印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2018年11月13日火曜日

ブライター・レイター流 TOKYO PACK 2018 まとめ

2018年10月2日〜5日の4日間、東京国際包装展(TOKYO PACK 2018)が開催されました(会場:東京ビッグサイト)。会場では、以下のようなトピックが来場者の注目を集めていました:

  • 環境に優しい印刷資材・機材:
FXIJ type 1080(軟包装用水性インクジェット機)
@THINK LABORATORY
生分解性合成紙@王子製紙
@東洋製罐

  • パッケージのさらなる表現力向上:
    • フルカラー段ボール:
@レンゴー
    • 軟包装向け小ロット・可変メッセージ:
@HPブース
デジタル印刷サービス@DNP

    • 小ロット・バリアブル(可変)ホログラム:
@メディアテクノロジージャパン
    • 型抜き・レーザー加工:
@富山スガキ
    • ゴールドインク・シルバーインク:
UVシルバーインク@ミマキ


  •  製造ラインのスマート化:
    • スキルレス化、IoT活用、検査システム・カラーマネジメントシステムの拡充、など
 
  • 流通のスマート化:
    • トレーサビリティ、スマートシェルフ、など

  • バリアフリーなパッケージ

  • SDGs, ESGs:
@クラウンパッケージ

@東洋製罐
    • 電子レンジで使えるパッケージ:
レンジアップカートン@共同印刷
    •  卓上真空成型機:
V.Former Pro 43@ラヤマパック

プラスチック廃棄物による海洋汚染が話題になる中、環境を意識した展示が増えたように思いました。また、ご来場者もお客様により刺さるパッケージを探しているのか、小ロットやバリアブル(可変)を実現するデジタル印刷・加工への興味もさらに高まっているように感じます。

 こうした動きは、パッケージ以外の印刷サービス、例えば商業印刷や書籍印刷などにも参考になります。ぜひ、こうしたトレンドを取り入れて、さらなる成長を実現しましょう!


2016年5月18日水曜日

drupa2016に向けて:パッケージ向けデジタル後加工機の最新動向(アップデート版)

前回の記事B1サイズに対応したデジタル後加工機について少し触れましたが、今回はその詳細をご紹介します。

今年(2016年)3月に「drupa2016に向けて:デジタル後加工機もパッケージ分野が注目!」という記事をアップしましたが、その予想が当たったようで、その後続々とパッケージ市場(特に紙器)向けデジタル後加工機の新製品が発表されています。それらの進化のポイントとして、以下のような点を挙げることができます:

  • 大判化 = B1サイズ対応
  • 高速化
  • オフセット機対応、など

Scodix社の可変ニス加工・可変箔押し機を例に取ると、以下のように進化しています:
  • これまでの最上位機種:Scodix Ultra Pro
    • 最大用紙サイズ:B2+ (545 x 788 mm)
    • 最大加工速度:毎時 1,250枚
  • 最新機種:Scodix E106
    • 最大用紙サイズ:B1 (760 x 1060 mm)
    • 最大加工速度:毎時 4,000枚

最新機種 E106 についてScodix社の方にお伺いしたところ、UVインクを使ったオフセット印刷物へのテストを進めており、今のところ問題ないことを確認しているそうです。Highcon社の筋入れ・型抜き機 Euclid は4年前のdrupa2012時点で既に、オフセット印刷物・デジタル印刷物両方に対応しています。Highcon社の新製品 Highcon Beam の加工速度は毎分 5,000枚と、これまでの毎時 1,500枚から大きく改善されています。

また、MGI社からは輪転タイプのデジタル可変ニス加工機・箔押し機 MGI JetVarnish 3DW が発表されます。これは、最大用紙幅 420mm、最大加工速度 毎分42mというラベル向け加工機ですが、用紙厚 0.4mm までの紙も通るので紙器向けにも使えるようです。軟包装でも使えれば面白そうなのですが、シュリンクの際には熱をかけるので難しいかもしれません (^ ^;

1枚ずつ可変でニス加工や箔押しができるデジタル後加工機はとても大きな可能性が考えられる機材です。しかし、これらが実際に仕事に使えるかは、加工品質や使い勝手などを確認して判断する必要があります。ぜひ、会場でサンプルを手に取り担当者にお話をお伺いしながら、しっかり確認しましょう!

2016年3月29日火曜日

drupa2016に向けて:デジタル後加工機もパッケージ分野が注目!

drupa2016では、後加工機でもパッケージ市場向けが注目されることが見込まれます。パッケージつくりには加工が不可欠ですから。特に、小ロットやバリアブル(可変)を得意とするデジタル印刷向けの後加工機(デジタル後加工機)は要チェックです。

昨年9月に開催された国際印刷機材展 IGAS2015 で発表され、すでに発売されているパッケージ向けデジタル印刷後加工機(のいくつか)を「加工の種類」で分類したものが、下図になります。なお、これらの仕様など詳細につきましては各リンク先をご確認ください:


さて、これらに共通する特徴として、例えば以下のような点が挙げられます:

  • 紙器パッケージ向け(枚葉型)
  • ハイブリッド対応 = オフセット印刷物・デジタル印刷物の両方に対応
  • B1・B2サイズに対応

drupaでは、これらの特徴を備えたデジタル後加工機がたくさんのメーカから提案されることが見込まれます。さらに、以下のような機材が紹介されることも期待されます:

  • 軟包装向けデジタル後加工機
  • デジタル印刷にも対応したオフセット印刷向け後加工機:
    • 「デジタル印刷対応評価済み オフセット印刷向け後加工機」というか
    • B1・B2サイズ対応機を中心に
    • スキルレス対応も進化:
      • 職人さんでなくても品質の高い加工が可能に
  • ハイブリッド対応したパッケージ向けワークフローシステム、など

また、ニス加工・箔押し・抜き・筋入れ以外のデジタル後加工機も増えることを期待しています。個人的には、「小ロットが得意な合紙機」が発表されればと良いなと思っています。たくさんの色の薄い紙を貼り合わせた厚紙を使えば、切り口も魅力的な紙器ができるからです。

後加工機メーカーの皆さん、ご検討のほどよろしくお願いいたします!そして、開発の際にはぜひお声がけください (^ ^)

2016年3月25日金曜日

drupa2016に向けて:パッケージもデジタル印刷で

drupa2016では、「パッケージ印刷市場におけるデジタル印刷活用の提案」が大きな注目を集めることが期待されます。矢野経済研究所によれば、「パッケージ印刷市場は横ばいないし微増で推移する」ことが見込まれています。大きく減少している印刷市場の中では、とても貴重な存在です。

しかも、この分野ではデジタル印刷の利用があまり進んでいません。その理由として、例えば、以下のような点が挙げられます:

  • 対応用紙サイズが小さい。
  • 印刷品質がオフセットやグラビアなど既存の印刷方法と比べて十分ではない。
  • インクの安全性が十分に確認されていない、など

drupaでは、これらの課題を解決するパッケージ向けデジタル印刷機がさまざまな機材メーカーから提案されるでしょう。例えば、対応用紙サイズがB1・B2のデジタル印刷機を「用途 × 印刷方式」で分類したのが下図になります。この図には、drupaで実機の展示・デモがが行われる(と思われる)ものを中心に掲載しています。

なお、各デジタル印刷機の詳細は、リンク先の情報をご確認ください。その中に、上記の課題をどう解決しているのかといったことも書かれています:


drupa開催日が近付くに連れてこれら機材のより詳細な情報が発表されたり、他メーカーからもパッケージ市場向けデジタル印刷機が発表されると思います。私も、引き続きこの分野に注目していきたいと思います。

次回は、パッケージ向け後加工機の情報をご紹介します。パッケージ向けデジタル印刷機が広まらない理由のひとつに「対応する後加工機が限られている」というものもありますので、後加工機もあわせて注目していきます。
お楽しみに!

2014年7月24日木曜日

drupa大胆予測 (1):drupa2016は『B1 drupa』に!

IPEX2014が閉幕して間もない4月上旬、印刷機材業界の巨人ハイデルベルグ社がデジタル印刷市場向け戦略を発表しました。この中では、「インクジェット方式の商業印刷/パッケージ印刷市場向けシステム開発に着手すること」にも触れられています。

そして、このインクジェット機には、どうやらB1サイズの枚葉機が含まれているようです。ハイデルベルグ社からの発表資料では触れられていませんが、会見でハイデルベルグ社デジタル印刷部門シニアバイスプレジデントJason Oliver氏が言及されたようで、海外メディア(例えば、PrintWeek誌など)はこぞって取り上げています。

そういえば、昨秋(2013年9月)には、Landa社が紙器パッケージ市場向けB1サイズ枚葉インクジェット機 Landa S10FC Nanographic Printing Press のβサイトを2014年第4四半期に設置することを発表していました。

また、drupa2012の際にHP社ブースにいらっしゃった説明員(技術者)の方に「IndigoってB1サイズも印刷できるの?」とお伺いしたら「うん、技術的には可能だよ」というお答えをいただきました。「じゃ、何で今回はB2機(注:Indigo 10000/ 20000/ 30000)を出したの?」「マーケティングの人たちが『今回はB2機でいく』と決めたから」というお話しもお伺いできました。つまり、HP社も市場が盛り上がるようならB1サイズ枚葉機を出してきそうです。

もし、drupa2016でハイデルベルグ・Landa・HPが揃ってB1サイズ枚葉デジタル印刷機を展示したら、そのインパクトはかなり大きいと思います。その場合、drupa2016が『B1 drupa』と呼ばれる可能性は十分にあると考えています。

さて、B1 drupaが実現した際、私は以下3つの反応に注目したいと思います:

  1. パッケージ印刷会社の反応
  2. 後加工機メーカーの反応
  3. B2サイズ枚葉デジタル印刷機メーカーの反応
昨今の印刷市場動向から考えて、各社のB1枚葉デジタル機はパッケージ市場をターゲットにしたものとなるでしょう。パッケージ市場でも小ロット化が進んでいて、デジタル印刷機への注目が高まっているというお話しはお伺いします。

ただ、実際に数社から発表されたB1サイズのデジタル印刷機を見て、紙器パッケージ印刷会社がどのような反応を示すのか。「面白い!すぐ買おう!!」となるのか「うーん、もう少し様子見かな」となるのか。その反応に注目したいと思います。

また、後加工機メーカーの反応に要注目です。特にパッケージの印刷の仕事は、刷って終わりではなく加工が必要不可欠です。『抜き(カット)』については、型を使わずに高い生産性で作業できる、小ロットに適した機材が増えてきています。しかし、『筋入れ』については型無し&高生産性を両立する機材はなさそうです(私が不勉強なだけかも知れませんが (^ ^; )。

「デジタル印刷で紙器パッケージ」という市場を開拓するためには、後加工機メーカーの協力も大切になります。drupa2016会場で、後加工機メーカーがどのような小ロットパッケージ市場向けソリューションを提案するのか。こちらにも注目しましょう。

そして、B1機が出てきた時に、B2機はどのような位置付け・役割で提案されるのか、という点にもぜひ注目したいと思います。B2機が出てきた結果、従来(そして現在も)広く使われているA3サイズ枚葉機は、生産性よりも機能性が訴求されるようになりました。では、B1機とB2機の棲み分けはどうなるのでしょう?drupa会場では、B2機を販売する機材メーカーの提案にも注目です。

番外編として、来年9月に東京で開催されるIGAS2015にも注目しましょう!さらなるデジタル印刷の大判化・対応するアプリケーションの多様化が進みそうな drupa2016に向けて、どのような展示・セミナーが開催されるのか。折角なので、刺激的な展示会にしていただければと思います (^ ^)

2013年2月21日木曜日

デジタル軟包装印刷サービスの事業機会とチャレンジ

昨秋開催された TOKYO PACK 2012 でも明らかになったように、消費者のエコ指向・低価格志向、生産側のコスト削減指向の結果、パッケージ市場において軟包装の存在感が高まっています(このあたりの分析については、こちらのブログをご覧ください)。こうした動向を追い風にしてデジタル軟包装印刷サービスを立ち上げ、拡大させるためにはどうすれば良いのでしょうか。

昨日、株式会社ビジネスコミュニケーション研究所の田中氏が講師をされたセミナーに参加したのですが、その内容を参考に「PB・OEM開発展 2013」の取材で見えてきた市場機会を以下のようにまとめてみました。


  • コミュニケーションのゴール:
    • 商品生産企業の活性化:
      • これは、地域活性化をイメージしていただければ分かり易いかと思います。パッケージを通じて商品自体の魅力を伝えることに加えて、その生産地の魅力やイベント情報などをお伝えすることで、印刷サービスの価値を高めることを目指すことです。
    • 商品販売企業の活性化:
      • パッケージを通じて、販売店の方々がその商品を売り易くなる、値引きしなくても売れるようになる、さらにはもっと売りたくなることを目指すことです。
    • 商品ご利用者の人付き合いの楽しみ向上:
      • パッケージの特徴のひとつに、利用の場所まで商品と一緒に運ばれることが挙げられます。そうした特徴を活かすことで、パッケージは商品をご購入・ご利用された方々の人付き合いを楽しくすることに貢献できます。
      • 例えば、旅行先のお土産や、ホームパーティなどへの手みやげ、あるいはお取引先へお伺いする際の手みやげなどでパッケージがひと工夫されていると、お渡しする際のコミュニケーションが活発になり、楽しくなります。こうしたご利用者の人付き合いの楽しみを向上させることを目指すものです。
    • これら『コミュニケーションのゴール』を印刷サービスに落とし込む際には、どれかひとつを選ぶということではなく、2つを組み合わせる(あるいは3つ全てを組み合わせる)ことも可能です。ゴールを組み合わせることで、よりサービスの価値は高まると考えられます。
  • メディアの選択・連携:
    • これは、上記のようなコミュニケーションのゴールに到達するために、パッケージ以外も含めたメディアをどのように選択し、また連携させるかを企画・提案・実現するサービスの機会になります。
    • この際には、フェイスブックやツイッター、LINEなどSNSとの連携、AR(拡張現実感)の活用、DMやチラシ、ポスター、フリーペーパーなど紙媒体との連携など、幅広い可能性を検討・提案することが求められます。
    • 図には「印刷物/Web媒体/その他媒体」と書きましたが、こちらのブログでご説明したような「ペイドメディア/アーンドメディア/オウンドメディア」といった切り口でのメディアの選択・連携も考えられます。
  • コミュニケーションの期間:
    • 消費者が店頭で商品を検討・選択する時間は非常に短いことから、瞬間的に消費者の心をつかむコミュニケーション力がパッケージには求められます。また、併せて継続的にその商品を購入していただくためのコミュニケーション力も求められます。
    • こうした瞬発力/継続的な力を、小ロット・多品種対応力を活かしたパッケージ、さらにはパッケージ以外のメディアの力も合わせて高める印刷サービスは、非常に価値の高いものだと考えられます。
    • 瞬発力/継続的な力を高める際には、商品自体あるいは生産企業・販売企業の『ブランディング』も重要となることから、ブランディングも印刷サービスに組み込むことが求められます。

このように、小ロット・多品種対応力(限定品生産力を含む)が高い印刷サービスを提供できることから、デジタル軟包装印刷サービスには大きな市場機会があると考えられます。ただ、こうした機会を実現するためには、例えばマーケティングの観点から以下のようなチャレンジも求められると思われます:
  • 印刷会社都合の最低発注ロットを無くすこと:
    • デジタル機によってグラビア印刷よりも最低発注ロットを少なくすることが可能になったと、「PB・OEM開発展」に出展されている印刷会社は訴求されています。しかし、その最低ロット数は必ずしも発注者の希望と一致しているとは限りません。
    • 例えば、『限定50個の特別なお茶のパッケージ』となると、対応していただくのが難しくなります。小回りの利いたサービスを提供できるデジタル印刷機を活かした、最低ロット数にしばられない印刷サービス、例えば『限定数100以下の商品しか販売しないという顧客のブランディングに貢献できる印刷サービス』の実現を目指していただければと思います。
  • 印刷会社都合の納期をもっと短くすること:
    • アマゾンや楽天などの利用が広まるに連れて、「注文した翌日には商品が手に届く」という期待が一般的に広まっています。最近では、宅配便の会社が「当日配送」にも力を入れており、さらに短納期化が進んでいます。こうした状況の中では、グラビア印刷と比較して短くなったとはいえ、およそ2週間の納期は長く感じられます。
    • 更なる短納期化には、印刷会社内のワークフローだけでなく後加工機自体の進化も求められる大掛かりな仕組みの変更が必要員なるかと思います。しかし、印刷・加工がサプライチェーン(あるいはコミュニケーションチェーン)のボトルネックにならないような仕組みを作り上げることは、印刷サービスの魅力を高めるために有効だと考えられます。

デジタル軟包装印刷サービスは、上記のようなチャレンジが残っていることも含めて、まだまだ発展する機会の大きな市場だと思います。私も引き続き、この市場に注目していきたいと思います!

2013年2月20日水曜日

国内デジタル軟包装印刷市場の最前線!

2月19日〜22日、東京ビッグサイトで開催されている「国際PB・OEM開発展 2013」では、日本HP社のブースを中心に国内でデジタル軟包装印刷サービスの最前線が紹介されています。この展示会では、HP社製デジタル印刷機 Indigo のラベル・パッケージ用ロール機を導入・活用しているおよそ20社の印刷会社が、事業拡大を目指して特徴ある印刷サービスを提案しています。

HPのご担当者や出展各社にお伺いしたお話から、国内デジタル軟包装印刷サービスについて以下の様な現状が見えてきました:

  • 国内の軟包装印刷市場においても10年以上前からデジタル印刷への取組みが進められていて、既に市場には多くのデジタル印刷による軟包装パッケージが導入されている:
    • 月産 40万メートルの印刷会社もある。
    • 新たにデジタル印刷機を導入するケースも続いている:
  • グラビア印刷サービスを提供している会社が、顧客の小ロット・多品種ニーズに対応する形でデジタル印刷機を導入したケースが目に付く:
    • 商材は、お茶やお米、健康食品など、商品の価格に占めるパッケージ費用の比率が比較的低めなものが中心。
    • 小ロット・多品種に対応したサービスを始めた結果、新たな顧客の開拓にも成功しているケースも多い。
  • 今回の展示会では、パーソナライズ型サービスも紹介されている:
  • パッケージをご提供することに加えて、発注企業のマーケティング/コミュニケーションを支援するサービスを提案している印刷会社もあった:
  • デジタル印刷機導入の際には、フレキソ印刷機もあわせて比較するケースが多い:
    • デジタル機を導入した印刷会社では、フレキソ印刷機の環境対応性や安全性よりも、小ロット・多品種対応力の方が市場性が高いと判断したと考えられる。
  • デジタル印刷機を導入する際には、HP社以外の製品を検討するケースは少ない:
    • 海外では、Xikon(ザイコン)社製品やdotrixなども導入・活用されている。
  • 昨年のdrupaで発表されたB2サイズに対応したロール機 Indigo 20000 に対する興味は大きい:
    • これまでよりも大きなサイズのパッケージを生産できるようになるため。
    • 国内1号機(アジア1号機)は、今年10月に精工(大阪・大阪市)が導入予定。

次回のブログでは、こうした現状から伺えるデジタル軟包装印刷サービス市場の新しい市場機会について分析したいと思います!

2013年1月4日金曜日

2013年の新規印刷サービス機会

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

スマートフォンやタブレット端末の更なる広まり、SNSやAR(拡張現実感)の利用拡大、drupa 2012 で発表された新型インクジェット機やトナー機の市場投入など、印刷市場を巡る状況は、2013年も引き続き大きく変化を続けることが予測されます。こうした変化は既存の印刷サービスにマイナスの影響を与えることも見込まれることから、目を背けたいと考える印刷会社も少なくないでしょう。しかし、新たな市場機会を模索する印刷会社にとっては、こうした変化の動向を注視し、そこから生じる新たな市場機会を見い出すことが重要になります。

ブライター・レイターでは年頭に当たり、新たな市場を開拓し、売上・利益の拡大実現を目指す印刷会社が注目すべき新規印刷サービス機会として、以下の5つを挙げようと思います:
  1. スマートフォン向け・タブレット向け印刷通販:
    • アプリを活用した消費者や小規模事業者向けの印刷通販サービス。
  2. 海外市場向け印刷通販:
    • 日本の高品質な印刷物を海外市場に向けて在庫レスで販売する印刷通販サービス。
  3. SNS連動型印刷サービス:
    • フェイスブックやツイッターなどSNSで繋がったユーザーを、印刷物を活用することでリアルの店舗やベントに誘導するサービス。
  4. ARマーケティングサービス:
    • ARを活用することで、広告や印刷広告媒体の費用対効果向上を実現するサービス。
  5. 「『○○印刷』× DPS(Data Print Service)」サービス:
    • 『○○印刷』の部分には、商業印刷、新聞印刷、雑誌印刷、パッケージ印刷、シール・ラベル印刷などの印刷サービスが入ります。これらの印刷サービスにDPSのデータ処理や後加工のスキルを組み合わせるとでパーソナライズやカスタマイズを実現し、よりマーケティング効果の高い印刷物を提供するサービス。
もちろん、上記以外にも魅力的な印刷サービスは様々なものが考えられるかと思われますし、市場環境の変化に伴って更に新たな市場機会も現れてくるでしょう。2013年も印刷業界にとって刺激的な年になることは確実です。本年もこうした情報の提供、そして新規印刷サービスの立ち上げ・拡大の支援を通じて皆さまの事業拡大に貢献いたしますので、何卒よろしくお願いいたします!

ところで、以下の写真はiPhoneで名刺が制作・発注できるアプリベースの印刷通販サービス、「みんなの名刺」です(上記 1 の事例になります)。2012年11月にサービスが開始された「みんなの名刺」は、約140種類(2013年1月3日時点)のテンプレートからデザインを選び名刺を作成するというサービスです。名刺とはいえトレーディングカード風のデザインテンプレートもあり、利用者のアイデア次第でとても面白いカードを作ることができます。

また、40枚で1パックなのですが、1種類の名刺を40枚注文するだけでなく、40種類の名刺を各1枚注文することもできるようになっています。さらに、両面フルカラー印刷 + 両面UVニス加工で価格は840円(送料込み、片面印刷同価格)、13時までの注文なら当日発送という特徴もあることから、利用は順調に伸びているそうです。

1枚目の写真はテンプレート選択画面、2枚目は私が作成した40種類各1枚という名刺です。ちなみに、前回のブログで「ある海外の印刷通販会社のマネージメントの方々とお話しする機会があった」と書いたのですが、それはこの「みんなの名刺」についてでした。世界でも注目される「みんなの名刺」、とても面白いサービスなので是非ご利用ください (^ ^)


2012年10月31日水曜日

スマホベースの O2O 最新動向 . . .(2): Online to Offline

前回に引き続き、Web & モバイル マーケティング EXPOにおけるO2Oのソリューションをご紹介します。今回は、Online to Offline のソリューションです。

今回の会場では、博報堂アイ・スタジオが Yahoo! JAPANとの共同事業「Yahoo! JAPAN年賀状」を紹介していました。これは、住所が分からなくてもフェイスブックの友達やツイッターのアカウント、メールアドレスが分かっている友人・知人に紙の年賀状が送れるというサービスになります。展示会には出展されていなかったのですが、同様のサービスには日本郵便と電通の合弁会社JPメディアダイレクトが提供するサービス ポストマンなどもあります。

「住所が分からなくても送れる」というサービスは年賀状シーズンになるとよく目にするのですが、実は、通常のプロモーションにも使えるのではないかと、私は考えています。例えば、Facebookの企業ページに「いいね!」を押してくださった方だけに特別なデザインと内容のDMや販促品をお送りするとか。これは、ファンを集めることに加えて、ファンを維持することにもつながると思います。

フェイスブックなどSNSを活用したマーケティング(拙訳書「未来を破壊する」でいうところのインバウンドマーケティング)は、これから益々重要になります。こうしたOnline2Offlineのサービスを追加することで、インバウンドマーケティングの効果は更に高まると考えられます。また、この場合はDMや販促品など「リアル」なものを送付するため、印刷業界にとっても魅力的なソリューションになります。

ただ、現時点ではこうしたOnline2Offlineのソリューションは、企業のプロモーション活動にはあまり活用されていません。その理由は、企業側がこうしたプロモーションの可能性を十分に理解していないからだと思われます。つまり、こうしたソリューションを提案することで、印刷会社は顧客企業のインバウンドマーケティングの効果を高めることに貢献できます。

もちろん、「いいね!」を押してくださったファンの方に送付するDMや販促品、あるいは販促品のパッケージにARを追加して、再び企業のサイトなどに誘導することも可能です。その際、誘導した先でお送りしたDMや販促品に関するご意見・ご感想を書き込んでいただき、それを広くシェアしてさらにファンを増やすといった仕組みも面白いかと思います。

販促品をトリガーにして、リアル(Offline)とWeb(Online)両方のチャネルを通じてファンとのコミュニケーションを深めることができる印刷サービスは、顧客企業にとって非常に魅力的だと思いますがいかがしょう?もし、こうした印刷サービスの立ち上げ・拡大をご検討される際には、是非お声がけください (^ ^) 


2012年10月11日木曜日

TOKYO PACK レビュー(3):紙器パッケージの動向

今年5月に開催された drupa 2012 では数多くのB2デジタル印刷機が発表されましたが、その多くが「紙器パッケージ印刷市場」をターゲットにしています。今回の TOKYO PACK において、国内紙器パッケージ印刷市場におけるB2デジタル印刷機のビジネス機会を探ることも取材目的のひとつでした。

会場では、様々な方にデジタル印刷機の紙器パッケージ印刷分野での活用状況についてお伺いしたのですが、国内では「広幅インクジェット機でサンプルを制作している」という使われ方が中心で、プロダクション機を使って本格的に生産しているという例を聞くことはできませんでした。

ただ、この分野におけるデジタル印刷機導入・活用の可能性について指摘される方は少なくありませんでした。例えば、ラベル印刷でもご紹介した「生産者直売」「個人・小規模企業による輸入したもののネット販売」といった小ロットニーズに対応するため「検討している」というご意見がありました。既存市場の置き換えというよりも、新たな発注者の登場が紙器パッケージ印刷市場におけるデジタル印刷機導入・活用を牽引するのかもしれません。

ところで、今回の TOKYO PACK では、紙器パッケージの存在感はそれほど大きく感じませんでした。その背景としては、以下の様なものが挙げられると思います:
  • 簡易包装の広まり:
    • 環境負荷低減のため、また経費削減のため
    • 併せて、ラベルの表現力も向上している。
  • ダンボールを使ったパッケージの表現力拡大:
こうした状況の中、紙器パッケージは以下の様な「高機能化」の取組みの中で紹介されたケースが目に付きました:
  • バリアフリーを実現するユニバーサルデザイン(UD)への取組み
  • 内容物の利用にあわせて箱の大きさを小さくできる、サイズの可変性への取組み
  • 薬品などの偽造防止への取組み、など
「高機能化」はデジタル印刷のみが実現できるものではありませんが、先に挙げた「新しい発注者の小ロットニーズ」を取り込むためには有効な要素かもしれません。つまり、新しい発注者に対して設計・デザインの段階でこうした機能性を付加する提案をすることが、デジタル印刷の紙器パッケージ分野での拡大に貢献する可能性はありそうです。ただ、まずは「小ロットニーズ」の掘り起こしが必要かと思われます。

もちろん、紙器パッケージデザインのパーソナライズというデジタル印刷ならではのアプリケーションを提供することも、大きな事業機会になると考えられます。会場におけるHP社によるプレゼンテーションの中にも、ティッシュの箱をパーソナライズするという事例がありました。

紙器パッケージの分野でデジタル印刷が存在感を高めるためには、新しい発注者による小ロットニーズやパーソナライズニーズの取り込みという新しい市場の開拓が必要になりそうです。そのビジネスの形は、『B2 SoHoなど小規模企業』型(小ロットニーズ向け)あるいは『B2B2C』型(パーソナライズニーズ向け)が中心になると思います。

印刷会社にとってそうした市場の開拓は少々タフな取組みになるかも知れませんが、その市場は非常に大きくとても魅力的だと考えます。是非、挑戦してみてください!もし、お手伝いが必要な場合には、お気軽にお声がけください (^ ^)




2012年10月9日火曜日

TOKYO PACK レビュー(2):デジタル印刷の観点から

前回ブログの「目についたトレンド :6」でも触れたように、今回の TOKYO PACK ではデジタル印刷の存在感が高まっているように感じました。これは、特にラベル印刷の分野において実際に生産に使われるようになっているため、そしてその実績をもとにした提案型の展示が行われていたためだと考えられます。

ラベルのデジタル印刷化が進んでいる背景として、ジョブの小ロット化が進んでいることが挙げられます。例えば、エプソンのインクジェット機 SurePress L-4033A を4台導入している精工ブースでは、生産者(今回の展示では農家の方)の顔が印刷された野菜を入れたビニール袋に貼るラベルが提案されていました。この場合、季節によって販売する野菜の種類が変わりますので、小ロットでの印刷が必要不可欠になります。道の駅が広まるなど流通の多様化に対応して、こうした「生産者の直売」のための小ロット印刷サービスも広がっています。

あるいは、ネット通販が広まっていることから、個人や小規模な会社が輸入されたものをキレイなラベルを貼ってネットで販売したというニーズも増えているそうです。こうしたニーズに対応するための小ロット印刷サービスも立ち上がってきています。

また、精工ブースでは、今年5月に発表された HP社のB2サイズ対応ラベル・パッケージ印刷用ロール機 Indigo 20000 の導入が発表されていました。導入予定は2013年10月で、これはアジア1号機になるそうです。このデジタル印刷機の使い方については会場ではお伺いできませんでしたが、HPによる精工ブースでのプレゼンテーションをみると、One-to-one (パーソナライズ)のニーズに対応したサービス、しかもラベル以外にも軟包装も含めた印刷サービスの展開になるのかもしれません。

ところで、精工ブースでは、エプソンとHPが並んで自社製品をアピールしていました。エプソンは比較的「生産者直売」や「小規模メーカー」向けの小ロット生産を意識した提案、HPはナショナルブランドの One-to-one マーケティングを意識した提案とそれぞれ特徴がありました。これら2社の展示をみているとラベル・パッケージ分野におけるデジタル印刷の可能性の大きさを感じることができました。

また、エプソンはインクジェット機、HPは液体トナー機という共に注目のデジタル印刷方式のデジタル機を紹介していました。精工ブースはこうした観点からも、それぞれの特徴を比較検討したい印刷会社そして印刷物発注者には興味深い展示となっていました。

精工ブース以外でも、タカラ(大阪・大阪市)のデジタルラベルやミマキブースに展示されていた「CASIO ユポラベル対応オンデマンドカラーページプリンタ」(トナー式)を使った商品ラベルのサンプルなど、会場では興味深い展示が目に付きました。ちなみに、ユポラベル対応のCASIOのプリンターですが、価格は598,000円 + 消費税(5年間の保守サポート付き、トナー料金は別途)、ユポラベルの印刷速度はフルカラーで毎分9枚(厚手のもの)〜15枚となっています。昨年6月の販売開始以来、導入先の約半分が印刷会社だそうです。

今回は、ラベル向けデジタル印刷を中心にご紹介しました。次回は 、drupa でも大きな話題になった「紙器パッケージ」の動向について書きたいと思います。お楽しみに (^ ^)




2012年10月5日金曜日

TOKYO PACK 2012 レビュー(1)

10月2日・4日の2日間、「2012 東京国際包装展」(TOKYO PACK 2012)に行ってきました。今年5月にドイツ・デュッセルドルフで開催された drupa 2012 でも、一部で「package drupa」と呼ばれたようにパッケージ市場が大きな注目を集めていました。今回はそうした流れもあって、2日間に渡って情報を収集しました。

会場では、以下のようなトレンドが目につきました:
  1. 店頭での訴求力向上に貢献するラベル・パッケージ
  2. 購入後に効果を発揮するラベル・パッケージ
  3. O2O(Offline to online)の取組み
  4. 小ロットニーズに対応する取組み
  5. 印刷物の高機能化
  6. フレキソ印刷・デジタル印刷の存在感拡大
  7. さらに進化した加飾印刷
  8. カラーマネージメントの進化
  9. ワンストップサービスの提案
  10. 産業用インクジェット + 検査機(注:10月9日追記)
今回の展示会で、マーケティング的に面白い取組みだと感じたのは「2. 購入後に効果を発揮するパッケージ」です。厳しい経済状況で、店頭でのプレゼンテーション能力を高める取組みが進むのは、ある意味想定内です。ただ、店頭でのインパクトが高い商品が、「もう一度買いたい商品」になるとは限りません。

今回、この「もう一度買いたい感」を高める可能性のありそうな提案が、会場でいくつか見られました。例えば、共同紙工(東京・江東)のマルチレイヤー紙ラベル「ヨメルダー」や「Meku Look(メクルック)」は、ラベルの情報量を増やすことで店頭での訴求力を高めると同時に、購入後にそこに書かれているレシピなどを参考に料理やお酒を楽しむことができたりします。

もちろん、3倍・5倍に情報量を増やしたラベルには、レシピ以外にも読み物(連載)やクーポンなど、様々な情報を入れることができます。この内容を工夫することで、消費者の「もう一度買いたい感」を刺激することができそうです。

また、東洋製罐グループの東洋ガラス(東京・品川)が展示していた「内面彫刻」のガラス瓶もマーケティング的に面白いものでした。ガラス瓶の内面に彫刻を施す(表面はツルツルのまま)ことによって、内容物が減っていくとその彫刻した模様が浮かび上がってきます。この彫刻の図柄を工夫することで、「もう一度買いたい感」を高めることが出来ると思います。ただ、残念ながらこの技術はまだ開発中で商品化されていないそうです(写真も撮らせていただけませんでした・・・)。

こうした「もう一度買いたい感」を高める仕掛けは、「店頭での訴求力向上」や「O2O」といった取組みと組み合せて使うことができます。マーケティングサービスプロバイダー(MSP)への転身を図る印刷会社には、こうした仕掛けも「武器」のひとつとして提案していただくと、提案内容がさらに広がり・深みを増すと思います。

今回は、展示会の全体的な印象そしてマーケティング的な視点からの興味深い取組みについてご紹介しました。次回は、「デジタル印刷」の観点からみた TOKYO PACK をご報告いたします。お楽しみに (^ ^)