印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2023年1月19日木曜日

「週刊朝日の休刊」に印刷会社が学べること

 2023年1月19日、朝日新聞出版週刊朝日の休刊を発表しました。週刊朝日は1922年創刊の「日本最古(創刊100年)の総合週刊誌」で、2022年12月の平均発行部数は74,125部。今後は、ニュースサイト AERA dot.書籍部門に注力していくとのことです。

朝日新聞出版は「AERA」という週刊誌も出していますが、こちらは AERA dot. との連携を強め、ブランディング強化をはかります。なお、媒体資料によればAERAの平均出版部数は54,491部(2022年7月〜9月の平均印刷部数)、コア読者は「30代〜50代の都市で働く男女」です。

この発表から印刷会社が学べることとして、例えば、「日本最古」「創刊100年」「総合」といった表現は必ずしも読者にとって魅力的ではないことが挙げられます。また、出版社が雑誌の継続を判断する際、それらの表現は絶対的なものではないことも見えてきます。出版社にとっては、月間ユニークユーザ数約910万(2022年7月〜9月平均)のWebメディア AERA dot. との相性の良さの方が大事なようです。

日本には「創業100年の総合印刷会社」が数多く存在します。また、「歴代の担当者が長年引き継いできた印刷の仕事」もたくさんあります。もちろん、その多くは市場のニーズに沿って進化してきました。

ただ、コロナ禍や物価上昇などで市場環境が大きく変化する中、会社の持続性を高める/持続的に仕事を受注するためには、さらなる進化が求められます。その方向として、Webとの連携強化とサステナビリティ向上を同時に実現する「サステナブル・ソリューション・プロバイダー(SSP)」などが考えられます。

ぜひ、2023年はSSPに進化して、顧客そして自社の売上・利益増大を実現しましょう!


2023年1月16日月曜日

スマートな印刷工場のつくり方

 昨年(2022年)11月に開催された国際印刷機材展 IGAS2022 では、「スマートファクトリー」がキーワードのひとつでした。ところで、「スマートな印刷工場」とは何でしょう?ブライター・レイターでは、以下のように考えます:

* ICT技術を活用した、持続的なスマート化(省力化・自動化・省人化、スキルレス化、働き方改革など)を実現できる印刷工場

* その実現には、以下のようなポイントを意識することが重要:

1)印刷機材をスマート化する
2)工程間連携をスマート化する
3)オペレータをスマート化する
4)持続的にスマート化する


1)印刷機材をスマート化する:

IGAS2022では、ネットワークへの接続機能や検査システム、AI(人工知能)などを搭載した高機能 = スマートな最新機材が数多く提案されました。スマートな印刷工場には、こうしたスマートな印刷機材が不可欠です。ただ、必ずしも機材を最新のものに置き換える必要はありません。既設の機材に検査システムや電流・振動・音などを測定するシステム、通信機能などを後付けすることで、スマート化することも十分可能です。


2)工程間連携をスマート化する:

印刷工場内の工程関連連携をスマート化することで、仕掛品の滞留時間削減など生産効率を高めることが可能になります。IGASでも、協働ロボットやAGVを活用して工程間連携をスマート化するデモが様々なブースで見受けられました。

工場内に加えて、上流工程の営業・制作などとの連携をスマート化することも重要です。最近、デジタルマーケティングと印刷物との連携への注目が高まっていますが、その効果・効率を高めるためには、上流工程とのスマートな連携も求められるからです。


3)オペレータをスマート化する:

紙捌きロボットなど、ITを活用してオペレータの負荷を軽減する様々な機材やシステムがIGASで提案されました。また、ARやVRなどを使ったトレーニングや機材のリモートサポートも紹介されました。

物価上昇を受けて、政府は企業に対して賃上げを要請しています。こうした動きに対応しつつ、スマートな印刷工場の運営に必要な人材を確保・育成するためには、オペレータのスマート化も大切です。


4)持続的にスマート化する:

顧客や「顧客の顧客」もDX化/スマート化に取り組むなど、市場全体のスマート化も進んでいます。こうした動きに着いていく、あるいは先んじるためには、持続的に印刷工場をスマート化することも不可欠です。そのためには、印刷機材・工程間連携・オペレータのスマート化レベルを常に測定・把握し、改善する仕組みを組み込むことも必要です。


今年(2023年)もペーパーレス化や資材費・燃料費・人件費上昇など厳しい市場環境となることが見込まれます。印刷工場のスマート化も進めることで、ぜひ売上・利益増大を実現しましょう!

2023年1月4日水曜日

印刷会社さまへの2023年提言:もう一度、未来を破壊しよう!

明けましておめでとうございます。
旧年中も大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願いいたします。

さて、コロナ禍以降印刷市場も大きく変わりました。例えば、非対面化・オンライン化・DX推進などの流れが強まる中、商業印刷・出版印刷・事務用印刷など多くの分野で『ペーパーレス化』が大きく進み、印刷市場が縮小するペースも早まりました。このペーパーレス化のトレンドは、残念ながら、2023年以降も続くことが見込まれます。原料やエネルギーコストも高騰しています。

この厳しい市場環境を乗り越えて印刷会社さまが売上・利益を増大させるためには、「サステナブル・ソリューション・プロバイダー」(Sustainable Solutions Proviver, SSP)へと進化することが不可欠だと、ブライター・レイターでは考えます。SSPとは、「顧客の売上・利益増大に貢献しながら、地域の経済・社会・環境問題も解決する」印刷会社さまのことです。

ところで、私は「未来を破壊する」という本を2012年に翻訳しました。皆さまの中にも、拙訳書をお読みいただいた方がいらっしゃるかと思います。この本では、印刷会社さまが印刷物を提供する「プリント・サービス・プロバイダー(PSP)」から顧客のマーケティングを支援する「マーケティング・サービス・プロバイダー(MSP)」に進化することで、(印刷会社さまにとって)厳しく暗い「未来を破壊」できることを紹介しました。

そのMSPからSSPへとさらに進化すること。これが、厳しい状況に直面する印刷会社様が「もう一度、未来を破壊」して売上・利益増大を実現する、重要なポイントです。SSPへの進化にあたっては、地域の経済・社会・環境問題への理解を深めるとともに、「AI(人工知能)」「(AR・VRなど)XR」「バイオマス利用技術」といった新しい技術や「知的財産」などを適切に活用することも求められます。

SSPとしての活動を具体化させるヒントとして、例えば「30by30(サーティ バイ サーティ)」があります。30by30は、昨年(2022年)12月にカナダで開催されたCOP15(国連の生物多様性条約締約国会議)で採択された世界目標のひとつで、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとするものです。

30by30で興味深いのは、「健全な生態系の保存」と「地域の経済・社会・環境問題の同時解決」の両方が視野に入っている点です。つまり、生態系を保護しながら、食や健康・いやし・脱炭素などを通じて、売上・利益も伸ばしていこう!という活動になります。これは、「もう一度、未来を破壊する」ことを目指す印刷会社にとって、参考になる考え方です。

SSPへと進化して、「もう一度、未来を破壊する」。ブライター・レイターは、そのための情報提供・サービス提供に一層注力することで、皆さまそして皆さまの顧客の売上・利益増大に貢献する所存です。

改めて、本年も何卒よろしくお願いいたします!