印刷会社の新規ビジネス成功支援を専門とするコンサルティング会社 ブライター・レイター のブログです。

2011年10月31日月曜日

カタログ依存度を下げる千趣会

10月27日にJAGATさんで開催された『通販市場におけるカタログ戦略とメディアの最新動向』についてのセミナーにおいて、千趣会 ベルメゾン生活スタイル研究所 坂本氏より、2011年度第2四半期(4月〜6月)における千趣会のネット受注比率は63%であるとのデータが示されました。千趣会が7月28日に発表した「2011年度 第2四半期 決算説明会」資料によれば、前年(2010年)の第2四半期のネット受注比率は57%であったことから、この1年間で大きく伸びたことが分かります。

また、同資料によれば、インターネットで商品をカートに入れることによる『純ネット売上』が伸びることで、ネット売上が順調に推移しています。ここ5年間における千趣会のネット売上推移をみても、カタログを見てカタログ申込番号を入力することによる『カタログ経由売上』はリーマンショックが起きた2008年度以降減少している一方、『純ネット売上』は順調に伸びています。その結果、ネット売上に占める『純ネット売上』比率はこの4年間で20ポイント以上高まっています。

純ネット売上が伸びるのとは逆に、千趣会はカタログの発行部数を大きく減らしています。2006年度には1億200万冊であったのが、2010年度には7,680万冊と25%減少しています。こうした動きをみると、千趣会はカタログ依存度を下げつつ売上を伸ばす道を探っているように思われます。

ところで、2011年度第2四半期でのネット売上における純ネット売上比率は74%でした。先ほど見たように売上に占めるネット受注比率は63%、そのうち純ネット売上比率が74%なので、まだ純ネット売上は売上全体の半分以下だと推測されます。こうしてみると、まだまだカタログは重要なメディアだと考えられます。

しかし、この先も純ネット売上が伸び、カタログを使った売上が伸び悩むようなら、カタログからネットへの本格展開が進む可能性も十分考えられます。例えば、アスクルは数年前に分厚い紙のカタログを発行するのを止めています。

印刷会社そして印刷業界としてこうした状況にどの様に対処するのか、千趣会さんの動向をみると、その議論に費やすことができる時間はそれほど多くないのかもしれません。

2011年10月28日金曜日

スマホと印刷の関係は:協業 or 敵対?

Web & モバイル マーケティング EXPO は『スマートフォン & モバイル EXPO』と同時に開催されていることから、会場ではスマホ向けサービスの最新の状況を知ることもできます。私の見た感じでは、スマホでは「アプリの使い方」が大きなトピックでした。

例えば、NTTコムウェアのブースでは、AR(Augumented Reality、拡張現実感)を使ったデモが行われていました。そのうちのひとつが、2010年9月にJR小樽駅および小樽運河周辺エリアでの実証実験で使われたシステムのデモ。AR地図の写真をスマホで撮影すると、その写真部分が動画になって観光情報を提供するというものです。これは、紙媒体とスマホの協業を促すアプリの例です。

これとは逆に、印刷量減少につながるような、「カタログ」をアプリ化してスマホ経由で提供するというサービスも数多く紹介されていました。特に、バリスタというベンチャー企業が紹介していた『バリカタ』というサービスは印刷業界からみるとかなり刺激的です。「成果報酬型スマホ向けカタログアプリ」ということで、カタログ用データを用意してもらえれば、それをアプリ化(= 電子カタログ化)するのは無料、アプリがダウンロードされた段階でカタログ制作の依頼企業(発注者)に1回当たり100円を課金するというビジネスモデルになっています。

バリカタは、カタログのページ数によらず「制作費無料、ダウンロード1回につき100円」という料金設定になっています。会場では、OTC薬品メーカーのカタログの事例が紹介されていましたが、それは約9000ページのカタログでした。バリカタは更に成果報酬型ということで、自らターゲット顧客にカタログを知ってもらい、またダウンロードしてもらうための仕組み作りまで提供します。

データは用意する必要があるものの、カタログを無料で作成してもらえて、しかもその配布にも力を入れてくれるサービスがあれば、発注者としては大いに興味を持つと思います。先に挙げた製薬メーカーの他にも、家具メーカーなどがバリスタを使ってカタログの配布に取り組み始めたいうことでした。

印刷業界としては、こうした動きに同対応すべきなのでしょうか。9月に開催されたIGASでも「ワンストッププロモーション」のソリューションが多くのブースで紹介されていましたが、スマートフォンや先日こちらのブログで紹介したSNSまで含めたソリューションは見掛けなかったように思います。

こうしたインターネットを使ったサービスまで含めた「ワンストッププロモーション」を志向する印刷会社が出てくると面白いと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?ご意見をお伺いできれば幸いです。

2011年10月26日水曜日

ソーシャルサービスのマーケティング利用最前線

本日(10月26日)から3日間、幕張メッセで『第1回 Web & マーケティング EXPO』が開催されています。会場では、「facebook」や「twitter」といったSNS(ソーシャルネットワークサービス)をマーケティングに活用するサービスが数多く紹介されていました。

例えば、facebookのファン獲得ソリューション。面白い仕掛けを持つファンページを制作・運用することで、ファン獲得を促進するものです。「男はつらいよ」の公式ファンページでは、ユーザーが「いいね!」を押すと、寅さんが各ユーザーのページをふらっと旅して、時にはコメントを残してくれます。こちらは、シエンプレが提供するサービスになります。

また、ソーシャルサービスの利用状況を分析することで、企業が自社サービスのファンを特定し、その方を囲い込むためのサービスも紹介されていました。例えば、facebooktwitterfoursquareなどの利用状況を分析することで、あるお店や場所によく行く人、あるいはよく言及する人を見つけ出すことができるサービス。企業は、その人をマーケティング活動に巻き込むことで、SNSを使ったマーケティングの効果を更に高めることができます。こうしたサービスは、シェアコトなどによって紹介されていました。

SNSを使ったマーケティングサービスは、サービス内容だけでなくビジネスモデルもかなり刺激的です。ファン獲得ソリューションでは、「成果報酬型」をうたうものも少なくありません。1「いいね!」= X円 というモデルです。また、利用者分析サービスも無料版と有料版があり、有料版でもクラウド型サービスで月々10万円以下で使えたりします。

こうしたサービスを提供する企業も、印刷会社の顧客のマーケティング費用を獲得する競争に参加しています。SNSを活用するマーケティングサービス企業と協業するか、それとも競争するか。印刷会社にこうした選択が求められる日は近いのかもしれません。いえ、もしかしたら既に来ているのかも。御社はどうされますか?

次回は、スマートフォン向け最新サービスについてご紹介したいと思います。

2011年10月20日木曜日

drupa以降を見据えた新規サービスの事業機会

先日こちらのブログで示した「drupa以降へと続く印刷トレンド」から、例えば以下のような分野において印刷会社の新規事業機会が考えられると思います:

  1. 顧客企業の営業効率・マーケティング効率向上に貢献するBtoB型サービス
  2. BtoC型サービス
  3. 印刷サービスポータル
  4. 海外向け印刷通販
リーマンショック、また東日本大震災によって長引く不況を背景に、印刷物発注者は印刷コストの削減に加えて営業効率やマーケティング効率に貢献する印刷サービスを求めています。こうしたサービスには、パーソナライズドDMなどターゲットメディアによる広告や、SNSを使ったインバウンド型マーケティングなどが含まれます。

また、BtoBよりも高い利益率が期待できる「BtoC型サービス」や、先日ご紹介したPSA(プリントサービスエージェント)というサービスの一形態である「印刷サービスポータル」といったサービスも、魅力的な新規サービスとして考えられます。

印刷サービスポータルは、バリアブル印刷データの作成やページ物印刷データの作成、印刷物の発注/在庫状況の管理など付加価値の高いソリューションを組み合わせて提供する点において、印刷通販サイトとは異なります。ポータルによっては、ある顧客のニーズをヒアリングした後、その顧客向けにソリューションをカスタマイズしたサービスを提供するところもあるでしょう。

日本の高い印刷品質を武器に、海外の需要を取り込む「海外向け印刷通販」というサービスも、大きな売上と高い利益率が期待できる新規サービスだと考えられます。特に、BtoC型の場合は 高品質 = 高付加価値 というマーケティングが可能なことから、日本製ブランドを活かしたサービスの展開ができると思います。

このように、印刷市場においてもポテンシャルの大きな新規サービスはいくつも考えられます。これらのサービスの具体化にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非お声掛けください。新規サービスを通じて、御社の明るい未来に貢献させていただければと思います!

2011年10月18日火曜日

プリントサービスエージェント(PSA)という役割の拡大・重要化

現在の国内および国際的な印刷市場の動向を分析すると、来年5月に開催されるdrupa以降へと続くトレンドして以下のようなものが考えられます:

  • チラシやカタログといったマーケティング用資料、パッケージ、出版など、既存の大きな印刷市場におけるデジタル印刷の利用拡大
  • 先進国から新興国への印刷市場のシフト
  • 国境を越えた印刷物の受発注の増大といった印刷市場のグローバル化
  • BtoC型ビジネスの拡大
  • クラウド型ソリューションの活用による印刷物発注者とのWeb上での関係強化
こうしたトレンドに対応して、「プリントサービスエージェント(Print Service Agent, PSA)」という役割が今後拡大・重要化すると思われます。

PSAとは、「印刷物発注者のニーズと印刷会社が提供するサービスをマッチングするエージェント(代理人)」のことで、私の造語です。PSAは更に、「発注者のニーズに合わせた新たな印刷サービスの企画・実現」「潜在的な印刷ニーズを掘り起こすための印刷サービスを企画し、発注者・印刷会社双方への提案」といった役割も果たします。印刷サービスのデジタル化が進む米国では、こうしたエージェントが大きな役割を果たしているといわれています。

発注者ニーズの複雑化に伴うBtoB型サービスの高度化、BtoC型サービスや海外向けサービスなどによる新規市場の開拓、といった印刷市場における新たな展開に対応するため、発注者と印刷会社の間をつなげるPSAという役割が拡大し、また重要になると考えられます。先のIGASでは、コニカミノルタをはじめデジタル印刷機材関連出展企業の多くが、印刷会社のデジタル印刷サービス立ち上げ支援の取組みに力を入れていました。こうした取組みも、PSAを巻き込んだものになると思われます。

もちろん、印刷会社が自らPSAとしての役割を果たせることが理想的でしょう。しかし、そのための経営資源が十分ではない印刷会社も少なくないと思われます。そのギャップを埋めるための役割が今後求められると私は考えており、ブライター・レイターとしてもPSAとして印刷会社の売上・利益増大に貢献したいと考えております。

ところで、本項でご紹介した「drupa以降へと続く印刷市場のトレンド」や「プリントサービスエージェント(PSA)」についての詳細は、11月初旬に発売される「印刷情報 11月号」に掲載予定の私の記事に書かれています。こちらも合わせてご確認下さい。

2011年10月16日日曜日

セミナーへのご参加ありがとうございました

10月14日(金)、私も運営に参加している10→30戦略室のセミナー「印刷会社の新規サービス成功支援セミナー 〜 IGASからdrupaへ」が開催されました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。今後もセミナーやワークショップを開催していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

尚、セミナーで使った資料(サマリー版)は、近日中に10→30戦略室のサイトからダウンロードできるようにしますので、ご覧いただければと思います。また、フルバージョンの資料のご送付も可能ですので、10→30戦略室事務局あるいは各講師にお問い合わせください。ちなみに、私の講義内容「drupa以降を見据えた新規サービスの事業機会」の資料(サマリー版)は、こちらからダウンロード可能となっています。

よろしくお願いいたします!


2011年10月13日木曜日

11月度 新規サービス マーケティング戦略立案ワークショップ

ブライター・レイターは、以下の日程で『11月度 新規サービス マーケティング戦略立案ワークショップ』を開催いたします:

  • 日程:全3回 週1回 x 3週間:
    • 第1週:11月18日(金) 13:30 〜 16:30
    • 第2週:11月25日(金) 13:30 〜 16:30
    • 第3週:12月2日(金) 13:30 〜 16:30
  • 会場:東京都立産業貿易センター 浜松町館 会議室:
    • JR浜松町駅 北口改札から徒歩5〜6分
  • 受講料:56,700円(11月度講座 3回分、税込):
    • 早割価格:47,250円(10月28日までにお申し込みいただいた方が対象)
  • 講師:山下 潤一郎(ブライター・レイター代表)
    リーマンショックそして東日本大震災による不況、書類の電子化、消費者の紙離れなどを背景にオフセット印刷市場は縮小を続けており、多くの印刷会社が既存事業に行き詰まりを感じています。そんな現状を打破して売上・利益を拡大するためには、新規サービスの成功が必要不可欠です。本ワークショップでは、講師と共に貴社の新規サービス成功を実現するマーケティング戦略を立案します。

    詳細は、以下のファイルをご覧下さい。また、本ワークショップへのお申し込みは、お名前・会社名・部署名・役職・ご連絡先電話番号をご記入の上、こちら(担当:山下)までお願いします。


    皆様のご参加、心よりお待ちしております。




    11月度 印刷会社向け 新規サービス 基本戦略立案ワークショップ

    ブライター・レイターは、以下の日程で『11月度 新規サービス 基本戦略立案ワークショップ』を開催いたします:

    • 日程:11月11日(金) 13:30 〜 16:30
      • 会場:東京都立産業貿易センター 浜松町館 会議室:
        • JR浜松町駅 北口改札から徒歩5〜6分
      • 受講料:18,900円(税込):
        • 早割価格 15,750円(10月28日までにお申し込みいただいた方が対象)
      • 講師:山下 潤一郎(ブライター・レイター代表)
        リーマンショックそして東日本大震災による不況、書類の電子化、消費者の紙離れなどを背景にオフセット印刷市場は縮小を続けており、多くの印刷会社が既存事業に行き詰まりを感じています。そんな現状を打破して売上・利益を拡大するためには、新規サービスの成功が必要不可欠です。本ワークショップでは、講師と共に貴社の新規サービス成功を実現する基本戦略を立案します。

        詳細は、以下のファイルをご覧下さい。また、本ワークショップへのお申し込みは、お名前・会社名・部署名・役職・ご連絡先電話番号をご記入の上、こちら(担当:山下)までお願いします。


        皆様のご参加、心よりお待ちしております。



        印刷会社の新規サービス成功支援セミナー 〜 IGASからdrupaへ

        印刷会社の新規サービス成功を支援する団体「10→30戦略室」は、10月14日(金)、『10月度 印刷会社の新規サービス成功支援セミナー 〜 IGASからdrupaへ』(会場:東京都産業貿易センター浜松町館)を開催いたします。

        今回のセミナーの第1部・第2部では、IGASでの展示内容を踏まえ、来年5月に開催されるdrupa 2012、そして更に先へと続く印刷市場のトレンドを先取りする新規サービス成功のポイントを明らかにします。また第3部では、新規サービスに成功不可欠な、「外部から導入すべき経営資源」と「社内で育てるべき経営資源」を適切に判断するポイントについて、パネルディスカッションを行います。
        今回も、10→30戦略室セミナーでは、印刷会社の新規サービス成功に役立つ情報をご提供いたします。皆様のご参加、心よりお待ちしております。

        10→30戦略室 第4回セミナー
        『10月度 印刷会社の新規サービス成功支援セミナー 〜 IGASからdrupaへ』
        • 日時: 2011年10月14日(金) 13:30 〜 16:30(受付開始 13:15)
        • 会場: 東京都立産業貿易センター 浜松町館 第2会議室 (JR浜松町駅 北口から徒歩5〜6分)
        • 定員: 40名
        • 参加費: 無料
        • 対象: 印刷会社の経営幹部、新規サービスご担当者様
        【内容】
        第1部 『新規サービスの視点で見たIGAS出展動向とdrupaへの流れ』
        講演者 株式会社バリューマシーンインターナショナル 宮本泰夫
        第2部 『drupa以降を見据えた新規サービスの事業機会』
        講演者 ブライター・レイター 山下潤一郎
        第3部 『パネルディスカッション 新規サービス成功のための経営資源の揃え方:「買うもの」と「育てるもの」』
        講演者 10→30戦略室

        *セミナーのお申し込みは、こちらからお願いいたします。