印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2013年12月30日月曜日

印刷通販と Web to Print の違い


印刷通販徹底比較というサイトに「世界の印刷通販」という記事を掲載していただきました。それを記念して(笑)、今回は印刷通販とWeb to Print(W2P)の違いを明らかにしたいと思います。さて、1番大きなものとして、それらの構造の違いが挙げられます:

  • 印刷通販:「印刷のアマチュア」による「印刷のプロ」向けサービス
  • W2P:「印刷のプロ」による「印刷のアマチュア」向けサービス

皆さんご存知のように、グラフィックプリントパックはもともと製版サービスを提供していました。Vistaprintは学生が立ち上げたベンチャー企業で、英国の印刷通販会社mooはデザイナーが立ち上げた企業です。印刷通販会社と呼んで良いのか分かりませんが、PPO推進協議会の中心メンバーである電通オンデマンドグラフィックや、Yahoo!が出資するラクスルも印刷業界以外からの参入組になります。

印刷会社から転身したところでも、ウエーブ1996年に新規に印刷業務・1998年に印刷通販を開始、イタリアの印刷通販会社Pixartprinting社は1994年創業・2000年に印刷通販をスタート、と比較的歴史の浅い企業が目に付きます。このように、印刷通販市場は「印刷のアマチュア」によって立ち上げられ、拡大されています。

印刷通販サービス、利用者は「印刷のプロ」が中心です。正確な数字は分かりませんが、国内印刷通販会社の顧客の多くは印刷会社だと言われています。Pixartprinting社(イタリア)では、その顧客の90%程度は印刷会社など商業印刷のプロです。プロが顧客の中心になるのは、印刷通販では印刷用完全データでの入稿が必要になるためです。

これに対して、W2Pは以前から印刷サービスを提供してきた印刷会社や企業内印刷部門(インプラント)など、「印刷のプロ」による提供が中心です。先日視察に行ってきたPRINT13でも、さまざまな企業内印刷部門向けのW2Pソリューションが紹介されていました。W2Pを利用者でみると、総務担当者だったり店舗のスタッフだったり営業担当者だったり、「印刷のアマチュア」が中心となっています。

印刷通販とW2Pの構造の違いは、「利用者が欲しいもの」や「価格設定の際に重視されること」における違いにもつながっています。また、なぜだか利用されている地域にも違いがあります。日本と欧州の印刷会社では、W2Pの利用があまり広まっていない一方、印刷通販の利用は拡大しています。これに対して、米国印刷会社の間では「W2Pは広く利用、印刷通販市場の利用は少なめ」となっています。

その理由については明らかではありませんが、日・欧の印刷市場では価格競争力が、米国市場では費用対効果・成果向上力がそれぞれ重視される傾向が強いのかもしれません。ただ、ひとつ言えるのは、日・欧と米国では異なる方向性の印刷サービスが提供・活用されているということです。印刷通販とW2Pは英語では同じ「Web to Print」ですが、今回分析したようにそのサービスモデルは大きく異なります。そのため、これらに優劣をつけるのは意味がないと思います。

長期利益を実現するために「違いをつくって、つなげる」ことを目指す印刷会社にとって、W2P型サービスモデルを構築することは非常に有効だと考えます。何せ、「印刷のプロ」が提供するのにぴったりなモデルなのですから♪ その企画・実現に当たってお手伝いが必要な方は、お気軽にお声がけください (^ ^)

2013年10月29日火曜日

ビッグデータ x W2P


Web &モバイルマーケティングEXPOトスマックブースでは、最近話題のビッグデータとWeb to printW2P)を組み合わせたサービスが紹介されていました。

トスマックでは現在、店頭・売り場の販促用POPを制作・発注できるWeb to printシステム「プロモーション・クラウド」を提供しています。これは、例えば各店長が自分の店舗に合った販促物をWebで制作・発注できるもので、注文後72時間以内に発送されます。テンプレートの利用が中心ですが、オリジナル形状も作成可能となっています。

今回、トスマックはAPIApplication Programming Interfaceを使ってプロモーション・クラウドを各種Webサイトと連携するサービスを紹介していました。このサービスでは、自社サイトや自社ECサイト、ブログ、SNS、口コミサイトなどのデータをPOPに反映することができます。

これは、あるアパレルメーカーからの依頼で開発しているサービスだそうです。このメーカーでは、例えば店長ブログで新商品を紹介しても、店頭のPOPなどとの連携が取れていないことが多いそうです。こうした状況を改善するために、WebPOPW2Pのシステムを介して連動させることを目指しています。

今回は店長ブログや自社サイト、自社ECサイトなどWeb系のオウンドメディアPOPの連携が目的となっています。しかし、こうした「ビッグデータ x W2P」の仕組みができると、将来的にはWeb上の言葉を広く分析して、来店者の購買意欲を高めるキーワードをPOPに反映させることができそうです。

また、全ての店舗スタッフが持つ商品知識(うんちくを含む)を共有化してPOPに反映させたり、データが蓄積されれば、店長が自店舗の過去の事例や顧客層が似ている他店舗の成功事例をもとにPOPを作成できたりするようになる可能性も考えられます。商材も、店頭POPだけでなくDMやポスター、サイネージなど広がりそうです。

今後、販促用印刷物ではバージョニングやパーソナライズが進むことが見込まれますが、ビッグデータの活用によってその表現が洗練される可能性がありそうです。今回の展示会ではトスマックだけでしたが、来年2月のpageや2年後のIGASでは、さまざまなメーカーから「ビッグデータ x W2P」のソリューションが提案されるかもしれません。
今から楽しみです (^ ^)