印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2016年5月23日月曜日

drupa2016に向けて:印刷系ソフトウェアの最新動向

drupa2016の特徴のひとつに、ソフトウェアに対する興味が高まっていることが挙げられます。印刷会社や印刷機材メーカーの方々とdrupa事前情報についてお話をしていると、ソフトウェアに言及される方がかなりの割合でいらっしゃいます。

これまでの展示会ではハードウェアばかりが話題になることが多かったので、この変化に少々驚いています。とはいえ、印刷サービスにおけるソフトウェアの重要性を考えると、この変化は当然のことです。

さて、主な印刷機メーカー(デジタル印刷機およびオフセット印刷機)やEFI社のソフトウェア関連の出品状況をまとめたのが下の4枚のスライドになります。これらから、drupa2016におけるソフトウェアのトレンドとして、以下のようなキーワードが見えてきます:
  • 統合化(end-to-end ソリューション)
  • クラウド化
  • セグメント化
  • モバイル化/アプリ化

統合化(end-to-endソリューション)やクラウド化は4年前のdrupa2012でも言われていましたが、今回はより実用的なレベルの商品として提案されそうです。一方、モバイル化/アプリ化については、米国・シカゴで2013年に開催されたPRINT13で比較的大きく扱われていたように思うのですが、今回はあまり表立って出てきていないように思います。

ただ、マーケティングやコミュニケーション分野では、注目されているというか「普通」に対応が進んでいるものです。会場では、ソフトウェアのモバイル化/アプリ化の動向もしっかり確認しましょう。

EFI社は、私が勝手に(笑)「印刷系ソフトウェアのトレンドを知る目安」にしている企業です。必ずしも最先端の技術を取り入れた製品を開発・提案している訳ではないのですが、常に広い視点から「少し先」を示す製品を紹介しているように思うからです(気のせいかもしれませんが(笑))。そのEFI社ですが、今回は以下のようなセグメント別のソフトウェアを出品するのが印象的です:
  • 印刷会社の規模別
  • 市場別(パッケージなどアプリケーション別)

印刷機や加工機が「万能なもの」から「特徴のあるもの」「自社に合ったもの」「仕事に合ったもの」へとシフトしているのにあわせて、ソフトウェアも同様に進化しているようです。また、今回のソフトウェアでは、以下の機能に注目したものが多く見られるように思います:
  • カラーマネージメント
  • マーケティング

マーケティング用ソフトウェアについては、毎回ゼロックス社のXMPieに注目しているのですが、今回も面白いものが紹介されそうです。また、リコーがこの分野のソフトウェアを積極的に展示することを発表しています。コニカミノルタも、ソフトウェアのお話にはあまり触れていませんが、ブース全体としてマーケティングをテーマにすることを発表しています。

マーケティング関連ソフトウェアは、印刷会社が自社の需要やブランドを創造することに加えて、顧客(印刷物発注企業)がその顧客(印刷会社から見れば「顧客の顧客」)との関係を深めるための有効なツールです。また、仕事をどんどん獲得し、印刷機や加工機をガンガン回すためのとても大事なツールです。
ぜひ、この分野の情報も積極的に収集・分析しましょう!

2013年10月29日火曜日

ビッグデータ x W2P


Web &モバイルマーケティングEXPOトスマックブースでは、最近話題のビッグデータとWeb to printW2P)を組み合わせたサービスが紹介されていました。

トスマックでは現在、店頭・売り場の販促用POPを制作・発注できるWeb to printシステム「プロモーション・クラウド」を提供しています。これは、例えば各店長が自分の店舗に合った販促物をWebで制作・発注できるもので、注文後72時間以内に発送されます。テンプレートの利用が中心ですが、オリジナル形状も作成可能となっています。

今回、トスマックはAPIApplication Programming Interfaceを使ってプロモーション・クラウドを各種Webサイトと連携するサービスを紹介していました。このサービスでは、自社サイトや自社ECサイト、ブログ、SNS、口コミサイトなどのデータをPOPに反映することができます。

これは、あるアパレルメーカーからの依頼で開発しているサービスだそうです。このメーカーでは、例えば店長ブログで新商品を紹介しても、店頭のPOPなどとの連携が取れていないことが多いそうです。こうした状況を改善するために、WebPOPW2Pのシステムを介して連動させることを目指しています。

今回は店長ブログや自社サイト、自社ECサイトなどWeb系のオウンドメディアPOPの連携が目的となっています。しかし、こうした「ビッグデータ x W2P」の仕組みができると、将来的にはWeb上の言葉を広く分析して、来店者の購買意欲を高めるキーワードをPOPに反映させることができそうです。

また、全ての店舗スタッフが持つ商品知識(うんちくを含む)を共有化してPOPに反映させたり、データが蓄積されれば、店長が自店舗の過去の事例や顧客層が似ている他店舗の成功事例をもとにPOPを作成できたりするようになる可能性も考えられます。商材も、店頭POPだけでなくDMやポスター、サイネージなど広がりそうです。

今後、販促用印刷物ではバージョニングやパーソナライズが進むことが見込まれますが、ビッグデータの活用によってその表現が洗練される可能性がありそうです。今回の展示会ではトスマックだけでしたが、来年2月のpageや2年後のIGASでは、さまざまなメーカーから「ビッグデータ x W2P」のソリューションが提案されるかもしれません。
今から楽しみです (^ ^)

2011年10月26日水曜日

ソーシャルサービスのマーケティング利用最前線

本日(10月26日)から3日間、幕張メッセで『第1回 Web & マーケティング EXPO』が開催されています。会場では、「facebook」や「twitter」といったSNS(ソーシャルネットワークサービス)をマーケティングに活用するサービスが数多く紹介されていました。

例えば、facebookのファン獲得ソリューション。面白い仕掛けを持つファンページを制作・運用することで、ファン獲得を促進するものです。「男はつらいよ」の公式ファンページでは、ユーザーが「いいね!」を押すと、寅さんが各ユーザーのページをふらっと旅して、時にはコメントを残してくれます。こちらは、シエンプレが提供するサービスになります。

また、ソーシャルサービスの利用状況を分析することで、企業が自社サービスのファンを特定し、その方を囲い込むためのサービスも紹介されていました。例えば、facebooktwitterfoursquareなどの利用状況を分析することで、あるお店や場所によく行く人、あるいはよく言及する人を見つけ出すことができるサービス。企業は、その人をマーケティング活動に巻き込むことで、SNSを使ったマーケティングの効果を更に高めることができます。こうしたサービスは、シェアコトなどによって紹介されていました。

SNSを使ったマーケティングサービスは、サービス内容だけでなくビジネスモデルもかなり刺激的です。ファン獲得ソリューションでは、「成果報酬型」をうたうものも少なくありません。1「いいね!」= X円 というモデルです。また、利用者分析サービスも無料版と有料版があり、有料版でもクラウド型サービスで月々10万円以下で使えたりします。

こうしたサービスを提供する企業も、印刷会社の顧客のマーケティング費用を獲得する競争に参加しています。SNSを活用するマーケティングサービス企業と協業するか、それとも競争するか。印刷会社にこうした選択が求められる日は近いのかもしれません。いえ、もしかしたら既に来ているのかも。御社はどうされますか?

次回は、スマートフォン向け最新サービスについてご紹介したいと思います。

2011年7月17日日曜日

Web-to-print を通り越して一気に Cloud-to-print を目指してみてはいかがでしょう?

7月15日(金)、日本HPが5月に開始したばかりのクラウド・プリティング・ソリューション『ePrint & Share』をDesignjetプリンターと組み合わせて使うことを提案するセミナーに参加してきました。クラウド・プリンティング・ソリューションと聞くと難しそうですが、パソコンやタブレット端末、スマートフォン、そしてDesignjetなどを使って書類ファイル(セミナーでは建築用図面ファイル)を共有する仕組みで、ユーザーは特にクラウドサービスであることを意識せずに簡単に使えそうなものでした。

『ePrint & Share』の面白いところは、HPのプリンターやパソコンを持っていなくても無料で使える点です(HPのプリンターを持っていれば、更に便利に使えるそうです)。また、ソフトウェアはWindows機のみ対応なのですが、ブラウザー経由でクラウドにアクセスすることでMacでも使えます。このオープンさについてのご説明をお伺いして、「クラウドって凄いのかも」と感じてしまいました。だって、インターネットにアクセスできる端末を持っていれば、いつでもどこからでもファイルにアクセスできるのですから(カーナビからアクセスできるかは不明ですが)。

国内の印刷市場では 「Web-to-print の普及が遅れている」と良く言われていますが、場合によっては Web-to-print を通り越して Cloud-to-print に一気に移行するのも面白いかも知れません。印刷会社の皆様、この夏のお時間がある時に検討してみてはいかがでしょうか?私ももっと勉強しておきますので、何かありましたら是非お声掛け下さい。

2011年2月24日木曜日

クラウドコンピューティングは、印刷業界にどう影響するのか

昨日(2011年2月23日)、日本印刷会館で開催された2010年度第4回ジーエーシティセミナー「新たなIT環境:クラウドコンピューティングを理解する 〜 インターネットの新たな潮流は、印刷業界にどう影響するのか」に参加しました。セミナーによれば、現時点でクラウドの導入に成功しているのは、BtoC(消費者向け)かBtoE(従業員向け)として利用している企業が中心だそうです。

こうした事例から、例えば個人向けに印刷通販サービスの提供を考えている印刷会社が、Web-to-print システム提供の際にクラウドを活用することが考えられます(BtoC型サービスの例)。また、従業員が直接印刷物を発注する仕組み作りを考える総務担当者に対して、Web-to-print を使った発注システムをクラウドサービスとして提供することも考えられます(こちらは、BtoBtoE型サービスの例になります)。

セミナーの中で、「クラウドは、これまでシステム提供者側の視点で開発・提供されてきたが、2011年からは利用者がクラウドの発展を牽引する」といったお話がありました。印刷物発注者におけるクラウドの利用が広まりつつあるこの機会に、印刷サービスにおけるクラウドの活用方法を検討してみてはいかがでしょう。新しい印刷サービスにつながる切っ掛けが見付かるかも知れません。