印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2011年9月1日木曜日

サイン&ディスプレイショウ 2011:印刷業界の視点から

本日(9月1日)、東京ビッグサイトで開催されている『サイン&ディスプレイショウ 2011』に行ってきました。今日が3日間行われる展示会の初日です。私が会場に到着したお昼頃はまだ来場者数は少なめでしたが、午後になって来場者も増え会場も賑やかになりました。展示は節電の影響で派手さは抑え気味でしたが、その分提案方法が工夫されていて、興味深いものも多く目につきました。

そんなサイン&ディスプレイショウ、LED関連については他の方々も触れるかと思いますので、それ以外の分野について私の印象をまとめたいと思います;

1) 少なかった広幅インクジェット印刷機の新製品:
商業印刷の分野でもデジタル印刷機メーカーからの新製品発表が少なめになっていますが、この分野でも同じような傾向になっているようです。その分、機材の使い方についての提案が中心になっていました。

2) サードパーティインク:
HP、ミマキ、ローランドなどの機種に対応したサードパーティインクを販売するブースがありました。どれも日本独自に開発したのではなく、既に海外で販売され利用実績のあるものを国内でも販売するようになったものです。価格は、純正品の定価の半額程度。こうしたサードパーティ消耗材は、他の機種や商業印刷用のインクジェット機、更にはトナー機などにも広がるのでしょうか。

3) 木製・アクリル製の3D看板&ディスプレイ:
レンチキュラーといった疑似3Dではなく、木やアクリルを使った立体的な看板やディスプレイの提案が目に付きました。賑やかな色の平面的な装飾よりも、自然素材のもの、あるいはボリュームはあるのに透明で圧迫感の少ないアクリル製のものの方が、震災後の人々の気分に合っているのかも知れませんね。

4) ソフトサイネージの盛り上がり:
ソフトサイネージの制作コストが下がったことやソルベント(溶剤)インクが環境対応性の低さから敬遠されたことなどにより、ソフトサイネージの需要が高まっているようです。

5) デジタルサイネージはほとんど見かけませんでした・・・
数年前(電子書籍の前でしたね)に印刷業界でも大きな話題となったデジタルサイネージですが、今回の展示会ではほとんど提案されていませんでした。流行ものとして消えていきそうな雰囲気です。

6) 床面、凹凸面、空中・・・広がる広告スペース:
今回、多くのブースで床面に広告やサインを貼るというソリューションの提案が行われていました。中には、床のサインを踏むと音が鳴るという仕掛けの提案もありました。また、凹凸面に貼ることができるフィルムや空中に立体像が浮かんで見えるソリューションの展示などもありました。広告として使えるスペースは、どんどん広がっています。「ワンストッププロモーション」に取り組む印刷会社には、創造力を更に発揮できそうな面白い流れかと思います。

以上6点が、今回のサイン&ディスプレイショウでの私の印象です。できれば、『ブライター・レイター・ニュース』などを通じてもう少し深堀りしたいと考えています。展示会に行かれた皆様はどのようなご意見・ご感想を持たれましたでしょうか?是非、お聞かせいただければと思います。