印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2016年5月25日水曜日

drupa2016に向けて:その他注目の印刷・加工技術, Webサービスなど

「印刷の未来」に触れることができるのも、drupaの面白さのひとつです。
例えば、今回のdrupaでは新しい印刷物や印刷サービスを可能にする、以下のような最先端の印刷・加工技術を見ることができそうです(というか、見たいです(笑)):


また、会場では以下のようなWebサービスに関する展示も探してみます。これらと印刷(あるいはコミュニケーション)を組み合わせることで、新しくて刺激的なサービスを開発できそうだからです:

  • 機械学習
  • 深層学習(ディープラーニング)
  • 認知技術(画像認識, 音声認識, 自然言語認識, など)
  • AI(人工知能)
  • IoT/ Industrie 4.0
  • Bot、など

私はここ1年〜2年くらい、セミナーで「近い将来、テンプレートベースの印刷通販は無くなって、対話を通じてデザインする印刷通販が主流になる」というお話をしています。上記のようなWebサービスを使うことで、「対話ベースの印刷通販サービス」は実現できそうな感じです。デザインのスキルも身に付けた女子高生AIりんなちゃんが、ステキな会話をしながらナイスな印刷物をデザインする、というイメージでしょうか(笑)

印刷の可能性を広げる新しい技術は、まだまだたくさんあります。広い会場には、印刷関連の展示会では普段見かけないような最新技術が展示されているかもしれません。ぜひ、小さなブースにも目を光らせながら、新しいサービスのネタを探しましょう!

2016年5月23日月曜日

drupa2016に向けて:印刷系ソフトウェアの最新動向

drupa2016の特徴のひとつに、ソフトウェアに対する興味が高まっていることが挙げられます。印刷会社や印刷機材メーカーの方々とdrupa事前情報についてお話をしていると、ソフトウェアに言及される方がかなりの割合でいらっしゃいます。

これまでの展示会ではハードウェアばかりが話題になることが多かったので、この変化に少々驚いています。とはいえ、印刷サービスにおけるソフトウェアの重要性を考えると、この変化は当然のことです。

さて、主な印刷機メーカー(デジタル印刷機およびオフセット印刷機)やEFI社のソフトウェア関連の出品状況をまとめたのが下の4枚のスライドになります。これらから、drupa2016におけるソフトウェアのトレンドとして、以下のようなキーワードが見えてきます:
  • 統合化(end-to-end ソリューション)
  • クラウド化
  • セグメント化
  • モバイル化/アプリ化

統合化(end-to-endソリューション)やクラウド化は4年前のdrupa2012でも言われていましたが、今回はより実用的なレベルの商品として提案されそうです。一方、モバイル化/アプリ化については、米国・シカゴで2013年に開催されたPRINT13で比較的大きく扱われていたように思うのですが、今回はあまり表立って出てきていないように思います。

ただ、マーケティングやコミュニケーション分野では、注目されているというか「普通」に対応が進んでいるものです。会場では、ソフトウェアのモバイル化/アプリ化の動向もしっかり確認しましょう。

EFI社は、私が勝手に(笑)「印刷系ソフトウェアのトレンドを知る目安」にしている企業です。必ずしも最先端の技術を取り入れた製品を開発・提案している訳ではないのですが、常に広い視点から「少し先」を示す製品を紹介しているように思うからです(気のせいかもしれませんが(笑))。そのEFI社ですが、今回は以下のようなセグメント別のソフトウェアを出品するのが印象的です:
  • 印刷会社の規模別
  • 市場別(パッケージなどアプリケーション別)

印刷機や加工機が「万能なもの」から「特徴のあるもの」「自社に合ったもの」「仕事に合ったもの」へとシフトしているのにあわせて、ソフトウェアも同様に進化しているようです。また、今回のソフトウェアでは、以下の機能に注目したものが多く見られるように思います:
  • カラーマネージメント
  • マーケティング

マーケティング用ソフトウェアについては、毎回ゼロックス社のXMPieに注目しているのですが、今回も面白いものが紹介されそうです。また、リコーがこの分野のソフトウェアを積極的に展示することを発表しています。コニカミノルタも、ソフトウェアのお話にはあまり触れていませんが、ブース全体としてマーケティングをテーマにすることを発表しています。

マーケティング関連ソフトウェアは、印刷会社が自社の需要やブランドを創造することに加えて、顧客(印刷物発注企業)がその顧客(印刷会社から見れば「顧客の顧客」)との関係を深めるための有効なツールです。また、仕事をどんどん獲得し、印刷機や加工機をガンガン回すためのとても大事なツールです。
ぜひ、この分野の情報も積極的に収集・分析しましょう!

2016年5月20日金曜日

『スマート作業着』開発パートナー絶賛募集中!

国際印刷機材展 drupa2016 開催まで残り約10日となりました。
drupaに限らず、「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」や「スマート工場(考える工場)」という言葉を見たり聞いたり読んだりする機会は増えています。このような流れに乗って工場がスマートになっていく中、工場を管理する方や工場で働く方はどのように「スマート」になれば良いのでしょうか。

そこで、ブライター・レイターでは、工場スタッフの体型も含めた(!)スマート化を実現する「スマート作業着」の開発に取り組みたいと考えています。そして、開発に当たっては、以下のような最新テクノロジーの知見を持つ皆さまのご協力を必要としています:

  • パワードスーツ
  • HoloLens のような没入しない VR
  • AI(人工知能)
  • スマートヘルスケア/ HealthTech
  • MarTech (Marketing Technology)
  • FinTech、など

スマート作業着を使うことで、会社の社長や工場のスタッフは以下のようなメリットを得ることができます:

  • 年齢・性別・話せる言語・経験を問わず即戦力になる!
    • 工場の地方展開・グローバル展開が容易になる!
  • どんどん健康になれる!
    • 体型も(健康的に)スマートになる!
  • ミス・ロスがなくなる!
  • 作業効率が高まる!
  • 工場の稼働率が高まる!
  • 工場そのものがどんどんスマートになる!
  • 会社全体がスマートになる!、など

このスマート作業着、モジュールを変えたりすることで、工場以外にも以下のような「現場」での活用を想定しています:

  • 農作業
  • 福祉・介護
  • 医療
  • 教育
  • 工事・建設、など

多分に妄想混入率(笑)が高いお話しですが、せっかくの新しいプロジェクトなので大きなスケールで考えたいと思っています。市場規模も大きいように想像できますし。とても刺激的で面白いプロジェクトになること請け合いです (^ ^)

このプロジェクトにご興味をお持ちくださった方、お気軽にお問い合わせください。特に、資金提供のお申し出は大歓迎です(笑)。来年とか再来年の South by Southwest などで試作品をご紹介できたら面白いですね。

腕に覚えのある皆さま、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

2016年5月18日水曜日

drupa2016に向けて:パッケージ向けデジタル後加工機の最新動向(アップデート版)

前回の記事B1サイズに対応したデジタル後加工機について少し触れましたが、今回はその詳細をご紹介します。

今年(2016年)3月に「drupa2016に向けて:デジタル後加工機もパッケージ分野が注目!」という記事をアップしましたが、その予想が当たったようで、その後続々とパッケージ市場(特に紙器)向けデジタル後加工機の新製品が発表されています。それらの進化のポイントとして、以下のような点を挙げることができます:

  • 大判化 = B1サイズ対応
  • 高速化
  • オフセット機対応、など

Scodix社の可変ニス加工・可変箔押し機を例に取ると、以下のように進化しています:
  • これまでの最上位機種:Scodix Ultra Pro
    • 最大用紙サイズ:B2+ (545 x 788 mm)
    • 最大加工速度:毎時 1,250枚
  • 最新機種:Scodix E106
    • 最大用紙サイズ:B1 (760 x 1060 mm)
    • 最大加工速度:毎時 4,000枚

最新機種 E106 についてScodix社の方にお伺いしたところ、UVインクを使ったオフセット印刷物へのテストを進めており、今のところ問題ないことを確認しているそうです。Highcon社の筋入れ・型抜き機 Euclid は4年前のdrupa2012時点で既に、オフセット印刷物・デジタル印刷物両方に対応しています。Highcon社の新製品 Highcon Beam の加工速度は毎分 5,000枚と、これまでの毎時 1,500枚から大きく改善されています。

また、MGI社からは輪転タイプのデジタル可変ニス加工機・箔押し機 MGI JetVarnish 3DW が発表されます。これは、最大用紙幅 420mm、最大加工速度 毎分42mというラベル向け加工機ですが、用紙厚 0.4mm までの紙も通るので紙器向けにも使えるようです。軟包装でも使えれば面白そうなのですが、シュリンクの際には熱をかけるので難しいかもしれません (^ ^;

1枚ずつ可変でニス加工や箔押しができるデジタル後加工機はとても大きな可能性が考えられる機材です。しかし、これらが実際に仕事に使えるかは、加工品質や使い勝手などを確認して判断する必要があります。ぜひ、会場でサンプルを手に取り担当者にお話をお伺いしながら、しっかり確認しましょう!

2016年5月16日月曜日

drupa2016に向けて:『オフセット印刷 x デジタル可変後加工』の可能性

今回のdrupaでもデジタル印刷が話題の中心になりそうですが、会場には最新のオフセット印刷関連機材もたくさん展示される予定です。

下図は会場でデモが予定されている主なオフセット印刷機をまとめたものですが、目を引くのは、ほとんどの機種にUV乾燥機が付けられていることです。また、各機種とも自動化・スキルレス化対応が進んでいて、「短納期・小ロットの仕事を低コストで行う」方向性にさらに磨きが掛けられていることが分かります。

もう1点興味深いのは(私だけかもしれませんが(笑))、多くのオフセット機がB1サイズ(728mm x 1,030mm, 菊全判)機であることです。今回のdrupaではB1デジタル印刷機が注目され、あわせてB1サイズ対応デジタル後加工機もいろいろと発表されそうです、例えば、ScodixやMGIからは可変ニス加工や可変箔押しが可能な機材のB1対応機が出品されます。

こうした動きを見ていると、drupa後に「オフセット印刷 × デジタル可変後加工」という印刷サービスが話題になりそうな気がします。これまでは、デジタル後加工機は「デジタル印刷物を加工するもの」という常識(というか、思い込み)がありました。しかし、今やデジタル後加工機がB1やB2サイズに対応できるようになりました。また、デジタル後加工機がオフセット印刷物に対応できるという検証も進んでいます。

こうした状況を考えると、「オフセット印刷の画質の高さ」と「可変印刷の付加価値」を組み合わせた新しい印刷サービスが可能になりそうです。drupa会場では、実際のサンプルを見ながら、その可能性をしっかり確認しましょう!

ところで、今回のdrupaではKBAブースで菊倍判機 KBA Rapida 145 のデモが行われます。2008年のdrupaではVLF(Very Large Format)が話題になりましたが、その秋に起こったリーマン・ショックやその後の消費者のスマホ・タブレット端末利用拡大を背景に、VLFは印刷機材展ではあまり話題に上らなくなりました。そのVLFのデモが行われるなんてさすがdrupaです。やはり、drupaは楽しみがいっぱいです (^ ^)

2016年5月13日金曜日

drupa2016に向けて:ハイエンドA3枚葉トナー機の最新動向

気がつけば、もう長い間ハイエンドA3サイズトナー式デジタル印刷機は、国際印刷機材展で話題の中心になっていないような気がします。2008年以降はインクジェット機にスポットライトが当たるようになり、トナー機の分野でも安価で扱いやすいライトプロダクション機が注目されるようになったことが理由として挙げられます。

ただ、ハイエンドトナー機は着々と進化を続けており、新製品も発売されています。今回もHPからIndigo 7900、コダックからは、NexPress ZX3900といった新製品が発表されます。昨秋東京で開催されたIGAS2015では、以下のような機種が発表・展示されました:

前回(2012年)のdrupa以降、ハイエンドトナー機は「多色化(5色以上)」と「長尺化」といった点を中心に進化しています。多色化では、「5色機になった」だけでなく、「5色目として用意されたトナーの色」も話題になっています。例えば、IGASで発表されたiGen5では、オレンジ/グリーン/ブルーが5色目として用意されました。HPは、蛍光ピンクのトナーを発表していました。

そして今回、コダックは白トナーを発表しました(正確には「ホワイトドライインキ」です)。白トナー対応機はライトプロダクション市場では大きな注目を集めていますが、ハイエンド市場向けにはHP以外のメーカーからなかなか新製品が発表されませんでした。

長尺化も進んでいます。確かdrupa2012の時点ではiGenが最大幅 600mm でしたが、これに対抗するコダックはNexPressで最大 900mm に対応することを発表しました。コダックはさらに、drupa2016で 1200mm に対応したNexPressを発表します。

ところで、キヤノンやリコーといった日本のメーカーもこの市場に競争力のある製品を投入していますが、HPやゼロックス、コダックといった米国系メーカーがトレンドを作っています。「5色目」の展開もあまり積極的ではない印象ですし、長尺化に関しても後追いしているように感じます。

もちろん、色数を増やしたり長尺化を進めることが必ずしも良い訳ではありません。それらの進化が、ユーザーである印刷会社や印刷物発注者にとって重要な意味を持つことが大事なのです。

drupa会場ではぜひ、「なぜ、米国系メーカーは多色化・長尺化に積極的なのか?」といった点に注目することをオススメします。そこから、新しいデジタル印刷サービスのヒントやデジタル印刷サービスで競争力を高めるヒントが得られるかもしれませんから (^ ^)

また、ハイエンド機ならではの画質の高さもしっかり確認&楽しみましょう!個人的には大量に印刷した際の画質安定性にも興味があるのですが、それはなかなか展示会では確認することはできません・・・それが実感できる展示もあったら面白いですね。
やはりdrupaは見どころがいっぱいでとても楽しみです♪

2016年5月11日水曜日

drupa2016に向けて:最新輪転インクジェット機(ハイエンド機)比較

先日、「drupa2016に向けて:最新インクジェット機のチェックポイント」という記事で、インクジェット式デジタル印刷機の進化をdrupa会場で確認するポイントを示しました。今回は、実際に会場で展示されるハイエンドの輪転インクジェット機の仕様を具体機に比較してみました。

現時点(2016年5月10日)では、この市場向けにミヤコシ、KBA、Landa、HPなどからdrupaで新製品を展示することが発表されています。このうち、ミヤコシ MJP20AX の注目ポイントは 2400 x 2400 dpi という解像度です。

先日の記事にも書きましたが、2400dpiという解像度はゼロックス社のiGenなどハイエンドトナー機と同等です。さらに、このインクジェット機はオフセットコート紙にも対応していることから、商業印刷分野への活用が期待されます。。ミヤコシは、このデジタル印刷機の実機デモを会場で行うことを発表しています。デモで実際の印刷品質を確認しましょう!

KBAは、drupa2012に続いて今回もRotaJET(KBA RotaJET 77)を展示することを発表しています。前回は、中綴じブックレットの製本インライン後加工機が多少注目されたものの、印刷速度が150m/分と特筆すべきではなかったこと、解像度が600dpiということもあってか画質の評価があまり高くなかったことなどから、日本国内ではあまり話題になりませんでした。

しかし、今回は印刷速度300m/分、解像度1200dpiと競合製品と遜色のないスペックになりました。これらが、最大用紙幅770mmという特徴と組み合わされるとどのような活用法が可能になるか、かなり興味をそそられます。こちらのデモにも参加したいと思います。

Landaは、枚葉式インクジェット機に加えて、輪転式インクジェット機 Landa W10も出品します。Landa W10の見どころとしては、例えば以下のような点が挙げられます:

  • 多色印刷の効果(8色機):ミヤコシの 2400 dpi x 4色機 との比較
  • 最大用紙幅 1050mm という特徴を最大限に活かす提案:
    • アプリケーション(印刷物の種類)や後加工機との連携、など
  • 印刷品質:200m/分という高速でベルトから適切に転写されるのか、など

ところで、輪転(連続紙用)インクジェット機のターゲット市場は、インクジェットdrupaと呼ばれた2008年当時は「帳票(トランスプロモ)」が中心でした。それが、前回(2012年)は書籍や新聞、冊子などへと拡大し、今回(2016年)は商業印刷や軟包装へとさらに広がっています。

また、ハイエンドの輪転デジタル印刷機といえば「インクジェット機」だったのが、HP社からIndigo 50000 という液体トナー機が発表されたことで、機材の多様化も進みそうです。こちらの記事でも書いたように「インクジェット版ライトプロダクション機」という動きが出てきたことで、ハイエンド機の位置付けも明確になりそうです。

まだまだこの市場の進化は続きそうです (^ ^) drupaでは、この市場の最新動向もしっかりチェックしましょう!

2016年5月9日月曜日

drupa2016に向けて:B1デジタル印刷機比較!

2014年7月に「drupa大胆予測 (1):drupa2016は『B1 drupa』に!」という記事を書いたのですが、この記事中で触れたハイデルベルグ・Landa(+小森コーポレーション)・HPという3社のB1サイズデジタル印刷機がやっと出揃いました!

ただ、予想と少し違ったのは、HP社は枚葉機ではなく輪転機(連続紙用)のB1デジタル機を発表したことです。また、想定アプリケーション(印刷物の種類)も紙器に加えて軟包装・ラベルや商業印刷など、こちらも予想と異なる結果となりました。プレーヤーという点でも、富士フイルムが(ハイデルベルグと共同開発という形ですが)3社に加わりました。

こうした「予想外」の動きから、2020年に向けてデジタル印刷はさらに盛り上がることが見込まれます。なぜなら、前回(2012年)のdrupaで注目したキーフレーズデジタルをメインストリームに」の実現につながりそうな以下のような動きが想定されるからです:

  • 輪転機の登場 = さらなる(デジタル印刷の)生産性向上
  • 想定アプリケーション(印刷物の種類)の多様化 = 多くの市場におけるデジタル印刷のさらなる活用
  • プレーヤーの多様化 = 競争による製品の洗練化、など

drupa2016で展示されるB1デジタル機は来年(2017年)から出荷される予定で、drupa時点ではまだ試作機の段階です。それでもかなり作りこまれていることは確かなので、ぜひ画質や使い勝手などご自身の目でご確認ください (^ ^)
なお、各製品の詳細はそれぞれのリンク先をご確認ください:

2016年5月6日金曜日

drupa2016に向けて:『未来の技術』が見られるブース一覧

drupa2016公式サイトの「出展企業・製品データベース」には、「Future Technologies(未来の技術)」という項目があります。今回は、この Future Technologies に登録されている企業のうち、面白そうなものをリストアップしてみました。「印刷の未来/未来の印刷」の視察も計画されている皆さんのご参考になれば幸いです。

デジタル印刷機材・後加工機材だけでも見るべきブースはたくさんあってすでに回りきれそうもない状況ですが(笑)、できるだけこうしたブースでも情報収集したいと考えています。「次の印刷サービス」のヒントがいろいろ見つかりそうですので (^ ^)






なお、以下のような『未来の技術』がまとめて展示されているコーナーもあります。お時間がない場合にはこちらに立ち寄るというパターンもありそうです:

2016年5月2日月曜日

drupa2016に向けて:"Smart" vs "24/7" 〜 後加工機の2つのトレンド

前回は後加工機材分野のトレンドセッター Hunkeler社(フンケラー, スイス)の出展内容を確認しました。では、他の後加工機材メーカーはどのような機材・ソリューションを提案するのでしょうか。

主な出展企業の発表内容をまとめたのが下図になります。基本的には、Hunkeler と同様に以下のような「スマート」な新製品・ソリューションが多く展示されます。そのため、各社ともソフトウェアを開発・発表し、中には検査システムもあわせて提案するメーカーも見受けられます:

  • バリアブル対応(1部ごとに大きさの異なる印刷物にも対応)
  • 自動化
  • 高速化

これに対して、ドイツの紙折機メーカーMBO社は、定型の仕事を「24/7」つまり24時間・週7日間連続して高速に処理できる「安定性」「耐久性」「高速性」といった点を訴求しています。この違いはどこから来ているのでしょうか?

例えば、前提とする仕事が違う点が挙げられます。
スマート派は、「1部ずつ異なる判型やページ数の書籍」といった仕事を前提としています。これに対して 24/7派は、「文庫本のような判型が同じ書籍、またロット数(部数)はある程度まとまっている」といった仕事を前提としています。

ただ、「スマート」と「24/7」は対立するものではなく、将来的には両立するものだと考えられます。HP社が思い描く「メガロット × 多品種」の仕事、あるいはインダストリー 4.0 が目指すマスカスタマイゼーション(個別大量生産)には、「24時間・週7日スマートに動く後加工システム」が必要不可欠だからです。

ところで、皆さんの会社にとって適切なシステムを選ぶポイントは何でしょう?例えば、「スマート」と「24/7」のバランスをどうれば良いのでしょうか。それを知りたい方は、ぜひブライター・レイター主催のdrupaツアーにご参加ください!締め切りは過ぎましたが、「どうしても」ということでしたらご相談に乗ります (^ ^)