印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2018年5月15日火曜日

パリ五月革命ポスター

50年前(1968年)の5月、パリで五月革命が起こりました。学生が求めた教育制度改革を政府が拒否したことに端を発し、フランス全土へと革命は広まりました。フランスの調査会社IFOPが昨年11月に発表した世論調査結果によれば、国民の78%がこれを「重要な出来事」だと評価していることからも、その影響の大きさが伺えます。

五月革命の際、たくさんの人を巻き込み連帯感を育んだメディアのひとつにポスターがあります。日々状況が変わる中で慌ただしくつくられたため、その多くが単色でデザインやメッセージもシンプル。印刷方法は主にシルクスクリーンですが、学生など職人ではない人たちが刷ったため、曲がって印刷されていたり一部がこすれてしまっていたり。

しかし、そんなポスターは荒々しさも含めとても魅力的で、多くの美術館やアートコレクターが収集しています(私もわずかですが集めています)。今年は革命50周年ということで、五月革命ポスターを集めた展覧会もパリのエコール・デ・ボサール(2018年2月21日〜5月20日)で開催されています。

50年経っても世界中でたくさんの人に愛される印刷物をつくりたい。毎年5月はそんな気持ちを新たにする季節ですが、今年は特に強く感じます。

2018年1月11日木曜日

Sex, Prints, Rock'n Roll!

ブライター・レイターは2018年の基本方針を「Make Prints Attractive Again!(印刷物を再び魅力的にしよう)」としています。では、2018年における魅力的な印刷物とは何でしょう?

まず、デジタル化が進むマーケティングやコミュニケーションと相性が良い印刷物(略して「デジタルと相性の良い印刷物」)が挙げられます。最近では、印刷物発注企業においてWebとリアルの両方を組み合わせてより良い顧客体験を提供しようとする動きが高まっていることから、リアルでのコミュニケーションメディアとしての印刷物には大きなチャンスがあります。

具体的には、例えば Data Driven な印刷物とか。あるいは、活版印刷物とか。人々は、デジタル化が進むとその対極にある手仕事の良さに惹かれます。活版印刷物は、こうした人々の気持ちに刺さることから、アナログなのにデジタルと相性が良かったりします。

ところで、ニューヨーク大学スターンスクール(経営大学院)のスコット・ギャロウェイ教授の著書 "The Four" によれば、「人々のセックスアピールへの欲求を満たしている」ことがアップル社が成功している理由だそうです。アップル製品は、あなたを性的な競合相手よりもっと魅力的(エレガントで華やかでリッチで情熱的)にするでしょう:これが、アップル社がマーケティングやプロモーションを通じて伝えているメッセージとのこと。

"The Four" には、これはさまざまな高級ブランドの最近のメッセージにも共通するものだとも書かれています。ということは、「セクシーな印刷物」はブランディングに大きく貢献できそうです。

「セックスアピール度の高さ」「セクシーさ」と聞いて私が思い出したのは(音楽の)ロックでした。このブログツィッターで #ロックな印刷物 をいろいろご紹介していますが、魅力的なロックには、アルバムジャケットやポスターを含めてどこか下半身を刺激するものがあるような気がします。私が下品なだけかもしれませんけど(笑)。

2018年は、デジタルと相性の良い、そしてアップル製品やロックンロールのようにセクシーな「魅力的な印刷物」をどんどん提供・活用しましょう!

2017年4月24日月曜日

ロックな印刷物:#ギタマガベーマガ表紙 コラボ 2017年5月号

個人的な話で恐縮ですが、最近何十年か振りにギターを手に入れました。「ジャカジャカかき鳴らす楽しさは昔と変わらないなぁ」と思いつつ、手首のかたさやリズム感のなさも昔と変わらないことにガッカリしています(笑)

あわせて、ギター雑誌も(同じく何十年か振りに)手に取るようになりました。皆さんもご存知の通り、バブル崩壊以降雑誌市場は縮小傾向にあります。ギター系を含む音楽雑誌でも休刊・廃刊となったものは少なくありません。書店の音楽雑誌コーナーも、昔に比べると随分と小さくなった気がします。

 そんな状況に抗うように、ギター・マガジンベース・マガジン(ともにリットー・ミュージック)が2017年5月号で「表紙コラボ」という面白い企画を行っています。両誌の表紙を並べると1枚の大きな写真になるというもので、ともにフェンダー特集号ということで実現したものだと思われます。ちなみに、この写真は岡田貴之さんという写真家さんが撮影されました。カッコイイですよね♪

本屋さんでこの2誌が並んでいたらとても目立ちそうです。音楽雑誌に特に興味のない人の目も引きそうです。また、どちらかを目当てに来たのに、ついつい両方買ってしまう人も出てきそうです。実際、TOKIEさんファンの私もこの作戦にまんまとはまり、両誌をセットで買いました(笑)

ただ、ウチの近所の本屋さんではこの「表紙コラボ」に気がついていないのか、残念ながら別々の場所に置かれていました・・・折角の良い企画を実売にもつなげるためには、本屋さんにも企画に気がついてもらう&しっかり活かしてもらう働きかけも必要そうです。

話題性の高さや店頭でのインパクトを意識した「表紙コラボ」は、これから増えていくかもしれません。今回は同じ出版社での企画でしたが、キャンペーンの規模によっては、出版社の枠を超えた「表紙コラボ」の可能性も考えられます。

一方で、「表紙の広告枠化」については慎重なところもありそうです。何せ、表紙は雑誌の顔ですから。ただ、こういう企画があるとお店に行く楽しみが増えるので、個人的には(時々で構いませんの)実施していただきたいです。

今年のゴールデンウィークはロックな印刷物についてのディープな情報を集めつつ、ギターの練習にも励みたいと思います!

追記:今年のゴールデンウィーク前半(2017年4月25日〜5月1日)、この写真を使ったフォトブースが西武渋谷店A館1階に設置されます。フェンダーのギターとメガネを扱うポップアップストアのプロモーション用で、B館5階には試演奏室も設置されるとのこと。フェンダー、攻めてて良いですね!

2017年3月29日水曜日

ロックな印刷物:"Their Satanic Majesties Request" by The Rolling Stones

1967年末、ローリング・ストーンズはアルバム「サタニック・マジェスティーズ」(原題:Their Satanic Majesties Request)を発表しました。このアルバム、ジャケットにサイケデリックな時代の香りがぷんぷんする(笑)魅力的なレンチキュラー(3D印刷)が使われています(サイズ:およそ8インチ(20cm)角)。

おそらく、このアルバムはレンチキュラーがジャケットに使われた世界で最初のものだと思われます(注:きちんと調べていないので、間違っていたらごめんなさい)。ちなみに、メジャーな映画で最初にレンチキュラー製宣伝用ポスターが使われたのは、スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」(1968年公開)と言われています。

さて、「サタニック・マジェスティーズ」に使われた3D印刷物は、米国・ニューヨークのVari-Vue社(1953年設立)が印刷したものです。Vari-Vue社はレンチキュラー用のレンズや印刷方法を独自に開発し、ビルボード(大型看板)や大統領選のキャンペーン用バッジなどをレンチキュラーでつくったりしていました。

このアルバムは、ジャケットだけでなく収録曲も魅力的です。Apple社が1998年に発表したパソコン iMac のCMに使われた She's a Rainbow は、このアルバムの曲です。「ブルースじゃない(ストーンズらしくない)」という理由からストーンズファンの評価は必ずしも高くはありませんが、私はサイケデリックでカラフルだからという理由で大好きです(笑)。ぜひ一度、ステキなジャケットと一緒に曲も楽しんでください。サイケな世界にどっぷり浸れますよ♪

2017年2月20日月曜日

ロックな印刷物:"Love Festival Poster" @ UFO Club

ロンドンで1967年の夏に花開いた "Summer of Love" は、まだ寒い頃から着々とエネルギーを蓄えていました。その苗床のひとつがUFOクラブです。

UFOは1966年12月に開店し1967年10月に閉店した短命のクラブですが、デビュー前のピンク・フロイドソフト・マシーンがライブ&ライトショーを行ったり、ロンドン滞在中のジミ・ヘンドリックスが演奏したという伝説があったりするスゴイところです。

UFOクラブはイベント告知用ポスターのデザインの良さでも群を抜いていて、この "Love Festival" のポスターはその代表的なもののひとつです。2017年2月10日と17日に行われたイベント告知用ポスターで、白地にシルクスクリーンでピンクと赤のインクで印刷された技術的にはシンプルなものです。

しかし、30インチ x 40インチ(約 75cm x 100cm)というサイズと、とてもポップなデザインで、寒くて暗い冬のロンドンの街を華やかに彩ったことは想像に難くありません。こんなポスターが貼られた街角を実際に歩いてみたかったです。もちろん、デビュー前のソフト・マシーンのライブも目の前で楽しみつつ (^ ^)

ところで、ピンク・フロイドのライトショーといえば、2014年にUFOクラブでのショーを再現したイベントがロンドンで開催されました。また、ピンク・フロイド展 @ ヴィクトリア&アルバート博物館(2017年5月13日〜2017年10月1日)でも、カスタムデザインされたレーザーライトショーが行われるようです。

デヴィッド・ボウイ大回顧展も日本に来ましたので、このピンク・フロイド展も同じように日本でも開催されることを期待しましょう!もちろん、その前にロンドンで見る機会があったら見逃さないようにしましょう♪

2017年2月3日金曜日

ロックな印刷物:IT (International Times) #6, Paul McCartney Cover

今から50年前の1967年、4人のビートル(ビートルズのメンバー)のうち一番アバンギャルドだったのはポール・マッカートニーでした。他の3人がロンドン近郊に居を構えて世間と少し距離を置いている中、ポールはロンドンのど真ん中、アビーロードスタジオ近くに住み、アンダーグラウンドシーンの重要人物達と積極的に交流を深めていました。

その成果のひとつが、こちらの IT (International Times) 第6号(1967年1月発行)です。ITは1966年に創刊されたロンドンの(主にアンダーグラウンドの)イベントを紹介していた新聞です。ロンドンのぴあみたいなもので、Time Out よりも前に創刊されています。

ポールはITの発行者とも懇意にしていたのですが、ある日その人から「お金が無いんだけどどうしたら良いと思う?」と相談されました。まだITは創刊されたばかりで、印刷も編集部の片隅で編集者やデザイナーが自分たちで行っているような頃でした。

「僕のインタビュー記事を載せたらどう?そうすれば、レコード会社から広告も取れるようになるから」。こう答えたポールのインタビュー記事が掲載されたのがこの号でした。その後、1967年6月にビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を発売した時には、IT 14号にこのアルバムの全面広告が出ました。また、このアルバムの発売元 EMI は、その後ピンク・フロイドのデビューアルバム「夜明けの口笛吹き」の広告などもITに出稿しています。

このインタビューの数ヶ月前、ビートルズは武道館で伝説的なコンサートを開いています。そんなスーパースターが創刊したばかりのアングラ新聞/雑誌の広告を取るお手伝いをするなんて、ほとんど例がないと思います。少なくとも、日本では聞いたことがありません。でも、そんな奇跡のようなことが、当時のロンドンでは起こっていました。

スウィンギングロンドン時代の印刷物に魅力的なものが多いのは、こうしたステキな人間関係が背景にあったからかもしれませんね (^ ^)

2017年1月20日金曜日

ロックな印刷物:John Lennon Psychedelic Poster by Richard Avedon

1960年代後半はポスターの魅力が大きく高まった時期です。このサイケデリックなジョン・レノンのポスターもこの時期に印刷・販売されました。アメリカのファッション写真家リチャード・アヴェドンが1967年8月に撮影した写真が使われたこのポスターは、アメリカだけで25万枚以上売れ、その成功を受けてヨーロッパや日本でも販売されました。

このポスターはサイケデリックな色でプリントされた写真をもとに作られていますが、その写真はもともと白黒フィルムで撮影されていました。では、パソコンもない時代にどうやって白黒フィルムからカラフルな紙焼きを作ったのでしょう?

アヴェドンはまず使う写真を選び、その写真の白黒ポジフィルムを作りました。続いて、その白黒ポジフィルムとカラーフイルターなどを組み合わせてカラーポジフィルムを作りました。この段階では、白黒写真をカラーフィルター越しに見ているような状態です。普通のカラー写真とは異なる面白い効果が出ていますが、まだまだサイケデリックさが足りません(笑)。

次に、アヴェドンはカラーポジフィルムのソラリゼーションを行いました。露光の際には、さまざまな色の光を使って実験しました。また、メガネの部分にも白黒とカラー2枚のネガを少しズラして重ねる(版ズレが起こったような状態)という工夫をしています。この段階でかなりサイケデリック度は高まっています。

最後に、ダイトランスファーという手法で紙焼きを作りました。その際、サイケデリックな効果をさらに高めるために、ラボのプリント担当者は特別につくった染料を開発・使用しました。アヴェドンという稀代の写真家と優秀なラボの職人が本気で創った写真をもとにしたポスターが、素晴らしくない訳はありません。

ところで、このポスターはアメリカ・イギリス・ドイツ・オーストリア・スイス・日本で販売されました。国ごとにサイズもまちまちだったりしますし、また当時は大きなポスターを大量に輸出したり輸入したりするのも大変だったでしょうから、各国で印刷されたと考えられます。その場合、それぞれのポスターごとに違った味わいがありそうです。ぜひ一度、各国版を一堂に集めてそれぞれの味をじっくり楽しんでみたいものです (^ ^)


2017年1月11日水曜日

ロックな印刷物:"Velvet Underground & Nico" アルバムジャケット

1960年代、アメリカでポップアートが大きく花開きました。その中心人物の一人だったアンディ・ウォーホルはこの時期に、「キャンベル・スープ」「マリリン」「エルヴィス」「フラワーズ」といった代表作を描き、「チェルシー・ガールズ」「エンパイア」「スクリーンテスト」といった映画も製作しました。

ウォーホルはまた、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビューアルバム「Velvet Underground & Nico」(1967年)のプロデュースも手掛けました。このアルバムジャケットには、ウォーホルのシルクスクリーン作品「バナナ」とウォーホルの名前スタンプが使われています。

最初に製作されたバージョンではこのバナナはシールになっていて(ちなみに、印刷はシルクスクリーン方式)、貼ったりはがしたりできます。そしてバナナシールをはがすと、その下からはピンク色の新鮮な果肉が現れる仕掛けになっています。しかし、すぐにこのシール式ジャケットは直接バナナを印刷する方式(つまり、シールではないタイプ)に変更されました。

ところで、このバナナシールを使ったジャケットを製作するにあたり、特別な機械が開発されたと言われています。一方、人が手作業で貼っていったという説もあります。私は「手作業説」支持派です。当時の技術では、そこまでの精度を持った加工機を開発するのは難しいと考えられるからです。むしろ、手作業の方が早くて精確にできるかと。

また、もし開発に成功していれば、費用回収のために引き続きさまざまなシール式ジャケットが製作されていても良さそうです。しかし残念なことに、こんな仕様のアルバムは当時他にはなさそうです。加工機の写真や情報も残っていないようですし。

さらに、このアルバムジャケットはゲートフォールド式だったりもします。シールが使われていることもあわせて、ロックバンドのデビューアルバムとしては異例に豪華な仕様です。異例といえば、表(おもて)面にバンド名やアルバムタイトル名の表記がない点もそうです(それらは裏表紙(雑誌的にいうと表4)に書かれています)。

デザイン優先のこのアルバムは、ジャケットの生産コストが嵩んだり、当初の売上がレコード会社の期待に届かなかったりと、短期的には(商業的には)成功しませんでした。ちなみに、発売日(1967年3月12日)から1969年2月14日の約2年間に売れた枚数は58,476枚でした。

ただ、長期的は極めて大きな成功を収めています。この「熟れすぎて一部が黒ずんだバナナ」はヴェルヴェッツのブランディングに重要な役割を果たしています。また、「Velvet Undergound & Nico」は発売以来一度も廃盤になったことがないそうです。もちろん、音楽としての質の高さが主な理由だと思いますが、ジャケットの魅力も無視できません(ロックの世界には「ジャケ買い」という言葉もありますし)。

「Velvet Underground & Nico」の発売50周年となる今年、ジョン・ケイルこのアルバムの全曲を演奏する記念ライブを英国・リバブールで行う計画を発表しています。ゲストを含め、どんなライブになるか楽しみに待ちましょう (^ ^)

2017年1月3日火曜日

ロックな印刷物:14 Hour Technicolor Dream Poster

今から50年前の1967年の夏は "Summer of Love" と呼ばれ、ロックにとって特別な季節でした。ビートルズは「愛こそはすべて(All You Need is Love)」を歌い、ローリング・ストーンズは(iMacのCMにも使われた)「She's a Rainbow」を発表しました。スウィンギング・ロンドン(Swinging London)は、サンフランシスコと並んでその中心でした。

1967年4月29日〜30日にロンドンで開催された "14 Hour Technicolor Dream" も、愛に満ちた夏を彩るイベントのひとつでした。シド・バレット在籍時のピンク・フロイドやオノヨーコ、ソフト・マシーンなどが演奏し、ジョン・レノンやジミ・ヘンドリックスも来場しました。

そのポスターも、とてもロックなものです。シルクスクリーンで印刷されたサイケデリックなポスターは、色使いやグラデーションの出方がすべて異なっています。そもそも、シルクスクリーンでグラデーションを出しているポスターは、おそらくこれが世界で最初のものです。

数年前「ユリシーズ」という音楽雑誌のためにこのポスターをデザイン・製作したマイク・マキナニー氏にインタビューしました。マキナニー氏によれば、このポスターは1,000枚くらい印刷されましたが、同じものは存在しません。ただ、意識的に異なるようにしていたというよりも、「ドラッグをキメながら刷っていたから、同じようにできる訳ないよね(笑)」とのことでした。

印刷は、全く同じものを大量に複製することを得意としています。しかし、バリエーションをつくることで、時代の空気を取り込んだりデザイナーの実験的な試みを表現したりすることもできます。しかも、その際には必ずしもデジタルの力を借りる必要はありません。印刷にはまだまだたくさんの可能性があります (^ ^)

ところで、さまざまな 14 Hour Technicolor Dream のポスターを集めて比べると楽しそうなのですが、2017年時点で残っているものはほとんどありません・・・マキナニー氏も、「テムズ川が溢れたことがあって、手元にあったポスターはその時すべてテムズ川に流されたんだよ」ととても残念そうにおっしゃっていました。ただ、Summer of Love 50周年の今年は、このポスターも含む展覧会がいろいろと開催されそうな気もします。機会をみつけて、このステキなポスターをぜひ見てみてください!

2016年11月28日月曜日

ロバート・フランク写真展@東京藝大美術館

2016年11月11日〜24日、東京藝術大学美術館(東京・上野)で Robert Frank: Books and Films, 1947-2016 という展覧会が行われました。スイスの写真家・映像作家ロバート・フランク氏の写真・写真集・映像を包括的に紹介する展覧会で、規模はそれほど大きくありませんが、とても面白いものでした。特に、会場に繰り返し映されていたローリーング・ストーンズの「メイン・ストリートのならず者(Exile on Main St.)」当時の映像にすっかりヤラレました(笑)

このロバート・フランク展で興味深かったことのひとつに、新聞用紙が活用されていたことがあります。会場には、下の写真のように、ロバート・フランクの写真をロール状(トイレットペーパーをイメージしてください)の新聞用紙に印刷したものがそのまま展示されていました。また、一部の映像は、プロジェクターで背後から新聞用紙に映写されていました。会場で販売された展覧会カタログも、新聞用紙に印刷されたものでした(私が行った時には残念ながらこのカタログは売り切れていて、入手できませんでした)。

確かに、新聞用紙は最高の印刷品質を求めるには厳しい紙です。しかし、荒々しさとかライブ感、日常性を出すにはぴったりのもので、この展覧会の趣旨には合っていたように思います。また、今回のように世界50カ国で巡回するような写真展には、貴重な作品を移動させるよりも、データを送って現地で印刷・展示するという方法は適しています。

ローリング・ストーンズのアルバム「メイン・ストリートのならず者」のジャケットのように、たくさんの写真を並べる展覧会でも、ロール紙に印刷・展示というパターンは使い勝手が良いかもしれません。今回のロバート・フランク展は、印刷技術を活用した新たな展覧会の方法を示したという点でも面白いものでした。

もし、「大きなロール紙に印刷したものを展示したい」とか「新聞とかタブロイド紙っぽい展覧会カタログを作りたい」という方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。最新の印刷技術を使うことで、もっと小さな展覧会でももっと大きな展覧会でも、「ロバート・フランク展っぽい感じ」を出すことができます (^ ^)