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2016年5月2日月曜日

drupa2016に向けて:"Smart" vs "24/7" 〜 後加工機の2つのトレンド

前回は後加工機材分野のトレンドセッター Hunkeler社(フンケラー, スイス)の出展内容を確認しました。では、他の後加工機材メーカーはどのような機材・ソリューションを提案するのでしょうか。

主な出展企業の発表内容をまとめたのが下図になります。基本的には、Hunkeler と同様に以下のような「スマート」な新製品・ソリューションが多く展示されます。そのため、各社ともソフトウェアを開発・発表し、中には検査システムもあわせて提案するメーカーも見受けられます:

  • バリアブル対応(1部ごとに大きさの異なる印刷物にも対応)
  • 自動化
  • 高速化

これに対して、ドイツの紙折機メーカーMBO社は、定型の仕事を「24/7」つまり24時間・週7日間連続して高速に処理できる「安定性」「耐久性」「高速性」といった点を訴求しています。この違いはどこから来ているのでしょうか?

例えば、前提とする仕事が違う点が挙げられます。
スマート派は、「1部ずつ異なる判型やページ数の書籍」といった仕事を前提としています。これに対して 24/7派は、「文庫本のような判型が同じ書籍、またロット数(部数)はある程度まとまっている」といった仕事を前提としています。

ただ、「スマート」と「24/7」は対立するものではなく、将来的には両立するものだと考えられます。HP社が思い描く「メガロット × 多品種」の仕事、あるいはインダストリー 4.0 が目指すマスカスタマイゼーション(個別大量生産)には、「24時間・週7日スマートに動く後加工システム」が必要不可欠だからです。

ところで、皆さんの会社にとって適切なシステムを選ぶポイントは何でしょう?例えば、「スマート」と「24/7」のバランスをどうれば良いのでしょうか。それを知りたい方は、ぜひブライター・レイター主催のdrupaツアーにご参加ください!締め切りは過ぎましたが、「どうしても」ということでしたらご相談に乗ります (^ ^)

2014年1月29日水曜日

後加工機が印刷会社の受注できる仕事を決める!?

「所有している後加工機で、印刷会社の受注できるオンデマンドの仕事は決まる」

これは、ある印刷会社のデジタル印刷サービス責任者の方からお伺いした言葉です。確かに、オンデマンドの仕事では外注に出す時間的な(あるいは利益的に)余裕がない場合が多くあります。そのため、後加工まで含めて内製化できる仕事が、受注できる仕事内容になります。

改めて考えると、最近ではオンデマンド性が求められる印刷の仕事が増えています。ということは、先ほどの発言は「所有している後加工機で、印刷会社の受注できる仕事は決まる」と言い換えることも可能になりそうです。もちろん、納期(そして利益率も)を十分に確保できる仕事については、この言葉は必ずしも当て嵌まりません。しかし、そうした仕事は、皆さんもご存知の通り、減ってきています。

昨秋(201311月)に全印工連から「印刷産業性長戦略ビジョン2013 『印刷道』〜 ソリューション・プロバイダーへの深化 〜」が発行されました。この中で「ソリューション・プロバイダーの6類型」という、印刷会社が進化し得る6種類の方向性が示されています。このうちどのパターンを選んだとしても、オンデマンド印刷が含まれるサービスを提供する場合には、所有する後加工機がそのサービス内容に大きな影響を及ぼしそうです。

一昨年に開催されたdrupa2012以降、オンデマンド後加工機に対する注目も高まっています。昨年開催されたJGASでは製本の分野を中心にオンデマンド後加工が、ラベルエキスポヨーロッパではシール・ラベルのオンデマンド後加工ソリューションが大きな話題となりました。

今後は、これらの分野に加えて、市場の拡大が見込まれるパッケージ分野、あるいはさらなる効果・効率の向上が求められるDM分野などにおいて、面白いオンデマンド後加工ソリューションが出てきそうです。後加工ソリューションの進化に伴い、印刷会社の事業がどのように展開していくのか、とても楽しみです (^ ^)