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2014年7月24日木曜日

drupa大胆予測 (1):drupa2016は『B1 drupa』に!

IPEX2014が閉幕して間もない4月上旬、印刷機材業界の巨人ハイデルベルグ社がデジタル印刷市場向け戦略を発表しました。この中では、「インクジェット方式の商業印刷/パッケージ印刷市場向けシステム開発に着手すること」にも触れられています。

そして、このインクジェット機には、どうやらB1サイズの枚葉機が含まれているようです。ハイデルベルグ社からの発表資料では触れられていませんが、会見でハイデルベルグ社デジタル印刷部門シニアバイスプレジデントJason Oliver氏が言及されたようで、海外メディア(例えば、PrintWeek誌など)はこぞって取り上げています。

そういえば、昨秋(2013年9月)には、Landa社が紙器パッケージ市場向けB1サイズ枚葉インクジェット機 Landa S10FC Nanographic Printing Press のβサイトを2014年第4四半期に設置することを発表していました。

また、drupa2012の際にHP社ブースにいらっしゃった説明員(技術者)の方に「IndigoってB1サイズも印刷できるの?」とお伺いしたら「うん、技術的には可能だよ」というお答えをいただきました。「じゃ、何で今回はB2機(注:Indigo 10000/ 20000/ 30000)を出したの?」「マーケティングの人たちが『今回はB2機でいく』と決めたから」というお話しもお伺いできました。つまり、HP社も市場が盛り上がるようならB1サイズ枚葉機を出してきそうです。

もし、drupa2016でハイデルベルグ・Landa・HPが揃ってB1サイズ枚葉デジタル印刷機を展示したら、そのインパクトはかなり大きいと思います。その場合、drupa2016が『B1 drupa』と呼ばれる可能性は十分にあると考えています。

さて、B1 drupaが実現した際、私は以下3つの反応に注目したいと思います:

  1. パッケージ印刷会社の反応
  2. 後加工機メーカーの反応
  3. B2サイズ枚葉デジタル印刷機メーカーの反応
昨今の印刷市場動向から考えて、各社のB1枚葉デジタル機はパッケージ市場をターゲットにしたものとなるでしょう。パッケージ市場でも小ロット化が進んでいて、デジタル印刷機への注目が高まっているというお話しはお伺いします。

ただ、実際に数社から発表されたB1サイズのデジタル印刷機を見て、紙器パッケージ印刷会社がどのような反応を示すのか。「面白い!すぐ買おう!!」となるのか「うーん、もう少し様子見かな」となるのか。その反応に注目したいと思います。

また、後加工機メーカーの反応に要注目です。特にパッケージの印刷の仕事は、刷って終わりではなく加工が必要不可欠です。『抜き(カット)』については、型を使わずに高い生産性で作業できる、小ロットに適した機材が増えてきています。しかし、『筋入れ』については型無し&高生産性を両立する機材はなさそうです(私が不勉強なだけかも知れませんが (^ ^; )。

「デジタル印刷で紙器パッケージ」という市場を開拓するためには、後加工機メーカーの協力も大切になります。drupa2016会場で、後加工機メーカーがどのような小ロットパッケージ市場向けソリューションを提案するのか。こちらにも注目しましょう。

そして、B1機が出てきた時に、B2機はどのような位置付け・役割で提案されるのか、という点にもぜひ注目したいと思います。B2機が出てきた結果、従来(そして現在も)広く使われているA3サイズ枚葉機は、生産性よりも機能性が訴求されるようになりました。では、B1機とB2機の棲み分けはどうなるのでしょう?drupa会場では、B2機を販売する機材メーカーの提案にも注目です。

番外編として、来年9月に東京で開催されるIGAS2015にも注目しましょう!さらなるデジタル印刷の大判化・対応するアプリケーションの多様化が進みそうな drupa2016に向けて、どのような展示・セミナーが開催されるのか。折角なので、刺激的な展示会にしていただければと思います (^ ^)