印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2017年1月6日金曜日

drupa2020でデジタル後加工機に期待したいこと

オフセット印刷サービスでは通常、印刷と後加工は別の会社が担当します。しかし、デジタル印刷サービスでは、印刷会社が後加工もあわせて行うケースが大半です。そのため、デジタル印刷サービス向け後加工機は少ない人数でも動かすことができ、かつ職人でなくても品質を保てるよう、自動化・省力化・スキルレス化が進んでいます。

また、デジタル後加工機はデジタル印刷機とセットでの運用が想定されています。drupa2016でも、デジタル印刷機の進化に伴い以下のような動きが見られました:
  • B1サイズ用紙に対応したデジタル後加工機の発表
  • 産業用印刷物向けデジタル後加工機の拡充:
    • 産業用印刷物:パッケージ(紙器・軟包装)、シール、ラベル、など
  • デジタル印刷機との連携性のさらなる向上:
    • 特に、商業印刷市場向けや書籍・雑誌・新聞印刷市場向けなど
    • インライン・ニアラインともに

会場では、以下のような動向も見受けられました:
  • 型・版を使わないデジタル後加工機の増加:
    • レーザーカッター、デジタルニス加工機・箔押し機、など
    • 自動給紙や搬送機能付きで生産性向上も実現
  • 小ロット向け 型・版ありデジタル後加工機の提案:
    • スジ押し加工用
    • 樹脂やプラスチック製スジ押し用テープなどを使ってオンデマンドで型を作成
  • オフセット印刷物にデジタル後加工で加飾するデモ、など

こうしたトレンドを踏まえると、drupa2020では以下のようなデジタル後加工機が期待できそうです:
  • デジタル印刷機の柔軟性に対応できるデジタル後加工機:
    • 特に、パッケージ(紙器・軟包装)など産業用印刷物向け
    • 「型・版なし」「型・版あり」ともに
  • 印刷機の生産性とバランスが取れたデジタル後加工機:
    • 生産性が向上された「型・版なしデジタル後加工機」
  • 印刷機の品質とバランスが取れたデジタル後加工機:
    • UVオフセット印刷機と組み合わせて使える「型・版ありデジタル後加工機」
  • 印刷会社の所有する印刷機や仕事内容に合わせてセミオーダーできるデジタル後加工機、など

私は特に、小ロット対応力の高い「型・版ありデジタル後加工機」の進化に期待しています。印刷の分野では、UVオフセット機といった「小ロット対応力の高い版あり印刷機」が広く使われるようになっています。これと同じことが後加工の分野で起こることは十分に考えられると思いますが、いかがでしょう?

小ロット対応力の高い「型・版ありデジタル後加工機」が登場すれば、柔軟性重視型サービスに加えて品質重視型サービスを実現できることから、印刷会社が提供するサービスの多様性がさらに高まります。そうなれば、過度な価格競争からも脱却しやすくなります。

drupaなど印刷機材展では印刷機の進化に注目しがちですが、drupa2020では後加工機の進化にも注目しましょう!

ところで、添付の写真はdrupa2016のHPブースで紹介されていたSEI Laser社製のデジタル後加工機 PaperOne です。搬送機能付きのレーザーカッターで、プラスチック製テープ(英国 Man Mat社製)を使ったオンデマンドスジ押し機能も付いています。写真は、このスジ押し用の型を取り付けているところです(黄色い部分がスジ押し用プラスチック製テープです)。

2016年12月30日金曜日

スマート工場はdrupa2020でどう進化するのか?

drupa2016では、データをもとに自分で考える「スマート工場」も話題のひとつでした。自動化・省力化・スキルレス化が進んだ機材を組み合わせて各生産工程を最大限効率化し、さらにクラウドのデータをもとに工場全体の最適化を行う。そんな「夢の工場」がさまざまなブースで紹介されていました。

では、次回drupa(2020年開催)では、このスマート工場はどのように進化するのでしょうか。もちろん、さらなる生産工程の効率化は進むでしょう。ただ、それ以上の進化も十分に期待できます。

例えば、『紙媒体の適切な使い方を提案できる工場』への進化。印刷会社内には、クリエイティブや使用した用紙、コストなど、すでに生産した印刷物に関するさまざまなデータが蓄積されています。これらに顧客が持つ印刷物を活用したキャンペーンの成果など効果に関するデータを組み合わせることで、紙媒体の適切な使い方を予測・提案できるさらにスマートな工場に進化させることができます。この工場では、2016年のキーワードのひとつであるAI(人工知能)がフル活用されるでしょう。

あるいは、『職人と AI がお互いに刺激しあう工場』への進化。私は、AIは必ずしも職人を置き換えるものではないと考えています。むしろ、職人に刺激を与え、その技にさらに磨きをかけるための弟子のような役割を果たすことを期待しています。同時に、AIにとっても職人は精度を高めるための師匠となるでしょう。drupaでは、そんなスターウォーズのような(笑)職人とAIがお互いに刺激しあうスマートな工場の提案があるかもしれません。

『他社事例から学習できる工場』への進化も十分に考えられます。工場をさらにスマートにする方法のひとつに、他の印刷・加工会社のデータを活用することがあります。学習用データは多ければ多いほど、その効果は高くなりますから。また、他社データを活用することで、例えば自社設備の稼働ランキングもわかるようになるといったメリットもあります。ただ、お互いの工場訪問や協業に熱心な印刷業界ですから、もしかしたら、こうした他社事例から学習できるスマートな工場はdrupa前に登場するかもしれません。

他にも自社の『営業戦略を提案できる工場』『設備投資計画をアドバイスできる工場』『物流を最適化できる工場』『適切なセキュリティレベルを管理できる工場』など、さらなるスマート化の方向性としてさまざまなものが考えられます。drupaでは、どんな方向性への進化が提案されるのでしょう?今からとても楽しみです (^ ^)

2016年12月28日水曜日

B0/ VLF枚葉インクジェット機はdrupa2020に出展されるか?

印刷業界の2016年を振り返る時、ドイツ・デュッセルドルフで開催された世界最大の国際印刷機材展 drupa2016に触れない訳にはいきません。とはいえ、drupa2016の内容を改めて紹介するのもナンですので、世界で1番早く次回drupaを予測するブライター・レイターらしく(笑)drupa2016を踏まえつつdrupa2020のトレンドを予測します。

さて、drupa2016の華はB1サイズ枚葉インクジェット式デジタル印刷機でした。Landa社と小森コーポレーション、富士フイルムとハイデルベルグ、ゼロックスとKBAといった、デジタル印刷機・オフセット印刷機のメーカーがそれぞれの強みを持ち寄って共同開発した機種は、非常に高い生産性・印刷品質・用紙対応性などを実現し、オフセット印刷機の一部の仕事を置き換えることも視野に入れています。

drupaの歴史を振り返ると、drupa2008・drupa2012ではB2枚葉インクジェット機が大きな話題でした。そして、drupa2016ではB1枚葉インクジェット機が注目の的でした。では、次回drupa2020(2020年開催)では B0(B倍)やVLF(Very Large Format)の枚葉インクジェット機が出展され、同じように大きな話題になるのでしょうか?

私は、十分に可能性はあると考えています。ただ、それは以下のような特徴を備えた印刷会社をターゲットにしたかなり尖った機種になりそうです:

  • 『B1枚葉インクジェット機 x スマート工場』という仕組みを武器に、小ロット/マスカスタマイゼーション(一品大量生産)向け紙器パッケージ印刷の仕事を十分に開拓できている(あるいは、開拓の目処がついている)印刷会社
  • ギャンギング(複数ジョブの多面つけ)のノウハウも武器である印刷会社
  • 自社が必要なスペックを機材メーカーに示すことができる印刷会社、など

こんなに尖った機種だと「drupa会場で紹介しなくても良いのでは」という声も出てきそうです。しかし、私はこういう尖った機種こそ、drupa会場に展示すべきだと考えます。印刷業界の可能性や気概を業界の内外に示すことができるからです。

この年末年始は、drupa2016を振り返りつつdrupa2020の動向を予測する記事を上げていく予定です。大掃除やおせちに飽きたら、ぜひこのブログを覗いてみてください(笑)!
(写真は drupa2016会場に展示されたB0枚葉UVオフセット機 KBA Rapida 145

2016年7月5日火曜日

KADOKAWAさん、drupa2016で何を買いましたか?

drupaで最新の印刷機材を購入するのは、印刷会社だけではありません。drupa2016期間中の6月4日、HP社から「KADOKAWAが新たに構築する書籍の製造プラットフォームに、HPのデジタル印刷ソリューションが採用された」との発表がありました。

KADOKAWAが今回購入した機材には以下のようなものが含まれます。いずれも、今回のdrupaで発表されたばかりの最新機材です:


これらの機材は、所沢市の旧所沢浄化センター跡地にKADOKAWAが建設する生産および物流の拠点に導入される予定です(2018年に稼働予定)。これらの機材を使うことで、文庫、ライトノベル、新書、コミック等の本文、口絵、表紙、カバー、帯にいたるまでを一貫生産できます。

ところで、KADOKAWAは2015年4月からアマゾンジャパンと書籍・雑誌の直接取引きを始めています。また、今回drupaで買った機材が設置される旧所沢浄化センター跡地では、KADOKAWAは「ところざわサクラタウン(仮称)」という出版という枠を超えたテーマパーク的な事業を展開する計画です。

こうした動きから、KADOKAWAはdrupa2016で購入した機材を活用して、直接消費者に書籍やサービスを提供する「B2C企業」へと進化したいのでは、と想像されます。最近、メーカーのマーケティング担当者から、「物流企業が間に入ることで、自社製品を使ってくださっている消費者の顔が見えにくくなるケースもある」というお話をお伺いすることがあります。

もしかしたら、KADOKAWAも同じような課題を持っているのかもしれません。確かに、消費者と直接取引きできれば、自社製品(書籍や雑誌)に対する評価やニーズを把握しやすくなります。一方、物流コストは下がってきていますし、デジタル印刷システムを使えば在庫を最小限にできます。こうした市場環境の中、「出版ビジネスのB2C化」を模索する動きが本格化しても不思議はありません。

2016年8月5日(金)18時15分から東京・神保町で、「最新印刷技術が切り拓くこれからの出版ビジネス - drupa2016に学ぶビジネスの可能性 -」というセミナーを開催します(企画:出版研究センター、主催:出版ビジネススクール事務局)。このセミナーでは、今回の記事で分析したKADOKAWAの取り組みにもさらに深く切り込みます。

出版分野でのデジタル印刷活用にご興味のある方、あるいは出版ビジネスの競争のルールを変えるアイデアをお探しの方、ぜひご参加ください (^ ^)

HP PageWide Web Press T490 HD
HP Indigo 50000

2016年6月30日木曜日

Elanders社さん、drupa2016で何を買いましたか?

「drupa2016で何を買いましたか?」シリーズ第2弾はElanders社(スウェーデン)です。Elandersはもともとスウェーデンの印刷会社でした。それが今では、従業者数およそ3,200人、15カ国以上でサプライチェーンマネジメント、印刷&パッケージ、eコマースなどのサービスを提供する企業へと進化しました。

drupa初日の5月31日、ElandersがLandaの商業印刷用B1枚葉デジタルインクジェット機 S10P のヨーロッパにおけるベータサイトとなることが発表されました。Landa社のリリースによれば、S10PはElanders社がドイツ国内に持つ施設内に設置されます。Elanersは、S10Pで広告関係の印刷物やカタログ、DM、高級な雑誌などを印刷する計画です。

drupa会場で、ElandersはHP社から以下の機材も契約しました:

HP社のリリースによれば、Web Pressはオフセットの仕事をデジタルに置き換えることで効率性を高めるために使われます。そして、Indigoは自動車や家電などのデータドリブンなキャンペーンで使うことが想定されています。これらの機材はドイツおよびスウェーデンのElanders社の施設に設置されます。

ちなみに、Elanders社は中国にもオフィス(北京)と印刷工場(北京・上海)を持っています。すべて空港の近くにあり、工場にはデジタル機とオフセット機が設置されています。今回のdrupaで発注・予約した機材は中国には設置されないようですが、今後Landaが北京や上海に設置されるかもしれません。

Elandersは物流を得意とする会社なので、LandaやIndigoを使った自動化された仕組みで「日本の印刷の仕事を北京や上海で受けて日本に発送する」というサービスを提供するかもしれませんね。「物流 × デジタル印刷」が切り拓く印刷サービス、まだまだ可能性が大きそうです (^ ^)

2016年6月28日火曜日

Cimpress社さん、drupa2016で何を買いましたか?

drupa2016が終わってからまだ2週間あまりですが、すでにたくさんのdrupa2016報告会が開催されています。ありがたいことに、私にもたくさんのお声がけをいただいております。ただ、時間の都合でなかなか報告会ではご紹介できないお話も少なくありません。

例えば、「印刷会社さんがdrupa会場でどんな機材を購入(予約)したか」というもの。とても面白いトピックなのですが、ここまで深掘りする機会は滅多にありません。折角なので、このブログでご紹介したいと思います。

その第1回目はCimpress社(オランダ)。1994年創業の比較的新しい商業印刷会社ですが、年商はおよそ15億ドル(1,500億円)。Vistaprint を傘下に持つ世界最大の印刷通販会社といった方がイメージが湧きやすいかもしれません。もともとVistaprintという社名でしたが、さまざまな印刷通販会社を買収したため、Cimpressという社名に変更しました。

さて、そんなCimpress社はdrupa2016でどんな機材を購入(予約)したのでしょうか。Landa社のニュースリリースによれば、まずdrupa初日の5月31日に 、Landa社の商業印刷用B1サイズ枚葉デジタル印刷機 S10P を20台導入することを発表しました。

仮に1台5億円とすると、20台100億円の投資です。ベータテストが成功裏に終わった後という条件付きではありますが、かなり思い切った判断です。導入される際には、Cimpress社用にカスタム化されるようです。

Cimpress社の「お買い物」はこれだけに留まりません。WhatTheyThinkの記事によれば、HP社の液体トナー機 Indigo 20台も購入しました(Indigo 12000と推定)。オランダ、イタリア、カナダに設置する予定で、注文したIndigoの半数以上は年内に設置されます。実は、Cimpress社はHP社製デジタル印刷機の世界最大のユーザーで、今回のdrupaで発表された PrintOS もすでに活用しています。

Cimpress社は、デジタル印刷機によって一部既存のオフセット印刷の仕事を置き換えることを考えていますが、同時に新しい仕事の獲得も計画しています。効率性重視の印刷通販会社においても、デジタル印刷の導入・活用状況はどんどん進みそうです (^ ^)


Cimpress CEO Robert Keane shakes hads with  Indigo General Manager Alon Bar-Shany
copyright: WhatTheyThink

2016年6月20日月曜日

drupa2016まとめ(その1)

2016年5月31日から6月10日の11日間、ドイツ・デュッセルドルフで世界最大の印刷機材展 drupa2016 が開催されました。私は今回、5月31日〜6月4日の5日間会場に通いました。前回(2012年)は足を踏み入れることの無かったホールもあったのですが、今回は何とか全ホール(19ホール)を取材することができました!

とはいえ、会場となったデュッセルドルフ見本市会場は、屋内部分だけでも展示スペースは262,400㎡。これは、昨秋IGAS2015が開催された東京ビッグサイト第1ホール〜第6ホールの合計(約83,000㎡)のおよそ5倍の広さ。そして出展企業数は1,837社。正直、見ていない部分の方が多そうです (^ ^;

さて、今回のdrupaでしたが、印刷物発注者そして印刷会社の課題や期待が多様化していることを背景に、展示内容も非常に多様化していた印象でした。ただ、いくつかの方向性は見えてきたように思います。その方向性は、例えば以下のようにまとめることができそうです:

  • B1 drupa
  • Inkjet drupa . . . Season 3
  • 24/7/365 drupa
  • (色+α)on paper drupa
  • 1% drupa
  • その他注目のトピック:
    • 次世代トナー機
    • 3Dプリンター
    • AR/ VR/ プロジェクションマッピング
    • 曲面に印刷
    • 印刷通販会社の出展、など

私の表現力不足で、字面をみても「何これ?」というものもあるかと思われます (^ ^; この詳細を以下のセミナーなどでご説明しますので、ご参加いただければと思います:


上記以外にもdrupa報告セミナーが企画されています。決まり次第お知らせしますので、ご都合のよろしい会にぜひご参加ください!会場でお会いできるのを楽しみにしております (^ ^)

2016年5月25日水曜日

drupa2016に向けて:その他注目の印刷・加工技術, Webサービスなど

「印刷の未来」に触れることができるのも、drupaの面白さのひとつです。
例えば、今回のdrupaでは新しい印刷物や印刷サービスを可能にする、以下のような最先端の印刷・加工技術を見ることができそうです(というか、見たいです(笑)):


また、会場では以下のようなWebサービスに関する展示も探してみます。これらと印刷(あるいはコミュニケーション)を組み合わせることで、新しくて刺激的なサービスを開発できそうだからです:

  • 機械学習
  • 深層学習(ディープラーニング)
  • 認知技術(画像認識, 音声認識, 自然言語認識, など)
  • AI(人工知能)
  • IoT/ Industrie 4.0
  • Bot、など

私はここ1年〜2年くらい、セミナーで「近い将来、テンプレートベースの印刷通販は無くなって、対話を通じてデザインする印刷通販が主流になる」というお話をしています。上記のようなWebサービスを使うことで、「対話ベースの印刷通販サービス」は実現できそうな感じです。デザインのスキルも身に付けた女子高生AIりんなちゃんが、ステキな会話をしながらナイスな印刷物をデザインする、というイメージでしょうか(笑)

印刷の可能性を広げる新しい技術は、まだまだたくさんあります。広い会場には、印刷関連の展示会では普段見かけないような最新技術が展示されているかもしれません。ぜひ、小さなブースにも目を光らせながら、新しいサービスのネタを探しましょう!

2016年5月23日月曜日

drupa2016に向けて:印刷系ソフトウェアの最新動向

drupa2016の特徴のひとつに、ソフトウェアに対する興味が高まっていることが挙げられます。印刷会社や印刷機材メーカーの方々とdrupa事前情報についてお話をしていると、ソフトウェアに言及される方がかなりの割合でいらっしゃいます。

これまでの展示会ではハードウェアばかりが話題になることが多かったので、この変化に少々驚いています。とはいえ、印刷サービスにおけるソフトウェアの重要性を考えると、この変化は当然のことです。

さて、主な印刷機メーカー(デジタル印刷機およびオフセット印刷機)やEFI社のソフトウェア関連の出品状況をまとめたのが下の4枚のスライドになります。これらから、drupa2016におけるソフトウェアのトレンドとして、以下のようなキーワードが見えてきます:
  • 統合化(end-to-end ソリューション)
  • クラウド化
  • セグメント化
  • モバイル化/アプリ化

統合化(end-to-endソリューション)やクラウド化は4年前のdrupa2012でも言われていましたが、今回はより実用的なレベルの商品として提案されそうです。一方、モバイル化/アプリ化については、米国・シカゴで2013年に開催されたPRINT13で比較的大きく扱われていたように思うのですが、今回はあまり表立って出てきていないように思います。

ただ、マーケティングやコミュニケーション分野では、注目されているというか「普通」に対応が進んでいるものです。会場では、ソフトウェアのモバイル化/アプリ化の動向もしっかり確認しましょう。

EFI社は、私が勝手に(笑)「印刷系ソフトウェアのトレンドを知る目安」にしている企業です。必ずしも最先端の技術を取り入れた製品を開発・提案している訳ではないのですが、常に広い視点から「少し先」を示す製品を紹介しているように思うからです(気のせいかもしれませんが(笑))。そのEFI社ですが、今回は以下のようなセグメント別のソフトウェアを出品するのが印象的です:
  • 印刷会社の規模別
  • 市場別(パッケージなどアプリケーション別)

印刷機や加工機が「万能なもの」から「特徴のあるもの」「自社に合ったもの」「仕事に合ったもの」へとシフトしているのにあわせて、ソフトウェアも同様に進化しているようです。また、今回のソフトウェアでは、以下の機能に注目したものが多く見られるように思います:
  • カラーマネージメント
  • マーケティング

マーケティング用ソフトウェアについては、毎回ゼロックス社のXMPieに注目しているのですが、今回も面白いものが紹介されそうです。また、リコーがこの分野のソフトウェアを積極的に展示することを発表しています。コニカミノルタも、ソフトウェアのお話にはあまり触れていませんが、ブース全体としてマーケティングをテーマにすることを発表しています。

マーケティング関連ソフトウェアは、印刷会社が自社の需要やブランドを創造することに加えて、顧客(印刷物発注企業)がその顧客(印刷会社から見れば「顧客の顧客」)との関係を深めるための有効なツールです。また、仕事をどんどん獲得し、印刷機や加工機をガンガン回すためのとても大事なツールです。
ぜひ、この分野の情報も積極的に収集・分析しましょう!

2016年5月20日金曜日

『スマート作業着』開発パートナー絶賛募集中!

国際印刷機材展 drupa2016 開催まで残り約10日となりました。
drupaに限らず、「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」や「スマート工場(考える工場)」という言葉を見たり聞いたり読んだりする機会は増えています。このような流れに乗って工場がスマートになっていく中、工場を管理する方や工場で働く方はどのように「スマート」になれば良いのでしょうか。

そこで、ブライター・レイターでは、工場スタッフの体型も含めた(!)スマート化を実現する「スマート作業着」の開発に取り組みたいと考えています。そして、開発に当たっては、以下のような最新テクノロジーの知見を持つ皆さまのご協力を必要としています:

  • パワードスーツ
  • HoloLens のような没入しない VR
  • AI(人工知能)
  • スマートヘルスケア/ HealthTech
  • MarTech (Marketing Technology)
  • FinTech、など

スマート作業着を使うことで、会社の社長や工場のスタッフは以下のようなメリットを得ることができます:

  • 年齢・性別・話せる言語・経験を問わず即戦力になる!
    • 工場の地方展開・グローバル展開が容易になる!
  • どんどん健康になれる!
    • 体型も(健康的に)スマートになる!
  • ミス・ロスがなくなる!
  • 作業効率が高まる!
  • 工場の稼働率が高まる!
  • 工場そのものがどんどんスマートになる!
  • 会社全体がスマートになる!、など

このスマート作業着、モジュールを変えたりすることで、工場以外にも以下のような「現場」での活用を想定しています:

  • 農作業
  • 福祉・介護
  • 医療
  • 教育
  • 工事・建設、など

多分に妄想混入率(笑)が高いお話しですが、せっかくの新しいプロジェクトなので大きなスケールで考えたいと思っています。市場規模も大きいように想像できますし。とても刺激的で面白いプロジェクトになること請け合いです (^ ^)

このプロジェクトにご興味をお持ちくださった方、お気軽にお問い合わせください。特に、資金提供のお申し出は大歓迎です(笑)。来年とか再来年の South by Southwest などで試作品をご紹介できたら面白いですね。

腕に覚えのある皆さま、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!

2016年5月18日水曜日

drupa2016に向けて:パッケージ向けデジタル後加工機の最新動向(アップデート版)

前回の記事B1サイズに対応したデジタル後加工機について少し触れましたが、今回はその詳細をご紹介します。

今年(2016年)3月に「drupa2016に向けて:デジタル後加工機もパッケージ分野が注目!」という記事をアップしましたが、その予想が当たったようで、その後続々とパッケージ市場(特に紙器)向けデジタル後加工機の新製品が発表されています。それらの進化のポイントとして、以下のような点を挙げることができます:

  • 大判化 = B1サイズ対応
  • 高速化
  • オフセット機対応、など

Scodix社の可変ニス加工・可変箔押し機を例に取ると、以下のように進化しています:
  • これまでの最上位機種:Scodix Ultra Pro
    • 最大用紙サイズ:B2+ (545 x 788 mm)
    • 最大加工速度:毎時 1,250枚
  • 最新機種:Scodix E106
    • 最大用紙サイズ:B1 (760 x 1060 mm)
    • 最大加工速度:毎時 4,000枚

最新機種 E106 についてScodix社の方にお伺いしたところ、UVインクを使ったオフセット印刷物へのテストを進めており、今のところ問題ないことを確認しているそうです。Highcon社の筋入れ・型抜き機 Euclid は4年前のdrupa2012時点で既に、オフセット印刷物・デジタル印刷物両方に対応しています。Highcon社の新製品 Highcon Beam の加工速度は毎分 5,000枚と、これまでの毎時 1,500枚から大きく改善されています。

また、MGI社からは輪転タイプのデジタル可変ニス加工機・箔押し機 MGI JetVarnish 3DW が発表されます。これは、最大用紙幅 420mm、最大加工速度 毎分42mというラベル向け加工機ですが、用紙厚 0.4mm までの紙も通るので紙器向けにも使えるようです。軟包装でも使えれば面白そうなのですが、シュリンクの際には熱をかけるので難しいかもしれません (^ ^;

1枚ずつ可変でニス加工や箔押しができるデジタル後加工機はとても大きな可能性が考えられる機材です。しかし、これらが実際に仕事に使えるかは、加工品質や使い勝手などを確認して判断する必要があります。ぜひ、会場でサンプルを手に取り担当者にお話をお伺いしながら、しっかり確認しましょう!

2016年5月16日月曜日

drupa2016に向けて:『オフセット印刷 x デジタル可変後加工』の可能性

今回のdrupaでもデジタル印刷が話題の中心になりそうですが、会場には最新のオフセット印刷関連機材もたくさん展示される予定です。

下図は会場でデモが予定されている主なオフセット印刷機をまとめたものですが、目を引くのは、ほとんどの機種にUV乾燥機が付けられていることです。また、各機種とも自動化・スキルレス化対応が進んでいて、「短納期・小ロットの仕事を低コストで行う」方向性にさらに磨きが掛けられていることが分かります。

もう1点興味深いのは(私だけかもしれませんが(笑))、多くのオフセット機がB1サイズ(728mm x 1,030mm, 菊全判)機であることです。今回のdrupaではB1デジタル印刷機が注目され、あわせてB1サイズ対応デジタル後加工機もいろいろと発表されそうです、例えば、ScodixやMGIからは可変ニス加工や可変箔押しが可能な機材のB1対応機が出品されます。

こうした動きを見ていると、drupa後に「オフセット印刷 × デジタル可変後加工」という印刷サービスが話題になりそうな気がします。これまでは、デジタル後加工機は「デジタル印刷物を加工するもの」という常識(というか、思い込み)がありました。しかし、今やデジタル後加工機がB1やB2サイズに対応できるようになりました。また、デジタル後加工機がオフセット印刷物に対応できるという検証も進んでいます。

こうした状況を考えると、「オフセット印刷の画質の高さ」と「可変印刷の付加価値」を組み合わせた新しい印刷サービスが可能になりそうです。drupa会場では、実際のサンプルを見ながら、その可能性をしっかり確認しましょう!

ところで、今回のdrupaではKBAブースで菊倍判機 KBA Rapida 145 のデモが行われます。2008年のdrupaではVLF(Very Large Format)が話題になりましたが、その秋に起こったリーマン・ショックやその後の消費者のスマホ・タブレット端末利用拡大を背景に、VLFは印刷機材展ではあまり話題に上らなくなりました。そのVLFのデモが行われるなんてさすがdrupaです。やはり、drupaは楽しみがいっぱいです (^ ^)

2016年5月13日金曜日

drupa2016に向けて:ハイエンドA3枚葉トナー機の最新動向

気がつけば、もう長い間ハイエンドA3サイズトナー式デジタル印刷機は、国際印刷機材展で話題の中心になっていないような気がします。2008年以降はインクジェット機にスポットライトが当たるようになり、トナー機の分野でも安価で扱いやすいライトプロダクション機が注目されるようになったことが理由として挙げられます。

ただ、ハイエンドトナー機は着々と進化を続けており、新製品も発売されています。今回もHPからIndigo 7900、コダックからは、NexPress ZX3900といった新製品が発表されます。昨秋東京で開催されたIGAS2015では、以下のような機種が発表・展示されました:

前回(2012年)のdrupa以降、ハイエンドトナー機は「多色化(5色以上)」と「長尺化」といった点を中心に進化しています。多色化では、「5色機になった」だけでなく、「5色目として用意されたトナーの色」も話題になっています。例えば、IGASで発表されたiGen5では、オレンジ/グリーン/ブルーが5色目として用意されました。HPは、蛍光ピンクのトナーを発表していました。

そして今回、コダックは白トナーを発表しました(正確には「ホワイトドライインキ」です)。白トナー対応機はライトプロダクション市場では大きな注目を集めていますが、ハイエンド市場向けにはHP以外のメーカーからなかなか新製品が発表されませんでした。

長尺化も進んでいます。確かdrupa2012の時点ではiGenが最大幅 600mm でしたが、これに対抗するコダックはNexPressで最大 900mm に対応することを発表しました。コダックはさらに、drupa2016で 1200mm に対応したNexPressを発表します。

ところで、キヤノンやリコーといった日本のメーカーもこの市場に競争力のある製品を投入していますが、HPやゼロックス、コダックといった米国系メーカーがトレンドを作っています。「5色目」の展開もあまり積極的ではない印象ですし、長尺化に関しても後追いしているように感じます。

もちろん、色数を増やしたり長尺化を進めることが必ずしも良い訳ではありません。それらの進化が、ユーザーである印刷会社や印刷物発注者にとって重要な意味を持つことが大事なのです。

drupa会場ではぜひ、「なぜ、米国系メーカーは多色化・長尺化に積極的なのか?」といった点に注目することをオススメします。そこから、新しいデジタル印刷サービスのヒントやデジタル印刷サービスで競争力を高めるヒントが得られるかもしれませんから (^ ^)

また、ハイエンド機ならではの画質の高さもしっかり確認&楽しみましょう!個人的には大量に印刷した際の画質安定性にも興味があるのですが、それはなかなか展示会では確認することはできません・・・それが実感できる展示もあったら面白いですね。
やはりdrupaは見どころがいっぱいでとても楽しみです♪

2016年5月11日水曜日

drupa2016に向けて:最新輪転インクジェット機(ハイエンド機)比較

先日、「drupa2016に向けて:最新インクジェット機のチェックポイント」という記事で、インクジェット式デジタル印刷機の進化をdrupa会場で確認するポイントを示しました。今回は、実際に会場で展示されるハイエンドの輪転インクジェット機の仕様を具体機に比較してみました。

現時点(2016年5月10日)では、この市場向けにミヤコシ、KBA、Landa、HPなどからdrupaで新製品を展示することが発表されています。このうち、ミヤコシ MJP20AX の注目ポイントは 2400 x 2400 dpi という解像度です。

先日の記事にも書きましたが、2400dpiという解像度はゼロックス社のiGenなどハイエンドトナー機と同等です。さらに、このインクジェット機はオフセットコート紙にも対応していることから、商業印刷分野への活用が期待されます。。ミヤコシは、このデジタル印刷機の実機デモを会場で行うことを発表しています。デモで実際の印刷品質を確認しましょう!

KBAは、drupa2012に続いて今回もRotaJET(KBA RotaJET 77)を展示することを発表しています。前回は、中綴じブックレットの製本インライン後加工機が多少注目されたものの、印刷速度が150m/分と特筆すべきではなかったこと、解像度が600dpiということもあってか画質の評価があまり高くなかったことなどから、日本国内ではあまり話題になりませんでした。

しかし、今回は印刷速度300m/分、解像度1200dpiと競合製品と遜色のないスペックになりました。これらが、最大用紙幅770mmという特徴と組み合わされるとどのような活用法が可能になるか、かなり興味をそそられます。こちらのデモにも参加したいと思います。

Landaは、枚葉式インクジェット機に加えて、輪転式インクジェット機 Landa W10も出品します。Landa W10の見どころとしては、例えば以下のような点が挙げられます:

  • 多色印刷の効果(8色機):ミヤコシの 2400 dpi x 4色機 との比較
  • 最大用紙幅 1050mm という特徴を最大限に活かす提案:
    • アプリケーション(印刷物の種類)や後加工機との連携、など
  • 印刷品質:200m/分という高速でベルトから適切に転写されるのか、など

ところで、輪転(連続紙用)インクジェット機のターゲット市場は、インクジェットdrupaと呼ばれた2008年当時は「帳票(トランスプロモ)」が中心でした。それが、前回(2012年)は書籍や新聞、冊子などへと拡大し、今回(2016年)は商業印刷や軟包装へとさらに広がっています。

また、ハイエンドの輪転デジタル印刷機といえば「インクジェット機」だったのが、HP社からIndigo 50000 という液体トナー機が発表されたことで、機材の多様化も進みそうです。こちらの記事でも書いたように「インクジェット版ライトプロダクション機」という動きが出てきたことで、ハイエンド機の位置付けも明確になりそうです。

まだまだこの市場の進化は続きそうです (^ ^) drupaでは、この市場の最新動向もしっかりチェックしましょう!

2016年5月9日月曜日

drupa2016に向けて:B1デジタル印刷機比較!

2014年7月に「drupa大胆予測 (1):drupa2016は『B1 drupa』に!」という記事を書いたのですが、この記事中で触れたハイデルベルグ・Landa(+小森コーポレーション)・HPという3社のB1サイズデジタル印刷機がやっと出揃いました!

ただ、予想と少し違ったのは、HP社は枚葉機ではなく輪転機(連続紙用)のB1デジタル機を発表したことです。また、想定アプリケーション(印刷物の種類)も紙器に加えて軟包装・ラベルや商業印刷など、こちらも予想と異なる結果となりました。プレーヤーという点でも、富士フイルムが(ハイデルベルグと共同開発という形ですが)3社に加わりました。

こうした「予想外」の動きから、2020年に向けてデジタル印刷はさらに盛り上がることが見込まれます。なぜなら、前回(2012年)のdrupaで注目したキーフレーズデジタルをメインストリームに」の実現につながりそうな以下のような動きが想定されるからです:

  • 輪転機の登場 = さらなる(デジタル印刷の)生産性向上
  • 想定アプリケーション(印刷物の種類)の多様化 = 多くの市場におけるデジタル印刷のさらなる活用
  • プレーヤーの多様化 = 競争による製品の洗練化、など

drupa2016で展示されるB1デジタル機は来年(2017年)から出荷される予定で、drupa時点ではまだ試作機の段階です。それでもかなり作りこまれていることは確かなので、ぜひ画質や使い勝手などご自身の目でご確認ください (^ ^)
なお、各製品の詳細はそれぞれのリンク先をご確認ください:

2016年5月6日金曜日

drupa2016に向けて:『未来の技術』が見られるブース一覧

drupa2016公式サイトの「出展企業・製品データベース」には、「Future Technologies(未来の技術)」という項目があります。今回は、この Future Technologies に登録されている企業のうち、面白そうなものをリストアップしてみました。「印刷の未来/未来の印刷」の視察も計画されている皆さんのご参考になれば幸いです。

デジタル印刷機材・後加工機材だけでも見るべきブースはたくさんあってすでに回りきれそうもない状況ですが(笑)、できるだけこうしたブースでも情報収集したいと考えています。「次の印刷サービス」のヒントがいろいろ見つかりそうですので (^ ^)






なお、以下のような『未来の技術』がまとめて展示されているコーナーもあります。お時間がない場合にはこちらに立ち寄るというパターンもありそうです:

2016年5月2日月曜日

drupa2016に向けて:"Smart" vs "24/7" 〜 後加工機の2つのトレンド

前回は後加工機材分野のトレンドセッター Hunkeler社(フンケラー, スイス)の出展内容を確認しました。では、他の後加工機材メーカーはどのような機材・ソリューションを提案するのでしょうか。

主な出展企業の発表内容をまとめたのが下図になります。基本的には、Hunkeler と同様に以下のような「スマート」な新製品・ソリューションが多く展示されます。そのため、各社ともソフトウェアを開発・発表し、中には検査システムもあわせて提案するメーカーも見受けられます:

  • バリアブル対応(1部ごとに大きさの異なる印刷物にも対応)
  • 自動化
  • 高速化

これに対して、ドイツの紙折機メーカーMBO社は、定型の仕事を「24/7」つまり24時間・週7日間連続して高速に処理できる「安定性」「耐久性」「高速性」といった点を訴求しています。この違いはどこから来ているのでしょうか?

例えば、前提とする仕事が違う点が挙げられます。
スマート派は、「1部ずつ異なる判型やページ数の書籍」といった仕事を前提としています。これに対して 24/7派は、「文庫本のような判型が同じ書籍、またロット数(部数)はある程度まとまっている」といった仕事を前提としています。

ただ、「スマート」と「24/7」は対立するものではなく、将来的には両立するものだと考えられます。HP社が思い描く「メガロット × 多品種」の仕事、あるいはインダストリー 4.0 が目指すマスカスタマイゼーション(個別大量生産)には、「24時間・週7日スマートに動く後加工システム」が必要不可欠だからです。

ところで、皆さんの会社にとって適切なシステムを選ぶポイントは何でしょう?例えば、「スマート」と「24/7」のバランスをどうれば良いのでしょうか。それを知りたい方は、ぜひブライター・レイター主催のdrupaツアーにご参加ください!締め切りは過ぎましたが、「どうしても」ということでしたらご相談に乗ります (^ ^)

2016年4月28日木曜日

drupa2016に向けて:連続紙用デジタル後加工機の動向 〜 Hunkeler社の場合

日本からもたくさんの印刷業界関係者が参加する2年に1度のイベント Innovationdays を主催するスイスのHunkeler(フンケラー)社は、連続紙(ロール紙)用デジタル印刷向け後加工機材(デジタル後加工機材)メーカーです。

Hunkelerは、今回のdrupaでも大きな存在感を示すことが期待されます。drupa向け発表資料(PDF, 英文)を読むと、特に以下の方向に進化した連続紙用デジタル後加工機が展示されることが分かります:
  • 可変対応力強化(1部づつ異なる印刷物の加工が可能に)
  • 高速化
  • 自動化

さて、Hunkelerは展示方法も特徴があります。例えば、最新機材を1点ずつ紹介するのではなく、特定市場に向けたソリューションとして展示する方法です。今回も、Hunkelerブースでは、以下のようなソリューションが紹介されます:

また、Hunkelerは、デジタル印刷機メーカーや他後加工機メーカーのブースに後加工機を置くことにも積極的です。今回のdrupaでも、例えば以下のようなブースに機材を展示し、デモを行う予定になっています:


このようにさまざまなデジタル印刷機と連携し、多様なアプリケーション(印刷物の種類)に対応した後加工機を提供しているHunkeler社ですが、例えば以下のようなカバーしていない分野も見受けられます:

  • パッケージ:紙器、軟包装ともに
  • B1・B2サイズ枚葉式デジタル機、など

もちろん、drupa会場に行けば隠し球的に展示されている可能性もあります。しかし、「連続紙のページ物(書籍・冊子・雑誌など)や新聞、DMなどの商業印刷物」のソリューション・連続紙用デジタル後加工機に特化する戦略をとる可能性も考えられます。

では、他のデジタル後加工機メーカーの「パッケージ」や「B1・B2サイズ枚葉デジタル機」向けの機材はどうなっているのでしょう?次回は、こうした部分をチェックしたいと思います。
お楽しみに!

2016年4月27日水曜日

drupa2016に向けて:インクジェット版ライトプロダクション機の可能性

drupaやIGASなどの大きな機材展では、高性能・高機能なハイエンドの機材に注目が集まります。スーパーカー(例えが古くてすみません(笑))を楽しむノリで、ハイエンド機をあーだこーだと評価するのは、正直私も大好きです(笑)。しかし、例えばハイエンドの輪転式インクジェット機は、価格もサイズも中小規模の印刷会社が導入するのが簡単ではないレベルに達しています・・・

では、中小規模の印刷会社はインクジェット機の導入を諦めなければならないのでしょうか?あるいは、大きなリスク覚悟で導入しなければならないのでしょうか。実は、drupa2016では、インクジェット機版ライトプロダクション機とでも呼べそうなセグメントの機材が展示されそうです。

ところで、国内で電子写真方式デジタル印刷機(トナー式デジタル機)の導入が進んだ背景として、いわゆるライトプロダクション機が市場に投入されたことが挙げられます。それまでのデジタル印刷機は、富士ゼロックスやコダック、HPが販売する高性能・高画質・高価格のハイエンド機が中心でした。こうした市場に、画質や機能は限られていますがその分低価格のライトプロダクション機が投入されたことで、国内のデジタル印刷市場は急速に拡大しました。

私は、インクジェット機でも同様に展開する可能性は大きいと考えています。ハイエンド輪転式インクジェット機(ハードウェア)の価格は、1台数億円です。この規模の投資ができ、さらに数年で回収できる印刷会社は限られています。

その一方で、インクジェット機のランニングコストはトナー機に比べて低く、厳しい価格競争に巻き込まれている多くの印刷会社にとっては魅力的です。これは、ハードウェアの価格が印刷会社が投資できる範囲に収まれば(あわせて画質も許容範囲内になれば)、導入が進む可能性を示しています。

drupa2016では、比較的低価格のインクジェット版ライトプロダクション機がさまざまなメーカーから提案されます。InfoTrends社は、インクジェット機のライトプロダクション市場を "Zone of Disruption"(破壊的な領域)と呼んでいます。ゼロックスが今回のdrupaで発表する Brenva HD や Trivor 2400 は、明確にこの市場をターゲットにしています(ちなみに、これら2機種は iGen の筐体を流用しています)。

インクジェット機には、理想科学工業のオルフィスやMemjet技術を活用した印刷機など、本体価格もランニングコストも低いローエンド市場があります。中長期的には、こうしたローエンド機寄りのライトプロダクション市場が立ち上げる可能性も考えられます。

会場では、ライトプロダクション機の「本体価格・ランニングコスト・画質」のバランスをぜひご確認ください。あわせて、どのくらいの本体価格・ランニングコスト・画質なら実際に導入して売り上げ・利益を伸ばすことが可能か、その際どんな仕事に使いたいかなど、インクジェット印刷ビジネスの可能性も考えてみてください。
こうした頭の体操ができるのも、drupaの魅力だと思いますので (^ ^)

2016年4月25日月曜日

drupa2016に向けて:主な出展企業のdrupa関連リリース&特設サイト一覧


drupa2016開幕まで残りおよそ1ヶ月となりました。改めて、主な出展企業のdrupa関連リリースや特設サイトをまとめてみました。ご参考にしていただければ幸いです (^ ^)

なお、これらは出展企業各社の公式サイトに掲出されているもので、印刷業界紙・業界誌などのサイトに載っているものは(あえて)カバーしていません。こうして見ると、各社のdrupa情報の発信状況にはかなり差があることが分かりますね。印刷会社の皆さん、印刷機材メーカーにWeb上での情報発信をアドバイスするサービスのチャンスです(笑)!

注)各社のdrupa公式サイト(www.drupa.com)に掲載されている情報は、「drupa2016に向けて:主な企業の出展場所一覧(ホール別)」からご確認ください。