、北陸新幹線・北海道新幹線ともにまだ未開業区間があります。また、2020年に向けて海外からの観光客も増えることが見込まれます。今後の展開にも注目していきたいと思います。

なお、印刷・加工紙以外の市場動向については、以下のサイトをご確認ください:
北海道新幹線車両の陸揚げ作業@函館港
北陸新幹線 グランクラス

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