印刷会社の新規ビジネス成功支援を専門とするコンサルティング会社 ブライター・レイター のブログです。

2016年4月28日木曜日

drupa2016に向けて:連続紙用デジタル後加工機の動向 〜 Hunkeler社の場合

日本からもたくさんの印刷業界関係者が参加する2年に1度のイベント Innovationdays を主催するスイスのHunkeler(フンケラー)社は、連続紙(ロール紙)用デジタル印刷向け後加工機材(デジタル後加工機材)メーカーです。

Hunkelerは、今回のdrupaでも大きな存在感を示すことが期待されます。drupa向け発表資料(PDF, 英文)を読むと、特に以下の方向に進化した連続紙用デジタル後加工機が展示されることが分かります:
  • 可変対応力強化(1部づつ異なる印刷物の加工が可能に)
  • 高速化
  • 自動化

さて、Hunkelerは展示方法も特徴があります。例えば、最新機材を1点ずつ紹介するのではなく、特定市場に向けたソリューションとして展示する方法です。今回も、Hunkelerブースでは、以下のようなソリューションが紹介されます:

また、Hunkelerは、デジタル印刷機メーカーや他後加工機メーカーのブースに後加工機を置くことにも積極的です。今回のdrupaでも、例えば以下のようなブースに機材を展示し、デモを行う予定になっています:


このようにさまざまなデジタル印刷機と連携し、多様なアプリケーション(印刷物の種類)に対応した後加工機を提供しているHunkeler社ですが、例えば以下のようなカバーしていない分野も見受けられます:

  • パッケージ:紙器、軟包装ともに
  • B1・B2サイズ枚葉式デジタル機、など

もちろん、drupa会場に行けば隠し球的に展示されている可能性もあります。しかし、「連続紙のページ物(書籍・冊子・雑誌など)や新聞、DMなどの商業印刷物」のソリューション・連続紙用デジタル後加工機に特化する戦略をとる可能性も考えられます。

では、他のデジタル後加工機メーカーの「パッケージ」や「B1・B2サイズ枚葉デジタル機」向けの機材はどうなっているのでしょう?次回は、こうした部分をチェックしたいと思います。
お楽しみに!

2016年4月27日水曜日

drupa2016に向けて:インクジェット版ライトプロダクション機の可能性

drupaやIGASなどの大きな機材展では、高性能・高機能なハイエンドの機材に注目が集まります。スーパーカー(例えが古くてすみません(笑))を楽しむノリで、ハイエンド機をあーだこーだと評価するのは、正直私も大好きです(笑)。しかし、例えばハイエンドの輪転式インクジェット機は、価格もサイズも中小規模の印刷会社が導入するのが簡単ではないレベルに達しています・・・

では、中小規模の印刷会社はインクジェット機の導入を諦めなければならないのでしょうか?あるいは、大きなリスク覚悟で導入しなければならないのでしょうか。実は、drupa2016では、インクジェット機版ライトプロダクション機とでも呼べそうなセグメントの機材が展示されそうです。

ところで、国内で電子写真方式デジタル印刷機(トナー式デジタル機)の導入が進んだ背景として、いわゆるライトプロダクション機が市場に投入されたことが挙げられます。それまでのデジタル印刷機は、富士ゼロックスやコダック、HPが販売する高性能・高画質・高価格のハイエンド機が中心でした。こうした市場に、画質や機能は限られていますがその分低価格のライトプロダクション機が投入されたことで、国内のデジタル印刷市場は急速に拡大しました。

私は、インクジェット機でも同様に展開する可能性は大きいと考えています。ハイエンド輪転式インクジェット機(ハードウェア)の価格は、1台数億円です。この規模の投資ができ、さらに数年で回収できる印刷会社は限られています。

その一方で、インクジェット機のランニングコストはトナー機に比べて低く、厳しい価格競争に巻き込まれている多くの印刷会社にとっては魅力的です。これは、ハードウェアの価格が印刷会社が投資できる範囲に収まれば(あわせて画質も許容範囲内になれば)、導入が進む可能性を示しています。

drupa2016では、比較的低価格のインクジェット版ライトプロダクション機がさまざまなメーカーから提案されます。InfoTrends社は、インクジェット機のライトプロダクション市場を "Zone of Disruption"(破壊的な領域)と呼んでいます。ゼロックスが今回のdrupaで発表する Brenva HD や Trivor 2400 は、明確にこの市場をターゲットにしています(ちなみに、これら2機種は iGen の筐体を流用しています)。

インクジェット機には、理想科学工業のオルフィスやMemjet技術を活用した印刷機など、本体価格もランニングコストも低いローエンド市場があります。中長期的には、こうしたローエンド機寄りのライトプロダクション市場が立ち上げる可能性も考えられます。

会場では、ライトプロダクション機の「本体価格・ランニングコスト・画質」のバランスをぜひご確認ください。あわせて、どのくらいの本体価格・ランニングコスト・画質なら実際に導入して売り上げ・利益を伸ばすことが可能か、その際どんな仕事に使いたいかなど、インクジェット印刷ビジネスの可能性も考えてみてください。
こうした頭の体操ができるのも、drupaの魅力だと思いますので (^ ^)

2016年4月25日月曜日

drupa2016に向けて:主な出展企業のdrupa関連リリース&特設サイト一覧


drupa2016開幕まで残りおよそ1ヶ月となりました。改めて、主な出展企業のdrupa関連リリースや特設サイトをまとめてみました。ご参考にしていただければ幸いです (^ ^)

なお、これらは出展企業各社の公式サイトに掲出されているもので、印刷業界紙・業界誌などのサイトに載っているものは(あえて)カバーしていません。こうして見ると、各社のdrupa情報の発信状況にはかなり差があることが分かりますね。印刷会社の皆さん、印刷機材メーカーにWeb上での情報発信をアドバイスするサービスのチャンスです(笑)!

注)各社のdrupa公式サイト(www.drupa.com)に掲載されている情報は、「drupa2016に向けて:主な企業の出展場所一覧(ホール別)」からご確認ください。






2016年4月22日金曜日

drupa2016に向けて:スマートワークフローでスマート印刷工場を!

前回の記事で、drupa2016は 『スマートdrupa』と呼ばれると予測しました。
この背景となるIndustrie 4.0(インダストリー4.0)やスマート工場(考える工場)についてはこちらなどの記事をお読みいただくとして、今回はスマート印刷工場に必要不可欠となるスマートワークフローについてご紹介します。

さて、そもそも『スマート印刷工場(考える印刷工場)』は何を考えれば良いのでしょう?例えば、以下の目的を「効果的・効率的に実現するマーケティング施策」を考えることが挙げられます:

  • 「顧客の顧客」視点からの顧客企業の需要とブランドの創造
  • 顧客企業視点からの自社の需要とブランドの創造
  • 需要とブランドの創造を通じた『稼ぐ力』の強化/価格競争からの脱却、など

これを実現するためには、「顧客の顧客」や顧客1人づつ(1社づつ)に合わせたコミュニケーションが必要不可欠になりますが、先にご紹介した記事にも書かれているように、それを実現する「マスカスタマイゼーション」の仕組みもIndustrie 4.0 のキーワードのひとつです。

印刷会社が「マスカスタマイゼーション」を通して、効果・効率の高いマーケティング施策を考えられる「スマート印刷工場」を実現するためには、以下のような機能を持つ「スマートワークフロー」が必要不可欠です:

  • 顧客や「顧客の顧客」の行動をトリガー(切っかけ)に、それぞれにぴったりの印刷物を自動的に生産・発送できる。
  • 顧客企業内のマーケティングシステムと連携が取れる。
  • APIを通して、さまざまなWebサービスと連携が取れる。
  • さまざまな印刷機材(ハードウェアおよびソフトウェア)をシームレスにつなぐことができる。
  • マーケティングの効果・効率を高めるために必要なデータを自動的に収集・分析できる:
    • 顧客や「顧客の顧客」の行動・気持ちなどが見える化できる。
  • AI(人工知能)が使われている、など

ところで、ワークフローの第1世代であるワークフローRIPは、印刷会社内(特にプリプレス部分)の業務効率化が目的とされていました。そして、第2世代であるデジタルワークフローは、印刷会社と顧客がつながり、その間のやり取りの効率化に大きな効果を挙げています。

drupa2016では、第3世代となる「スマートワークフロー」に注目したいと考えます。HPはdrupaに向けてPrintOSというコンセプトを発表しています。まだ詳細は不明ですが、これがスマートワークフローに近いものでは、と勝手に妄想を膨らませています(笑)。

デジタル・IT業界がよくわかる本」(志村一隆著、宣伝会議)によれば、「OSとは、スマートフォンのスイッチや通話、カメラといった機器にあらかじめ備わっている機能を動かしたり、LINEやゲームといったアプリを動かす役目を担っているプログラム」のことです。

この文章中の『スマートフォン』を「デジタル印刷機」や「後加工機」、また『LINEやゲームといったアプリ』を「ワークフローやWeb to Print、カラーマネージメントといったソフトウェア」と置き換えると、HPがOSという表現を使う意味というか迫力が見えてきます。

これまでの発表から、ワークフロー分野では「クラウド化」がdrupa会場での話題になることが見込まれます。しかし、個人的には「ワークフローのスマート化 = スマートワークフロー」に注目しています。実は、スマートワークフローが、drupa2016の『マイベスト注目ポイント』だったりします (^ ^)

なお、『スマート印刷工場』や『スマートワークフロー』はブライター・レイターの造語です。これらの言葉が流行るよう、皆さんどんどんお使いください(笑)!

2016年4月20日水曜日

drupa2016に向けて:『スマートdrupa』へようこそ!


皆さんもご存知の通り、drupaには毎回ニックネームが付けられています。例えば、過去3回のdrupaは以下のように名付けられました:

  • Inkjet again drupa(2012年)
  • Inkjet drupa(2008年)
  • JDF drupa(2004年)

では、今回はどんなニックネームが付けられるのでしょう?このブログでも、以下のような記事でいろいろ予想(あるいは妄想(笑))してきました:

ところで、drupa2016でのキーワードのひとつに「Industrie 4.0(インダストリー 4.0)」があります。そして、Industrie 4.0 の核には「スマート工場(考える工場)」という考え方があります。この「スマート(Smart)」という言葉には、「大胆予測」の記事で触れたようなコンセプトがうまく収まるような気がします。buzzword(流行り言葉)っぽいところもありますし(笑)。

そのため、ブライター・レイターは、drupa2016のニックネームは『スマートdrupa(Smart drupa)』になると考えます。そして会場では、スマート工場(考える工場)を実現する以下のような「スマートな機材」が紹介されることを期待します:

  • スマート印刷機
  • スマート後加工機
  • スマートワークフロー
  • スマート Web to Print
  • スマートカラーマネージメントシステム(CMS)
  • スマート作業着、など

次回は、スマート工場の核となるスマートワークフローについて詳しくご紹介したいと思います。お楽しみに (^ ^)

2016年4月19日火曜日

drupa2016に向けて:液体トナー機は "HP vs ミヤコシ" の構図に!


2010年ごろ、「液体トナー式デジタル印刷機(液体トナー機)が盛り上がるかも!?」という噂が広がりました。「HP社が所有する液体トナー電子写真技術に関する特許が切れる」というのがその理由でした。確かに、前回drupa(2012年)には、キヤノンやザイコンといった大手デジタル印刷機メーカーがこの分野への参入を表明し、実際に盛り上がりそうな気配も感じられました。

さて、液体トナー機の現状はどうなっているのでしょう?
drupa2016での出展が発表されている液体トナー機(A3サイズ以上)をまとめたのが下図になります。HP以外で出展されるのは以下の3機種です:
  • ミヤコシ MDP4000
    • B2サイズ枚葉式デジタル印刷機
    • 色数:4色(将来7色対応予定)
    • 印刷速度:4,000枚/ 時(片面印刷時);2,000枚/ 時(両面印刷時)
  • RGMT DP7
    • B2サイズ枚葉式デジタル印刷機(4色機)
    • 印刷速度:6,000枚/ 時
    • 解像度:1,200 dpi
  • Xeikon Trillium One
    • 連続紙用デジタル印刷機(印字幅 500mm)
    • 印刷速度:50m/ 分
    • 解像度:1,200 dpi

drupa2012で発表されたキヤノン InfiniStream は、今年(2016年)3月に「開発を中止し、製品化しないことを発表した」という記事がネットに流れました。実際、キヤノンのdrupa2016特設ページにもInfinistreamが出展されるという情報は見当たりません。ただ、先ほどの記事によれば、キヤノンは液体トナー技術の開発を継続し、時期は未定ながらも将来的に液体トナー機を製品化する計画があるとされています。今後の展開を期待しましょう!

ところで、興味深いのは、上記3機種は全てミヤコシの液体トナー技術をベースにした製品である点です。つまり、液体トナー機市場では、HPとミヤコシの一騎打ち状態になっているのです。もちろん、すでに製品化され市場で高い評価を受けているHPの方が大きくリードしています。ただ、後発ならではの戦い方をすれば、液体トナー機市場に新しい風を吹かせることができるかもしれません。
drupa会場ではぜひ、HPとミヤコシの印刷品質を比較してみてください。

あわせて、ミヤコシ・RGMT・ザイコン各社の液体トナー機の比較もオススメです。
印刷部分は同じミヤコシの技術を使っていても、搬送系は各社異なっています。また、各社の設計思想にも違いがあるため、操作性などにも違いがありそうです。この3社の印刷品質や使いやすさの違いにも、ぜひご注目ください。そして、皆さんのご意見をお伺いさせていただければと思います (^ ^)

2016年4月14日木曜日

drupa2016に向けて:シール・ラベル向けデジタル印刷機の見どころ

シール・ラベル分野でのデジタル印刷利用はまだ限られていますが、この市場に向けて多くのメーカーがデジタル印刷機を投入しています。例えば、IGAS2015などで出展されたこの市場向け最新デジタル印刷機(一部)をまとめたのが下図になります:

この図から、以下のような市場動向が見えてきます:

  • シール・ラベル用デジタル印刷機は輪転タイプ(連続紙用)が中心:
    • 既存のシール・ラベル用印刷機が輪転タイプが中心だから。
    • IGASの時、ラベル新聞の方が「枚葉(カットシート)機はラベル市場では新しい動き」とおっしゃっていたのが印象的でした。
  • 枚葉(カットシート)タイプは、シール・ラベル専用機ではない:
    • シール・ラベル「も」印刷できる商業印刷用デジタル印刷機。
  • 印刷方式は多様:
    • 粉体トナー、液体トナー、UVインクジェット、水性顔料インクジェット、油性顔料インクジェット、Memjet、など
  • 富士ゼロックス、キヤノン、リコーなど商業印刷用デジタル印刷機メーカーは、シール・ラベル専用機を発売していない、など

こうした動向を踏まえると、シール・ラベル分野におけるdrupaの見どころとして以下のような点が挙げられます:

  • 輪転機のさらなる進化:
    • さらなる高画質化:
      • 特色対応、高解像度化(インクッジェット機)、など
    • さらなる高速化・用紙対応性向上
    • 印刷方式のさらなる多様化
  • シール・ラベル市場向け枚葉機の発表の有無:
    • 枚葉機用後加工機も含めて
  • ゼロックス・キヤノン・リコーなど、主要プロダクション機メーカーからのシール・ラベル専用デジタル印刷機の発表の有無、など

機材に加えて、海外市場におけるカスタマイズ/パーソナライズされたシール・ラベルの事例や、そうしたサービスで使われているソフトウェア(組版や出力、ジョブ管理用とか)などにも注目したいと思います。デジタル印刷の活用分野がどんどん広まる中で行われる今回のdrupa、見どころがいっぱいで回りきれるか早くも心配です(笑)

2016年4月12日火曜日

drupa2016に向けて:主な企業の出展場所一覧(ホール別)

drupaに行かれた方はご存知かと思いますが、会場はとても広くてのんびり視察をしていると回り切れなかったりします。実は私も、前回(2012年)は4日間会場にいたものの、足を踏み入れなかったホールがありました (^ ^;

今回は、drupa2016会場で効率的に情報収集するため、主な出展企業をホール別にまとめてみました。drupaに行かれる方のご参考になれば幸いです (^ ^) また、ブライター・レイター主催のdrupa2016ツアーでは、こうしたブースを中心に視察します。drupa2016で効率的に情報収集されたい方、ぜひご参加ください!

なお、「ここが書かれていない」「このブースにも行った方が良い」といったご意見がありましたら、どしどし(笑)いただければと思います。

2016年4月8日金曜日

drupa2016に向けて:市場の変化を先取りしよう!

デジタル印刷の進化に伴い、使われる領域が商業印刷からシール・ラベルや書籍、新聞など着々と広まっています。drupa2016をきっかけに、パッケージでもデジタル印刷の利用が広まることが見込まれます。

ところで、デジタル印刷で市場はどう変わるのでしょう?
例えば、商業印刷市場では以下のような変化が起きました:

  • 小ロット化・短納期化
  • 低価格化
  • 激しい価格競争
  • ワークフローの効率化
  • 後加工の内製化
  • 工場スタッフの多能工化/機材のスキルレス化
  • Web to Print の導入・活用
  • 印刷通販市場の拡大/印刷通販会社の増加
  • 印刷物のパーソナライズ/カスタマイズ、など

多くの方が理解されているように、「厳しい経済状況」や「Web利用の拡大」はこうした変化の大きな要因です。私は、デジタル印刷もこれらと同様に変化の大きな牽引役だったと考えています。「小ロット・短納期の仕事を低価格で」という競争を先に仕掛けたのは、デジタル印刷だったからです。この動きに大きく反応したオフセット印刷は急速に進化し、上記の変化を引き起こしたのです。

さて、これらの変化は商業印刷以外の市場、例えばパッケージ市場でも起こるのでしょうか?「厳しい経済状況」や「Web利用の拡大」の影響は、商業印刷でもパッケージでも同じかと思われます。

また、パッケージ分野でも「小ロット・短納期」やパーソナライズ/カスタマイズの動きは見られますし、印刷通販サービスも増えつつあります。そして、これらはデジタル印刷が得意とする分野です。こうした状況を踏まえると、パッケージ分野でも商業印刷と同様の変化、激しい価格競争も含めた変化が起こることが考えられます。

では、その変化にどう対応すれば良いのでしょうか。拙訳書『未来を創る』には、以下2つの課題解決アプローチが紹介されています:

  • 先見型アプローチ:
    • 現在起こりつつある、あるいは未来に起こるトレンドを取り入れることに重きをおく未来志向型アプローチ。市場の変化にも対応できる。
  • バックミラー型アプローチ:
    • 過去の体験に基づいて考え、行動するアプローチ。

drupaでは海外の印刷市場、特にデジタル印刷先進国である欧米市場で起こっている動き、あるいは想定されている変化についての情報を収集する貴重な機会でもあります。drupaではぜひ、先見型アプローチで情報を収集・分析してください。そして、売上・利益増大につながるデジタル印刷戦略を立案・実践しましょう (^ ^)

2016年4月5日火曜日

drupa2016に向けて:最新インクジェット機のチェックポイント

インクジェットdrupaと呼ばれたdrupa2008(2008年開催)以降、インクジェット式デジタル印刷機(インクジェット機)は目覚しいスピードで進化しています。drupa2016でも、さらに進化したインクジェット機の提案が期待されます。

とはいえ、drupa会場に行かれる方々の中には、展示されたインクジェット機を見て「どのあたりがどんな風に新しいのか?」がピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、これまでインクジェット機の進化を継続的に追ってきた方なら問題ありませんが、そういう方はそれほど多くないかと思いますので。

今回、下図のように最新インクジェット機のチェックポイントをまとめてみました。大きく分けて、「画質」「生産性」「対応用紙性」の3つの観点からチェックすることをオススメします。また、それぞれをさらに「定量的」「定性的」という切り口から確認すると分かりやすいと思います。

特に、「定量的」な情報はカタログの製品仕様の部分に記載されていますし、デモのご担当者にお伺いすれば教えていただけることも多いので、集めやすくまた比較し易いものです。実際、私が展示会の報告レポートを作成する際には、展示された機材の「定量情報」を比較することが多かったりします。

ちなみに、現時点(IGAS2015の時点)での定量的な仕様と今回の見どころは以下のようになっています:

  • 解像度:枚葉機も輪転機も 1200 x 1200 dpi が標準的に:
  • 印刷速度:
    • 枚葉機:毎時 3,000枚〜4,500枚程度:
      • Landa S10 の毎時13,000枚は驚異的
      • オフセット機なみの毎時10,000枚以上のデジタル機が他にも発表されるに注目。
    • 輪転機:毎分 200m〜300m機が市場投入済み:
      • 毎分400mや500mという、さらなる高速化が進むかにも注目:
        • 毎分400m〜500mは、商業印刷用オフセット輪転機とほぼ同じ印刷速度。
  • 用紙サイズ:
    • 枚葉機:B2サイズ機が中心:
      • こちらの記事でもご紹介したように、B1サイズ機が話題に
      • B3サイズ機の展示も期待
      • L版・K版といった紙器向けサイズ機の提案があるかにも注目。
    • 輪転機:520mm幅(B2サイズ)機
  • 紙厚:最大 0.6mm の用紙を想定したインクジェット機も:
    • パッケージ向けに厚紙対応が進んでいるため
    • Landa S10は 最大 0.8mm の用紙を想定
    • 逆に薄紙対応にも注目:
      • インクジェット機は裏抜けがあるため、薄紙は苦手とされているため。

もちろん、実際に導入・活用する際には、下図に示した以外の要素が重要になることも多いでしょう。例えば、以下のようなものが挙げられます:

  • 操作性(使いやすさ)
  • 既存設備(ワークフローや他機材など)との相性
  • 求められるスキルレベル
  • 筐体のサイズ
  • デザイン性、など

折角なので、drupaが始まる前に「自社が収集・分析すべき情報は何か?」を社内で検討した上で drupa会場に乗り込んでいただければと思います。その方が収穫は多くなるかと思いますので。
その際に、本稿が少しでもご参考になれば幸いです (^ ^)