印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2011年8月26日金曜日

2011年8月度新規サービス基本戦略立案ワークショップのご案内:8月24日(水)、8月26日(金)

ブライター・レイターでは、8月24日(水)・8月26日(金)に新規サービス基本戦略立案ワークショップを開催いたします。以下の方のご参加をお待ちしております:

  • 新規サービスのアイデアを形にしたい方
  • 企画中の新サービスを企画書やご提案書に落とし込みたい方
  • 新規サービスの企画力を高めたい方、など

詳細は、こちらまでお問い合わせ下さい:yamashita@BrighterLater.jp (担当:山下)
ご検討のほど、何卒宜しくお願いいたします!



2011年8月19日金曜日

国内フォトブック市場の世界シェア

フォトブック普及協議会が発表しているデータと7月に開催された『HPフォトビジネスセミナー』で使われたデータを組み合わせると、2010年における日本国内のフォトブック市場規模(冊数ベース)は世界全体の8.6%を占めていることが分かります。この比率について、皆さんはどのようにお感じになりますでしょうか?

私は、「高い比率」だと思いました。国内のフォトブック市場には、デジタル印刷機だけでなくミニラボを使って制作されたものも含まれています。また、海外市場の定義も、国内とは必ずしも一致していないと思われます。こうした状況を考慮したとしても、「高い比率」だと思います。日本市場が世界の数%を占めるデジタル印刷サービスは、それ程多くないと思われるためです。

また、日本市場シェアの推移をみても、増加傾向にあることが分かります。確かに、国内市場規模はフォトブック普及協議会が予測するように急速に伸びてはいません。しかし、日本市場シェアの推移を見る限りでは、少なくとも他市場と同じ程度かそれ以上に伸びていることが分かります。

同時に、デジカメやカメラ付き携帯電話の広まりによって、国内フォトブック市場の拡大の余地は大いにあります。こうした事業機会を上手くとらえて更に市場を大きく伸ばすことができれば、日本が世界のフォトブック市場を牽引する可能性も十分あります。

フォトブック市場には、「日本はデジタル印刷が遅れている」という決まり文句をひっくり返すポテンシャルがあるようです。また、フォトブック市場に取り組むことで、印刷会社は『BtoC型サービス』という広大で利益率も高い市場を開拓することも可能となります。

今年の夏休みに、沢山の写真を撮られた方も多いかと思います。また、この秋も残暑の頃は涼を求めて、その後は紅葉を楽しみにデジカメ片手に旅行される方も少なくないでしょう。こうした方々にフォトブックを作っていただくサービスを開発・提供することは、印刷会社さらには日本の印刷業界全体が、新しい世界をかいま見る良い切っ掛けになるかも知れません。


2011年8月2日火曜日

フォトブックに対するニーズ比較:パパママ写真家 vs カメラ女子・ハイアマチュア

デジタル印刷機の画質が高まってきていることで、フォトブック市場に興味を持たれている一方、市場が期待されたように立ち上がっていない現状に新規参入を躊躇されている印刷会社も多いのではないでしょうか。

しかし、デジカメ片手に夏休みを楽しんでいる方々をみながら、フォトブック市場の可能性を改めて感じている方もいらっしゃるかと思われます。そうした方々には、新たなターゲット顧客を設定することで、フォトブック市場を切り拓く方法をお薦めしたいと思います。

これまでは、家族の写真をフォトブックにする『パパママ写真家』(富士フイルムでは『子育てママ層』と呼ばれています)をターゲットにしたサービスが多かったと思います。ここで、例えば、カメラ女子やハイアマチュア(富士フイルムでは『アドバンストアマチュア』)をターゲットにしたサービスを企画するはいかがでしょうか。

多分、人口を比較すると、パパママ写真家の方がカメラ女子やハイアマチュアよりも圧倒的に多いと思われます。しかし、カメラ女子・ハイアマチュアの方が『高い品質を求める = 比較的高額なフォトブックを制作する』、あるいは『制作冊数も多い』と考えられます。これは、カメラ女子・ハイアマチュアの撮影目的が『作品制作』であり、またフォトブックの作成目的として『作品を仲間に見せたい(自慢したい)』というものが考えられるためです。

現在、カメラ女子やハイアマチュアを明確なターゲットにしたサービスはあまり見受けられません。この状況をチャンスと捉え、市場開拓に取り組んではいかがでしょうか。尚、上記の分析は私の主観的な仮説であって、市場調査の結果ではないことにご注意ください。どなたかご依頼いただければ、より詳細な調査・分析も行います!


3Dと印刷の関係:印刷技術懇談会7月例会より(続)

すっかり間が空いてしまい申し訳ありませんが、前回の続きとして、『3Dと印刷の関係』について書きたいと思います。

セミナーでは、3Dは『分かり易い』とか『楽しい』という理由で、トレーニングや広報、ショールームでの接客など幅広い領域で使われているというご説明がありました。ただ、3D映像を存分に楽しむためには、パソコンのスペックを高める必要があるというお話しもありました。

印刷は、このギャップを埋めるという役割を果たすことができるのではないでしょうか。例えば、紙の研修資料に3D技術を使って制作した画像を取り込むことで、更に分かり易くすることができると思われます。また、ショールームで3D体験を楽しまれたお客様がお帰りになられたあと(あるいはお帰りの際に)、3D画像を印刷したパーソナライズされた販促資料を制作・ご送付(お渡し)することも可能でしょう。

3Dコンテンツは分かり易く楽しいものですが、現在のテクノロジーでは、気軽に楽しむことができません。これに対して、紙の資料は気軽に持ち運んだり目を通したりできますが、3Dコンテンツを楽しむことは難しい状態です。このように、3Dと紙はお互いの長所を生かし、短所を補い合う関係にあると考えられます。

印刷サービスは、デジタルの技術と相互に補完し合うことで、まだまだ付加価値を高める余地はありそうです。顧客の事業において新たなデジタルへの取り組みが進む中、印刷会社にとってデジタルを脅威ではなく事業拡大のチャンスと捉える視点が重要になるかと思います。

例えば、3Dとは関係ありませんが、東日本大震災を切っ掛けに国内でも大きな注目を集め始めた Facebook や Twitter、Google+ などのソーシャル・サービス。これまでは CtoC の利用が中心で、最近少しずつ BtoC での利用が広まっています。これから、BtoB へ活用する取り組みも増えてくるでしょう。こうしたサービスに積極的に取り組むことも、印刷会社にとって差別化の大きなポイントになるかもしれません。

とはいっても、私もまだこの領域は全く詳しくありません・・・これから勉強していって印刷業界を活性化する使い方などがみえてきましたら、改めてこのブログでご報告したいと思います。印刷市場活性化の切っ掛けは、いろんなところに見付かりそうです。