印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2018年1月9日火曜日

Make Prints Great Again!

明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願いいたします!

さて、ブライター・レイターでは2018年の基本方針を「Make Prints Great Again!(印刷物を再び魅力的にしよう!)」としました。そして、魅力的な印刷物を通じて、以下の実現を全力で支援いたします:

  • 印刷会社のイノベーション
  • スタートアップの成長
  • イベント・展示会・キャンペーンの成功

皆さまのお役に立てますよう一層精進してまいりますので、引き続きのご指導・ご鞭撻何卒よろしくお願いいたします!また、上記にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください (^ ^)

2014年3月24日月曜日

ブライター・レイター流 IPEX2014の注目ポイント

本日(324日)から、英国・ロンドンで国際印刷機材展IPEX2014が開催されます。今回は、オフセット機・デジタル機ともに主要メーカーの多くが出展しないことから、「見どころのない展示会」という声も少なからず聞かれます。しかし、私は今回のIPEXでかなり面白い情報が収集できるのでは、と考えています。それは、英国は日本より一足先に印刷業界の集約化が進んでいるからです。

下のグラフは、今年の220日にハイデルベルグ・ジャパン主催のセミナーで紹介されたデータをもとに作成したものです。このグラフから、英国の印刷会社数は12年間でおよそ14,000社から10,000社減って4,000社になったこと、特にロンドンの印刷会社の減り方が激しいことが分かります。ハイデルベルグ社の方のご説明では、景気後退に加えて他国の印刷通販会社が英国の仕事を持って行っていることや、ロンドンの地価の高さがコスト競争力を引き下げていること、などがその理由として挙げられるそうです。

仮に、英国のシナリオが日本に当てはまると、日本市場はこんな状況になりそうです:
  • 印刷会社数が、現在の30%程度にまで減少する:
    • 特に、東京の印刷会社数が大きく減少する。
  • 海外の印刷通販会社が、日本国内の仕事を持って行く:
    • 欧州では、大抵の場所に印刷物を翌日配送できる状況にあるそうです。
実際に国内市場がこうした状況になるかは分かりませんが、念のためにこうした状況への対処法のアイデアを得ておくため、私は今回のIPEXで以下のようなポイントに注目して情報を収集したいと考えています:
  • 残った印刷会社/無くなった印刷会社の違い:
    • 製品やサービス内容、仕組み、顧客獲得方法、など
  • 残った印刷会社が、さらに競争力を高めるためのアイデア:
    • 商材開発・サービス開発、仕組み作り、顧客獲得方法、など
  • 英国の印刷物発注企業の戦略や課題、など

私は今回、5日間会場で取材をする予定ですが、このような観点で情報を収集・分析すると5日間でも全然足りそうもありません (^ ^; でも、折角の機会なので、セミナーに参加したりできるだけ細かくブースを回ったりしながら、いろんな方のお話しをお伺いしたいと思います。どんな提案が見られるのか、またどんなお話しが聞けるのか、とても楽しみです
(^ ^)


2012年10月29日月曜日

スマホベースの O2O 最新動向 . . .(1):Offline to Online

先週(2012年10月24日〜26日)幕張メッセで開催された「Web & モバイル マーケティング EXPO」では、想像していた以上にスマートフォンを活用した O2O (Offline to Online/ Online to Offline)のソリューションが数多く展示されていました。今回はそのうち、Offline2Online のソリューションについてご紹介します。

会場に展示されていたスマホベースの Offline2Online型のO2Oソリューションは、以下の様なタイプに分類されます:
  1. AR専用コンテンツ再生タイプ:
    • 3Dや動画の再生型
  2. AR専用コンテンツ再生タイプの変形:
    • インタラクティブ型(ARコンテンツの操作が可能)
    • 道案内型(GPSと連動)
    • オリエンテーリング型(ポイント収集型)
  3. Webコンテンツをブラウズするタイプ(QRコードの変形型)
「2. AR専用コンテンツ再生タイプの変形」のインタラクティブ型で面白かったのは、カナダから出展していた Redpiston社 の冷蔵庫をブラウズするデモでした。新聞に掲載された広告がARのマーカーで、そこにAR用アプリを起動したスマートフォンをかざすとスマホの画面に冷蔵庫が現れます。スマホの角度を変えると冷蔵庫を様々な角度から見ることができ、さらに冷蔵庫の引き出しや扉部分をタップするとスムーズに開閉したりします。こうしたARとVR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)が組み合わせられたサービスがスマホ上でスムーズに実現できることに、少々驚きを感じました。

「3. Webコンテンツをブラウズするタイプ」では、米国ロサンゼルスに拠点を置くハイテク企業群 Nant Works の日本法人ナント・モバイルの展示が興味深いものでした。例えば、渋谷駅の改札口付近に貼ってある駅周辺地図にARアプリを起動したスマホをかざすと、情報を入手できるファッションビルなどが分かります(対応していることを示すマークが表示されます)。その部分をタップすると、そのファッションビルのWebサイトに飛び、最新情報を得ることができます。また、ファッションビルなどの建物もマーカーにすることができるため、スマホをかざして歩きながら各ビルの最新情報も入手できます。

ARを使ったサービスでは、ブラウズするコンテンツが話題になることが多いかと思います。しかし、ナント・モバイルでは、ブラウズするのは既存のWebコンテンツなのですが、O2Oの可能性の大きさを示す様々な使い方(実現時期が未定のコンセプト的な使い方を含めて)を提案していた点が印象的でした。

「Webコンテンツをブラウズするタイプ」では、コトブキ企画が11月に開始する予定のスピードウェブも面白いサービスだと思いました。一般的に、ARではマーカーとブラウズする内容が「1対1」の関係なのですが、スピードウェブでは1つのマーカーに対して複数(10個程度)のWebサイトやWebコンテンツを対応させられるようになっています。しかも、運用者が自分で簡単にマーカーやそれに対応するWebサイト・Webコンテンツを登録したり変更したりできるようになっています。こうした手軽さは、O2Oが広まるに当たって有効かと思われます。

ARを含めたスマホベースのO2Oは、IT業界が牽引することで、印刷業界が考えているよりも速いスピードで広まる可能性もありそうです。Redpistonナント・モバイルの展示を見ていると、O2O(特にOffline to Online)の分野では海外のIT企業の動向にも注目すると面白い印刷サービスのアイデアが得られそうです。実際、私もこれらの展示を見て面白い新規サービスをいくつか思い付きました (^ ^)

次回は、Online2Offline型のO2Oソリューションを紹介する予定です。お楽しみに♪


2012年10月5日金曜日

TOKYO PACK 2012 レビュー(1)

10月2日・4日の2日間、「2012 東京国際包装展」(TOKYO PACK 2012)に行ってきました。今年5月にドイツ・デュッセルドルフで開催された drupa 2012 でも、一部で「package drupa」と呼ばれたようにパッケージ市場が大きな注目を集めていました。今回はそうした流れもあって、2日間に渡って情報を収集しました。

会場では、以下のようなトレンドが目につきました:
  1. 店頭での訴求力向上に貢献するラベル・パッケージ
  2. 購入後に効果を発揮するラベル・パッケージ
  3. O2O(Offline to online)の取組み
  4. 小ロットニーズに対応する取組み
  5. 印刷物の高機能化
  6. フレキソ印刷・デジタル印刷の存在感拡大
  7. さらに進化した加飾印刷
  8. カラーマネージメントの進化
  9. ワンストップサービスの提案
  10. 産業用インクジェット + 検査機(注:10月9日追記)
今回の展示会で、マーケティング的に面白い取組みだと感じたのは「2. 購入後に効果を発揮するパッケージ」です。厳しい経済状況で、店頭でのプレゼンテーション能力を高める取組みが進むのは、ある意味想定内です。ただ、店頭でのインパクトが高い商品が、「もう一度買いたい商品」になるとは限りません。

今回、この「もう一度買いたい感」を高める可能性のありそうな提案が、会場でいくつか見られました。例えば、共同紙工(東京・江東)のマルチレイヤー紙ラベル「ヨメルダー」や「Meku Look(メクルック)」は、ラベルの情報量を増やすことで店頭での訴求力を高めると同時に、購入後にそこに書かれているレシピなどを参考に料理やお酒を楽しむことができたりします。

もちろん、3倍・5倍に情報量を増やしたラベルには、レシピ以外にも読み物(連載)やクーポンなど、様々な情報を入れることができます。この内容を工夫することで、消費者の「もう一度買いたい感」を刺激することができそうです。

また、東洋製罐グループの東洋ガラス(東京・品川)が展示していた「内面彫刻」のガラス瓶もマーケティング的に面白いものでした。ガラス瓶の内面に彫刻を施す(表面はツルツルのまま)ことによって、内容物が減っていくとその彫刻した模様が浮かび上がってきます。この彫刻の図柄を工夫することで、「もう一度買いたい感」を高めることが出来ると思います。ただ、残念ながらこの技術はまだ開発中で商品化されていないそうです(写真も撮らせていただけませんでした・・・)。

こうした「もう一度買いたい感」を高める仕掛けは、「店頭での訴求力向上」や「O2O」といった取組みと組み合せて使うことができます。マーケティングサービスプロバイダー(MSP)への転身を図る印刷会社には、こうした仕掛けも「武器」のひとつとして提案していただくと、提案内容がさらに広がり・深みを増すと思います。

今回は、展示会の全体的な印象そしてマーケティング的な視点からの興味深い取組みについてご紹介しました。次回は、「デジタル印刷」の観点からみた TOKYO PACK をご報告いたします。お楽しみに (^ ^)