印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2018年5月9日水曜日

BL注目のトピック@Japan IT Week 春 2018

本日(5月9日) から11日までの3日間、Japan IT Week 春 2018 が開催されています(会場:東京ビッグサイト)。私も早速行ってきました!当初は3〜4時間くらいでサッと回って帰ろうと思っていたのですが、次々と面白い展示と出会って結局6時間くらい会場にいました(笑)。それでも回り切れませんでしたが (^ ^;

一体、どんなお話をお伺いしたのか?自分の反省がてら、会場で注目したトピックを以下にざっと並べてみました(順不同)。これだけいろんなお話を聞けば時間もなくなりますよね(笑):


「印刷と関係なさそうなトピックばかり・・・」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、私の中では儲かる印刷サービス(!)とかスマート印刷工場とかに密接に関係しています。では、どんな関係があるのでしょう?ご興味のある方はご連絡いただければと思います。ぜひ、一緒に新しい領域を切り拓きましょう!印刷サービスの可能性、まだまだ大きそうです (^ ^)

2016年11月22日火曜日

2016年の印刷市場を振り返る:東京都・千葉県の場合

気が付けば、11月も下旬となりました。まだ早いかもしれませんが(笑)、これから少しずつ2016年の印刷市場を振り返ってみたいと思います。

さて、全国の中小企業団体中央会は、各地の情報連絡員報告をもとにした中小企業動向を発表しています。今回は、東京都と千葉県の中小企業団体中央会の情報をもとに、2016年1月以降の中小印刷会社の動向をまとめます。一体、どんな1年だったのでしょう(注:現時点では8月までの情報しか発表されていません):

  • 2016年1月:
    • 東京都:組合員の間に業績の良し悪しの二極化が進んでいる。また、都心部では再開発等による立ち退きで廃業する組合員が見られる。
    • 千葉県:1月の県内組合員受注売上高は年末年始休業による稼働日の減少に加え、景況感から来る消費マインドの冷え込み等の影響により、印刷需要は芳しくなかったようです。このような状況下、未だデフレが完全に解消できていません。大企業を中心に昇給や冬季賞与の増額が行われ、一部では消費マインドが上向いていますが、市民全体が実感する程の実質賃金上昇にはまだまだ時間が掛かりそうです。
  • 2016年2月:
    • 東京都:依然として厳しい状況が続いているが、技術対応力、企画提案力を備えた企業は売上を伸ばしている。
    • 千葉県:2月の県内組合員受注売上高は、景況感から来る消費マインドの冷え込み等の影響により、全体としては芳しくなかったようです。但し、全社が悪化しているわけでは無く、中には好調な企業もあります。様々な要素でパイの奪い合いが起きてきていますので、その結果として企業の業績に大きく格差がついてきています。
  • 2016年3月:
    • 千葉県:3月半ば迄の県内組合員受注売上高は、先行き不安な景況感から来る消費マインドの冷え込み等の影響により、全体としては芳しくなかったようです。但し、中には年度末需要を受注し好調な企業もあります。様々な要素でパイの奪い合いが一層激しくなって来ていますので、またデフレになっています。その結果として、企業の業績に大きく格差がついてきていますので、全体の景況感改善は未だ先です。
  • 2016年4月:
    • 千葉県:4月の県内組合員受注売上は、全体として悪かったようです。ここ数年の現象として、旧年度予算の受注品は何が何でも3月末までに納品するよう求められます。その結果、各組合員で仕事が溢れかえる状況が見受けられます。その反動で新年度は全く稼働しない状況が垣間見えますので、印刷資材はとても動きが鈍く、用紙はコピー用紙の売上でほぼ前月に近い売り上げを確保している状況です。
  • 2016年5月:
    • 東京都:当組合で実施している売上動向調査(28 年 1 月~ 3 月)がまとまった。1 ~ 3 月の売上は 103 と前年を上回ったが、4~6月の予測は前年比 98 と先行きの不透明感が拭えない結果となった。
    • 千葉県:5月の県内組合員受注売上は、ほぼ4月の横ばいの数字で一向に景気が改善していない模様です。来日外国人によるインバウンド効果も一時期の勢いが無くなり、国民の消費もデフレの状態が引き続き継続しています。政府も補正予算を組み景気浮揚を目指していますが、将来の社会保障や国の債務等の不安が払しょくできません。これらの結果として消費が上向かず、相変わらず激しい価格競争中。
  • 2016年6月:
    • 東京都:従業員の採用に苦慮する組合員が多い。
  • 2017年7月:
    • 千葉県:ペーパーレス化が徐々に侵食している。紙の出荷量が減っている。しかし、紙メーカーは値上げの効果で増収増益。地方の零細印刷会社への用紙デリバリー・サービスがどんどん縮小している。円高の影響で用紙の価格は下がるはずだが、値下げの動きは無い。
  • 2016年8月:
    • 東京都:業績の良い企業とそうでない企業で二極化している。
    • 千葉県:先行きの暗さは変わらない。紙の出荷量が減っている。しかし、紙メーカーは値上げの効果で増収増益。

東京都・千葉県の両方に共通するトレンドとして以下のような点が挙げられそうです:
  • 全体として市場環境は厳しい。先行きも不透明:
    • 来日外国人によるインバウンド効果も一時期の勢いが無くなり(千葉県・5月)
  • しかし、中には業績の良い企業もあり、二極化の傾向あり:
    • 技術対応力、企画提案力を備えた企業は売上を伸ばしている(東京都・2月)

こうした状況は、他道府県と比べてどうなのでしょう?また、秋以降のトレンドはどうなっているのでしょうか。他地域の動向も確認し、また秋以降の業界動向も引き続きウォッチしたいと思います。

そういえば、2016年は5月末〜6月初旬にかけて、国際印刷機材展 drupa2016 が開催されました。日本からもたくさんの印刷業界関係者が視察し、また終了後の報告会にもたくさんの方がご参加されたと思います。ここで得た情報から、たくさんの厳しい現状を打破するアイデアが浮かんでいれば良いのですが(注:写真はdrupa2016の会場風景です)。

なお、東京都と千葉県の印刷業以外の中小企業動向については、以下のサイトをご確認ください:
  • 東京都中央企業団体中央会 ライブラリー:
    • このうち、「中小企業だより 最新号」「中小企業だより バックナンバー」をご確認ください。
  • 千葉県中小企業団体中央会「中小企業ちば

2016年9月29日木曜日

『印刷 x AI 』だョ!全員集合

世間ではすっかりAI(人工知能)流行りですが、印刷の分野にAIを活用することで以下のような進化を実現できます:

  • 集客力の強化
  • 制作・生産工程のさらなる自動化・スキルレス化
  • マスカスタマイズ(一品大量生産)対応力の強化
  • 印刷サービスのグローバル展開
  • 経営のさらなる合理化、など

その際には、例えば以下のようなAIが活躍します:

  • AI Web Marketer for 印刷通販:
    • 自動的にバナー広告を制作・運用し、非常に効果的に集客してくれるAI。
  • AI Graphic Designer/ AI Editorial Designer:
    • 対話を通じて、期待通りあるいは期待以上の印刷物を自動的にデザインしてくれるAI。
  • AI Color Manager:
    • 異なる機種間はもちろん、複数の印刷会社間でも正確に色を管理してくれるAI。BCPにも活用可。
  • My DM:
    • AIを活用することで、受け取られた方が「これは私のDM!」と感じる効果の高いDMを提供するサービス。
  • AI Global Business Development Manager:
    • 印刷サービスを他言語展開・多文化展開してくれるAI。
  • AI 印刷設備投資アドバイザー:
    • 設備の稼働状況や営業活動状況をもとに、最適な印刷設備投資についてアドバイスしてくれるAI。

印刷以外の分野を見ても、AIの開発・活用は始まったばかりです。上記のようなAIやAIを活用したサービスもまだ取り組み始めたばかりで、どこまで実現できるか正直分かりません(笑)ただ、今から始めれば、誰よりも先にAIを武器にした新しい競争のルールを印刷市場に持ち込み、売上・利益を大きく伸ばせる可能性は十分にあります。

ブライター・レイターでは現在、AIで印刷市場にイノベーションを一緒に起こしたいやんちゃな(笑)パートナーを大募集しています!


あなたは、2020年までに成長事業を構築できるか?

これは、拙訳書「未来を創る」(JAGAT刊)の中で「おそらく本書で最も重要な質問」として挙げられているものです。『印刷 x AI 』は、2020年までに成長事業をつくる有力な方法のひとつだと考えています。

AIで印刷ビジネスを進化させたい印刷会社、そのためのシステムを提供したい印刷機材メーカー、印刷を愛するAIベンチャー企業など、2020年までに成長事業をつくりたい皆さまからのご連絡を心よりお待ちしております (^ ^)

2016年1月7日木曜日

『次世代型印刷会社』の特徴とは

2015年12月に開催されたad:tech tokyo 2015のあるキーノートで、以下のようなお話をお伺いしました:
  • Facebookは世界最大のメディアだが、自社コンテンツを持っていない。
  • Uberは世界最大のタクシー会社だが、自社でタクシーを1台も持っていない。
  • Airbnbは世界最大のホテルだが、自社で1部屋も持っていない。
この時、もしかしたら「世界最大の印刷会社だが、自社で印刷設備を持っていない」というのが次世代型印刷会社の特徴になるのかも・・・と妄想したのは言うまでもありません(笑)。前回の記事でB2B2C型印刷通販会社について書きましたが、これは「印刷設備を持たずに(あるいは、最小限の印刷設備で)世界最大の印刷会社になれる可能性」についてあれこれ考えた中で出てきた結論のひとつだったりします。

さて、次世代型印刷会社を目指す際、重要になるのが「エコシステム」です。前回の記事でも触れましたが、エコシステムと「横持ち」は大きく異なります。例えば、Facebookを使われている方なら、Facebookとご自身の関係が「横持ち」ではないことがお分かりいただけるかと思います。

「印刷設備を持たない印刷会社」と聞いて、ラクスルを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。では、ラクスルは次世代型印刷会社、あるいは次世代型に最も近い印刷会社なのでしょうか?私は、少なくとも現時点では、そうではないと考えています。ラクスルは、エコシステム志向というより横持ち志向が強い印刷会社だからです。

ところで、皆さんは「ハードウェア スタートアップ(Hardware Startup)」という言葉をご存知でしょうか。家電などのハードウェアを企画・開発するベンチャー企業のことで、日本にもCEREVOUPQなどたくさんの刺激的なハードウェア スタートアップがあります。ハードウェア スタートアップの中には、商品の企画からプロトタイプ製作までを社内で行い、量産は外部に委託するケースもあります。

私は、次世代型印刷会社として、こうしたハードウェア スタートアップのような形も十分にあり得るのではないかと考えています。自社で、あるいは顧客やパートナー企業と共同で印刷サービスを開発、プロトタイプ製作までは社内で行い量産は社外のパートナーに委託する印刷会社とか。

実は、こちらの記事でご紹介した Brighter Later Lab(ブライター・レイター・ラボ)は、こうした『次世代型』への進化を支援する取り組みだったりします。新しいビジネスモデルを模索する印刷会社の皆さん、そして次世代型印刷会社との協業でコミュニケーション力を高めたいブランドオーナーの皆さん、ぜひ一緒に未来を切り拓きましょう!きっと、まだ見ぬ世界は刺激的で面白いですよ (^ ^)

2016年1月4日月曜日

印刷通販の『次の一手』はコレだ!?

「印刷通販」というサービスモデルもすっかり印刷市場に定着しました。その一方で、印刷通販ビジネスに当初の勢いや迫力が感じられなくなっています。市場の伸びも落ち着きつつある、という声もあちらこちらで聞かれます。

しかし、私は印刷通販市場はまだまだ大きく伸びる余地は大きいと考えています。例えば、以下のように展開することで、印刷通販市場はさらに大きなものになります:

  • B2B2C型モデル:
    • 既に多くの顧客を抱えるB2C企業と協業する:
      • 小売店、飲食店、学習塾、など
    • これまでは「B2B型」モデルが中心:
      • これまでのターゲット層:印刷会社、比較的規模の小さな一般企業
      • 一部「B2C型」を志向する印刷通販会社もあるが、まだ市場規模はそれほど大きくない。
  • 売上アップにつながるオリジナルの新しい商材やサービスを一緒に開発:
    • 印刷することで「価値が大きく高まる」「楽しい体験・うれしい体験ができる」商材やサービス:
      • こうした新しい商材やサービスを通じて、顧客企業の売上・利益増大に貢献。
    • これまでは「販促用印刷物を早く・安く」といったコスト削減への貢献が中心
  • エコシステムを志向:
    • 自社で設備は極力持たず、印刷設備などの仕組みを持つ企業とエコシステムを形成:
      • 新しい商材やサービスを開発するマザー工場は所有
    • 横持ちとエコシステムの違い:
      • 横持ち:
        • 作業分担による「コストの最小化」が目的
        • 印刷業界内で完結する場合が多い
      • エコシステム:
        • 価値の掛け合わせによる「価値の最大化」が目的
        • 印刷業界以外の企業とも積極的に協業
  • 顧客企業と一緒に積極的にグローバル展開を志向

実は、こうした印刷通販サービスは、既存の印刷通販会社でなくても提供できます。むしろ、現在B2C企業と取引のある印刷会社の方が、こうしたモデルの実現に近い場所にいるのかもしれません。もちろん、ハイテクベンチャー企業がこうした仕組みをサクッとつくって、どんどん市場を開拓していく可能性も十分に考えられます。

B2C型、B2C2C 型など、上記以外にも有望な印刷通販市場は考えられます。ただ、スピード感を持って開拓でき、しかも潜在力の大きな市場となると、B2B2C型市場が「次」の主戦場になる可能性が大きそうな気がします。

どんな「次」の市場が印刷通販を牽引するのか。また、どんな企業が「次」の印刷通販市場に本格的に進出し、勝ち残るのか。まだまだ印刷通販市場は熱そうです。この競争に参加して勝ちたい方、ぜひお声がけください (^ ^) 一緒に新しい市場を開拓しましょう!

2014年1月15日水曜日

メッセージとしての印刷メディア

メディアはメッセージである。

メディア学者マーシャル・マクルーハンによるこの有名な言葉が「メディア論」(1964年刊)で広まってから、今年(2014年)で50年になります。この50年間、メディアを巡る状況は大きく変わりました。50年前といえば、テレビや電話(まだ携帯できないヤツです(笑))が一般家庭で使われ始めた頃です。

もちろん、変わらない点もあります。例えば、印刷が冷たくない(クールではない)メディアの代表として挙げられる点とか (^ ^; それでも、印刷メディアは50年間、主要なメディアのひとつとして使われてきました。その理由のひとつとして、テレビのような冷たい(クールな)メディアよりも利用コストが低いことが挙げられます。

しかし、Webメディアの登場により、状況は大きく変化しています。皆さんもご存知の通り、Webメディアは印刷メディアよりも冷たい(クールである)ことに加えて、その利用コストは印刷メディアよりも低くなっています。また、そのコスト差は日々拡大しています。

このような状況を乗り越え、印刷メディアで長期利益の確保を目指す印刷会社は、何を考えれば良いのでしょうか。そのヒントは、「メディア論」の中にもありそうです。例えば、以下のような文章から、21世紀の印刷メディアの方向性も見えてきそうです:

  • 人間の結合と行動の尺度と形態を形成し、統制するのがメディアに他ならない。
  • どんなメディアでもその「内容」はつねに別のメディアである。
  • 連続性が瞬時性に道を譲ったとたんに、人は構造と構成の関係の世界に入っている:
    • (活字および印刷文化は)画一と連続を生む
  • メディアは相互に作用し、新しい子孫を生み出す。

この時、「メッセージとしての印刷メディア」という観点から考えるのも良さそうです。スマホやタブレットでいつでもどこでも必要な情報を検索・入手できる現在において、印刷メディアを使うことでどのようなメッセージを届けることができるのか。

あわせて、スマホ・タブレット時代において、印刷メディアはどのように人々の結合と行動の尺度と形態を形成し、統制できるのか。印刷メディアを電子メディアと相互に作用させることで、どのような新しい子孫を生み出せるのか。こういった点について思いを巡らせることも、新しい印刷メディアを考える際に役立つかと思います。

これらは、印刷メディアについてのノウハウを持った印刷業界ならではの視点・取組みです。「メディア論」刊行50周年の今年、ぜひ、こうした観点からも長期利益実現の道筋を検討し、見出しましょう!

2013年12月31日火曜日

印刷業界と紙業界は、一緒に景気回復できない!?

201312月、大企業の景況判断は4期連続で改善、中小企業の景況感も20044-6月期の調査開始以来最高となったと、日銀から発表されました。その一方で、印刷業界では景気回復を実感しているという声はあまり聞かれません。日銀の発表は業況判断DIという指数に基づいたものなのですが、今回の記事では、印刷業界の業況判断DIについて分析してみます。

印刷の業況判断DI について、20124-6月期から20141-3月期(見通し)までの推移をみると、右肩上がりの傾向があることが分かります。20124-6月期は-31,7だったのが20141-3月期(見通し)では-17.6となり、14.1ポイントと大幅に改善しています。

しかし、それでも業況判断はマイナスです。実は、-17.6という数値は、製造業全体の中では最も低いものです。景気が「好転」していると考える印刷会社は増えてはいるものの、「悪化」していると考える企業数はまだまだ多いようです。

ところで、今回、印刷業界と関係が深いパルプ・紙・紙加工品における業況判断DIについてもあわせて分析してみましょう。こちらは20136月までは回復基調にありましたが、その後は悪化傾向にあります。これに対して、印刷は20126月までは横ばい〜微増傾向だったのが、それ以降は回復に転じています。

このように、印刷とパルプ・紙・紙加工品は、景気回復という観点からみると大きく異なる傾向にあります。なんとなく、20126月までは印刷業界を踏み台にパルプ・紙・紙加工品業界が景気を回復し、それ以降は立場が逆転したかのようにも見えます。本来なら、「紙離れ」という厳しい状況を乗り切るため、お互いに支え合うことが求められると思うのですが。

何故、このような状況になっているのでしょう?単なる偶然なのか、それともこのような構造になっているのか。不勉強で私には分かりません。申し訳ありません・・・どなたか是非、お教えいただければと思います m(_ _)m