新規印刷サービスのデザイン/既存印刷サービスの再デザインを専門とするブライター・レイターのブログです。

2020年7月7日火曜日

2020年の印刷市場 〜「未来を破壊する」より 〜 . . . (3)

2012年、筆者は”Disrupting the Future” という本を翻訳しました(邦題は「未来を破壊する」)。この本は2010年に出版されましたが、その「あと書き」部分には2020年の印刷市場の予測が書かれていました。2020年の今、改めてこの部分を翻訳します。「未来を破壊する」とはどういうことだったのか、実際にどの程度「未来を破壊」できたのか。こうした点を確認する際の参考にしていただければ幸いです。

なお、この前の部分 (2) はこちらです


経済国政調査から、2012年と2017年の間にかつて「印刷産業」と呼ばれていたものが大きく変化したことが分かる。NAICS(北米産業分類システム)のコード323に含まれる企業数が大幅に減少したのだ。これは、「印刷」会社が何か他のものへと完全に姿を変えたことが背景にある。

ロードアイランドの地下1マイルにある WhatTheyThink経済研究所 ディレクター ジョー・ウェブ博士によれば、「我々が『印刷会社』と呼んでいた企業は、2010年代半ばごろに製造業であることを止めました。そして、印刷物と印刷物以外の両方を扱うコミュニケーション企業が、NAICSのサービス業コードにおいて見られるようになりました。これらの企業を集約すると、1990年代半ば以降の印刷産業で最も財務状況の良い『産業』であることが分かるでしょう」。

2020年になった今この10年間を振り返ると、この産業は10年前とは全く異なるものとなったことが分かる。

「我々は実際、グーテンベルグ以降で最も劇的な印刷産業の変化を目にしています」。印刷業界の伝説的な存在であるフランク・ロマノ氏の身体と切り離された脳は言います(なお、その脳はマサチューセッツ州の印刷博物館の瓶に保存されており、現在でも特別なiPhoneアプリを通じてコミュニケーションできるようになっている)。「これは、2016年にAmtrak社が乗客を乗せて運ぶサービスから家畜を輸送するサービスへと変わったことよりも、ずっと劇的なものです」。

スミス氏とAcCom社は、現在もメディアのトレンドおよびテクノロジーの最前線に立つ。「私たちは、第一世代のウェアラブルコンピュータ向けにテキストとグラフィックスを最適化した最初のコミュニケーションプロバイダーでした。コンピュータのディスプレイがまず特殊なメガネに、のちにコンタクトレンズに組み込まれた際、周囲の物理的な環境に左右されず、読めるようにデータを表示することが課題でした。そこで私たちは表示する情報を、そう、万物に対して目立つように自動変換する一連のアルゴリズムを開発しました」。2019年には、ウェアラブルコンピュータや(アップル社のiEyeのような)目に入れるディスプレイを使う無線インターネット利用者のうち、75%がAcCom社製品のユーザだと推測される。

スミス氏は、自分の成功が最先端の技術に対する飽くなき好奇心によるものだと認める。「人には『技術的な成長』、あるいは新しい技術やガジェットを求める欲望や傾向といったものがあると、私は考えています。ある一定の年齢、私が思うに30歳とか35歳を過ぎると、人々は求めることを止めてしまいます。特にあなたがビジネスリーダーの場合には、それは死を意味します」

とりわけ現在は、20年前と比較して物事がずっと早く変化します。変化がとてもゆっくりだった当時、人々は古い技術や態度にすがって逃げ切ることができました。しかし現在では、誰もそんな贅沢はできません。」スミス氏自身も今年30歳になる;彼は10年後の2030年においても、現在と同じように新しい技術に興味を持っているだろうか?

「私は、無関心になっている自分は想像できません」とスミス氏は述べる。「もっとも、世代的なものなのかもしれませんが」。10年後に彼に連絡をとり、どうなっているかぜひ確認したい。

2020年の印刷市場 〜「未来を破壊する」より 〜 . . . (2)

2012年、筆者は”Disrupting the Future” という本を翻訳しました(邦題は「未来を破壊する」)。この本は2010年に出版されましたが、その「あと書き」部分には2020年の印刷市場の予測が書かれていました。2020年の今、改めてこの部分を翻訳します。「未来を破壊する」とはどういうことだったのか、実際にどの程度「未来を破壊」できたのか。こうした点を確認する際の参考にしていただければ幸いです。

なお、この前の部分(1)はこちらです。


彼らは思いついたアイデアをピザ屋のオーナーに持ち込んだ。そのオーナーは興味を持ったものの、それらをどう始めれば良いのか、またどの程度の費用がかかるのかといったことが見当が付かなかった。そこでスミス氏と友人たちは、極めて重要なパートナーとともに、これら全てのアイデアを実現するためのマーケティングサービス会社のようなものを立ち上げた。

「私の叔父が経営していたAcme印刷はそのピザ屋の全てのメニューを印刷していたのですが、私たちはそこを拠点としました。そのお陰で、簡単にピザ屋の(印刷物作成に使う)データにアクセスでき、また様々なメディアを通じて一貫したブランドメッセージを送ることができました。私たちはWebサイトも引き継ぎましたが、その際には古いプリプレス用のサーバーをWebサーバーに変えて使いました」。

ピザ屋にはどんなコストが掛かったのか?「当初、私たちはそれを印刷コストの一部だと考えていました。しかし、それは次第にマーケティングパッケージ全体のコンサルタント料へと発展しました。ピザ屋の売上は、最初はゆっくりとでしたが、次第に目に見えて増えていきました」。

「ブログの人気が高まるにつれて他コンテンツへのアクセスも増え、口コミが広がりました。ソーシャルメディアのファンページやTwitter、数年後の2012年にはオンライン動画を提供する Hyper Twitter『tweeds』など。どれか1つだけではなく、これら全てのインバウンドおよびアウトバウンドメディアを組み合わせる戦略で、そのピザ屋は成長しました。2015年に電子メールがメディアとしての役割を果たせなくなった時でも、私たちは多くの他のメディアを準備していました」。

この結果、アンジェロは2017年に北米最大のピザ屋チェーンになった。

スミス氏はピザで立ち止まることはなかった。彼が大学を卒業した頃、叔父は印刷会社の経営から退くことを考えていた。スミス氏はAcme印刷を引き継ぐことを提案し、アンジェロに提供していたようなカスタマイズしたマーケティングサービスを事業化した。「最初にしたのは、社名をAcme印刷からAcmeコミュニケーションズに変えたことでした」。

2011年末には、AcComの利益率はAcme印刷当時よりもずっと高くなっていた。スミス氏の成功に関するニュースが広まるに連れて、印刷に注力していた「オールドメディア」企業は次々にコミュニケーションメディアを統合的に扱うアプローチへと変更した。


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2020年の印刷市場 〜「未来を破壊する」より〜 . . . (1)

2012年、筆者は”Disrupting the Future” という本を翻訳しました(邦題は「未来を破壊する」)。この本は2010年に出版されましたが、その「あと書き」部分には2020年の印刷市場の予測が書かれていました。2020年の今、改めてこの部分を翻訳します。「未来を破壊する」とはどういうことだったのか、実際にどの程度「未来を破壊」できたのか。こうした点を確認する際の参考にしていただければ幸いです。


AcCom社、新たなメディア環境で成功

2020年1月2日付 WhatTheyThink.com より, (いずれ)複製許諾済

Acmeコミュニケーションズ社(顧客にはAcCom社として知られている)のオーナー兼ファウンダーであるハロルド・スミス氏は、常に変化している。1990年生まれで常に新しいことに敏感な家族を持つ彼は、2000年代半ばにティーンエイジャーであった当時、すでにSNSを日常的に使っていた。2008年に大学に入学した彼は、叔父が経営する印刷会社でアルバイトをした。

「当時、彼らはまだ自分たちを印刷会社と呼んでいました」と、ITを活用したマーケティングの学位を2012年に取得したスミス氏は言う。「しかし、その会社には様々なコミュニケーション手法を扱える潜在能力があると、私は考えていました。なぜなら、私は個人的に様々なコミュニケーション手法を使っていたからです。」

大学4年のとき、彼はひらめいた。「大学の近くに、私たちが入り浸っていたピザ屋がありました。そのお店には印刷されたメニューがあり、また簡単なウェブサイトもありました。ある晩、少々ダイエット・コークを飲みすぎた私たちのグループは、突拍子もないマーケティングのアイデアを次々と出し始めました。例えば、配達スタッフが変わったお客様などについてのブログを書くことです。」

「ピザの配達スタッフは変わったエピソード、特に大学キャンパスでのエピソードには事欠きません。生物学の教授が彼の(生きている)ヘビのためにピザを注文した、という記事は特に人気の高かったもののひとつです。この記事はまず私たちの大学で読まれ、その後SNSで広まり、他の大学でも読まれるようになりました。」

「また、電子メールマーケティング戦略やお買い得品の通知、ピザの販売と関係ありそうなビデオやゲームなど注目度の高いコンテンツが書かれたニュースレターといったアイデアも思いつきました。例えば、メイン通り300番地からピザの注文があった時には、そのブロックの住人全員にiクーポンを送りました。」

「そうしたアイデアは、広告やマーケティングのようなものではありませんでした」とスミス氏は語る。「コンテンツが面白かったり有益だったりすれば、顧客が簡単に離れてしまう強引な販売よりも、それを提供する企業にとってずっと効果的なのです。」

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2020年6月29日月曜日

『選挙Tech』の可能性

東京では現在、7月5日の投開票日に向けて都知事選の選挙活動が行われています(注:記事を書いているのは6月28日です)。この選挙活動、WebサイトやSNSでの情報発信が認められたという変化はありましたが、それ以外は(筆者の記憶にある)数十年間あまり変化していないように思われます。逆に言えば、進化できる余地はたくさんありそうです。

例えば、『選挙ポスター掲示板のスマート化』。掲示板に小さなWebカメラを設置してその防犯力を高めつつ、その前を通過したり立ち止まったりしている人々を撮影します。そして、撮影データをAIで分析して選挙への注目度を測定・評価し、エリアごとに適切な投票率アップの施策を立案・実施します。

人々の立ち止まった場所や視線などから注目しているポスターもわかります。このデータを立候補者や新聞社、テレビ局などに提供することで、情勢分析の精度を高めたり、有権者へのメッセージや政策を修正したりできるかもしれません。

選挙ポスター掲示板のデジタルサイネージ化することもできそうです。2020年の東京都知事選には22名の立候補者がいますが、筆者は候補者全員のポスターが貼られた掲示板をまだ見ていません・・・

デジタルサイネージにすれば、全員のポスターを表示できます。ある一定の時間で並びを変えることもできます。表示するポスターをタイミングや場所によって変えることもできるようになります。情勢に応じて、選挙期間中にデザインを柔軟に変えることもできます。

『選挙カーのスマート化』という可能性もありそうです。選挙カー(可能なら立候補者)の位置情報をコマメに取得・開示することで、各立候補者がどのエリアに注力しているのか、(有権者視点では)自分の住むエリアにどれだけ足を運んでくれたかを見える化できます。また、各選挙カーの二酸化炭素排出量と組み合わせることで、各候補者の選挙活動がどれだけ「環境に優しいか」も測定できます。

ところで、選挙に関して以下のような課題があります:

  • 投票率の低さ
  • 投票所の減少
  • 立候補者不足/無投票当選、など

また、選挙ポスター掲示板や選挙カーのスマート化以外にも、例えば以下のような選挙Techの可能性も考えられます:

  • 電子投票
  • 街頭演説のリアルタイムWeb配信/アーカイブ化/テキスト化
  • 街頭演説に対する質問受付システム
  • ロボットなどを活用した立会い/監視システム、など

国政選挙に加えて、都道府県や地区長村の議員や長を選ぶ地方選挙があります(全国の市区町村数は1,724(6月27日時点))。国内に限ったとしても、市場規模も比較的大きそうです。

選挙に関わるサービスを提供している印刷会社も少なくないでしょう。『選挙Tech』を活用した印刷サービスにご興味をお持ちの皆さま、ぜひお声がけください。『選挙Tech』で選挙に関する社会課題を解決しつつ、持続的な成長を実現しましょう!

2020年6月25日木曜日

コロナ後のジェネレーションギャップ

新型コロナ対策の規制解除を受けて、多くの会社で「新しい様式」に沿ったサービスや働き方を模索していることでしょう。

広告会社デルフィスが2020年5月19日に発表したニュースリリース(PDF)によれば、新型コロナウイルスの影響により、多くの人々はこれから「当たり前の日常を大切にしたい(91%)」「少し先の未来を思い描き、今をがんばりたい(77%)」と考えています(調査期間:4月28日〜29日, 回答者数:1,000人)。

これに対して、「新しいもの・サービスを取り入れて、より良い生活に改善したい」と回答したのは63%、また「何か新しいコトを、はじめてみたい」については52%、「新しいものを見たり聞いたり、リアルな体験を重視したい」は48%でした。この結果から、人々は「(まだ知らない)新しさ」よりも「これまで(当たり前の日常)」や「今」を大切にしたいと考えていることが分かります。

また、「新しさ」への興味は世代間で大きく異なります。「新しいもの・サービスを取り入れて、より良い生活に改善したい」と考える10-20代・30代は約70%なのに対して、50代では57%、60代では51%となっています。「何か新しいコトを、はじめてみたい」については、10-20代 66%・30代 62% に対して50代 48%、60代 32% でした。「新しいものを見たり聞いたり、リアルな体験を重視したい」は、10-20代・30代では約60%がそう考えているのに対して、50代では43%、60代は 30% という結果でした。

デルフィスは6月18日にオンラインセミナーを開催しましたが、その中で回答者の 51% が「毎日会社に行くこと」を(コロナの影響を受けて)不必要と感じたという調査結果も紹介されました(調査期間:6月8日〜9日, 回答者数:1,000人)。この結果についても、男性においてですが、やはりジェネレーションギャップがあります。男性18-20代では67% が「毎日会社に行くこと」を不必要だと考えているのに対して、男性60代ではその比率が 44%、男性50代では 46% でした。

世代間の違いを把握しつつ、「新しさ」と「これまで・今」を適切に組み合わせること。コロナ後の既存サービスの立て直し/新規サービスの立ち上げや働き方改革を進めるに当たっては、こうした点を意識することも求められそうです。

2020年6月17日水曜日

新型コロナアンケート第3弾:印刷会社の売上・利益向上策について

2020年5月11日〜5月22日の間、ブライター・レイターで「新型コロナウイルス感染症 緊急事態宣言解除後における、印刷会社・印刷物加工会社の売上・利益向上策について」の緊急アンケートを実施いたしました。ご協力ありがとうございました。その結果をこちらで共有いたします。ご参考にしていただければ幸いです。

なお、調査概要でも書きましたように、こちらはFacebookの(印刷会社などに勤めていらっしゃる)「友達」を対象にしたアンケートで、回答に偏りがあるかもしれません。その点に留意された上でご利用いただければと思います。

これまでのアンケート結果についてはこちらでご確認ください:

今後も引き続きアンケートを実施いたしますので、その際もご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!












2020年6月16日火曜日

新型コロナアンケート第2弾:印刷会社が活用している政府の支援策など

2020年4月13日〜4月22日の間、ブライター・レイターで印刷会社における「新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組み・活用している政府の支援策について」緊急アンケートを実施いたしました。ご協力ありがとうございました。その結果をこちらで共有いたします。アップのタイミングが遅くなり誠に申し訳ございませんでした・・・今後のご参考にしていただければ幸いです。

なお、調査概要でも書きましたように、こちらはFacebookの(印刷会社などに勤めていらっしゃる)「友達」を対象にしたアンケートで、回答に偏りがあるかもしれません。その点に留意された上でご利用いただければと思います。

アンケート第1弾「印刷会社におけるコロナショックの影響について」の結果はこちらにアップしています。あわせてご確認いただければ幸いです。

今後も引き続きアンケートを実施いたしますので、その際もご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!










2020年4月8日水曜日

アンケート結果のご報告:印刷会社におけるコロナショックの影響について

2020年3月23日〜3月31日の間、ブライター・レイターで印刷会社における「コロナショックの影響について」緊急アンケートを実施いたしました。ご協力ありがとうございました。その結果をこちらで共有いたします。ご参考にしていただければ幸いです。

なお、調査概要でも書きましたように、こちらはFacebookの(印刷会社などに勤めていらっしゃる)「友達」を対象にしたアンケートで、回答に偏りがあるかもしれません。その点に留意された上でご利用いただければと思います。

また、以下のアンケート結果もあわせてご確認ください:



今後も引き続きアンケートを実施いたしますので、その際もご協力のほど何卒よろしくお願いいたします!




2020年4月5日日曜日

咳データが取れる「IoTマスク」を作ってみた

新型コロナウイルスの広まりを受けて自宅で過ごす時間が増える中、ふと思いついて咳のデータを取得できる「IoTマスク」を以下のような部品で試作してみました:


試作第1号では、センサーが鼻のあたりに来てしまったり(笑)導電糸の扱いが悪かったりして、うまくデータが取れていません・・・あと、Bluetoothモジュール(赤い部品)が大きすぎたり。殺菌消毒の方法などもよく分からなかったりなど、改良の余地はたくさんあります。

ところで、こんなIoTマスクを作ったのは、収集した「咳のビッグデータ」から以下のようなことができればと思ったからです。日本全国そして世界中でマスク着用が広まっていたり、咳が新型コロナウイルス感染症の主な症状のひとつだったりしますし:

  • 咳の様子から、自分や家族が新型コロナウイルスに感染していそうか判断できる。
  • 院内感染の状況を把握できる。
  • 各自治体内が医療体制の崩壊を防ぐことができる、など

ただ「咳のビッグデータ活用」に当たり、私では分からないことがたくさんあります。例えば、以下のようなこととか。専門家の皆さん、お教えいただければ幸いです:

  • そもそも、咳で新型コロナウイルスに感染していそうか判断できそうなのでしょうか? < 医療系の皆さん
  • 咳ビッグデータから新型コロナウイルスに感染していそうか判断できるAIはつくれそうでしょうか < AIの専門家の皆さん
  • 咳データを適切に取得できて、清潔に使えて部品も調達しやすい「IoTマスク」は作れそうでしょうか? < IoTデバイスの専門家の皆さん
    • 小学生が、授業やプログラミング教室などで自分やご家族の分をつくれたりすればなお良いかと。
  • 咳ビッグデータを収集・蓄積・分析・活用する際の個人情報の扱いなど、どうすれば良いのでしょうか? < データ利活用の専門家の皆さん、など

新型コロナウイルスをきっかけに、マスクが主要なウェアラブルデバイスのひとつになるかもしれません。自宅でのリモートワークにストレスを感じている皆さん、ぜひ IoTマスクの可能性をいろいろ想像(あるいは妄想(笑))しましょう!

2020年3月2日月曜日

印刷会社のための「コロナショックの乗り越え方」

新型コロナウイルスによる肺炎拡大は、株価の大幅な下落や様々な活動の自粛など、経済にも大きな影響を与えています。この自粛、どういう状況になったら止めて良いのかという目安がないことから、どのくらいの期間続くか予想するのが難しい状況です。また、コロナショック後の市場環境は、コロナショック前とは大きく異なったものになりそうです。

コロナショックを乗り越え、そしてコロナショック後も持続的に成長するために、印刷会社は今何をすれば良いのでしょう?ブライター・レイターは、この機会に以下4つの「高める」取り組みを進めることを提言します:

  • オンライン印刷サービス力を高める
  • オンライン営業力を高める
  • オンライン協業力を高める
  • オンライン講習などでスキルを高める


オンライン印刷サービス力を高める

企業の出社禁止や打ち合わせ自粛が広まる中、オンライン印刷サービスを拡充したり新たに立ち上げたりすることは不可欠です。例えば、印刷通販やWeb to Printといった印刷サービスもまだまだ進化の余地があります。

AIアナリストといったアクセス解析ツールを活用することで、印刷通販サービスの効果・効率を高めることができます。欧州では、新しいビジネスモデルの印刷通販会社がこの数年間に大きく売り上げを伸ばしたりしています。AIを活用して自動的に印刷物をデザインするような印刷通販も、この機会に出てくるかもしれません。

セミナーやカンファレンスのオンライン化支援サービスなども考えられます。セミナーやカンファレンスの中には、参加者の安全・健康を考慮して開催形式をオンライン配信に変更するものも出てきています。

こうしたイベントへの参加を促進するための「招待状」や参加者への「お礼状」を作成・送付するサービス。参加者の興味関心に合わせてそれらをパーソナライズすることでより良い体験を提供し、効果を高めることができます。また当日は、Sparkupなどコミュニケーションを活性化するツールを提供してイベントの成功に貢献することもできます。


オンライン営業力を高める

顧客企業の出社禁止・打ち合わせ自粛などの措置は、日々の営業活動にも大きな影響を与えるでしょう。こうした状況に対応するため、Web会議の仕組みを導入・活用しつつ、これまで手が回らなかった自社サイトやSNSでの情報発信を強化することも有効です。ここでも、アクセス解析ツールで「見える化」することは大切です。

また、hachidori などのチャットボットを組み合わせて双方向性を高めたり、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)などと連携させてマーケティングや営業活動の効果・効率を高めたりもできます。

MAやSFAを活用して顧客とコミュニケーションを深めていく際、情報発信は電子メールだけでなく、意識的にDMなどの印刷物を活用することもオススメです。印刷物の効果を改めて確認できることに加えて、前述の「オンライン印刷サービス」のメニューとして顧客企業に提供することもできるからです。



オンライン協業力を高める

テレワーク(在宅勤務)の仕組みがあっても、それを活用しきれていないケースもあります。例えば、先日ある印刷物のお見積りをお願いしていた会社さんから「テレワークなのでお見積りに時間がかかっていて、いつ送れるか分かりません」というご連絡をいただきました。

テレワークの時でも普段と変わらない、あるいは普段よりも質の高いサービスを提供すること。それを実現できる、社内だけでなくパートナー企業も含めて使える協業ツールは数多く提供されています。この背景には「人手不足」や「働き方改革」があります。

先日開催されたpage2020でも、Web校正ツールや複数拠点間や印刷会社間でカラーマネジメントできるツールなどが紹介されていました。また、APIで他Webサービスとの連携し必要に応じて機能を拡充できるWebサービスも増えています。こうしたツールを活用することで、印刷会社はオンライン協業力を高めることができます。


オンライン講座などでスキルを高める

セミナーやカンファレンスがオンライン配信されることで、これまでそうしたイベントに参加する時間を取れなかった方々も受講できる機会が増えます。例えば、企業の広告・マーケティング担当者向けイベントBrand Summitは開催を延期した一方、基調講演を3月4日16時40分からライブ配信することを発表しました。

また、ビジネススルー大学(BBT大学)は、マネジメント・ビジネス基礎・問題解決・ロジカルシンキング・リーダーシップ等のオンライン講座の無償提供をスタートしました。この機会に、こうしたオンライン講座でスキルを高めることもオススメです。



印刷会社のオンライン活用力を高めるこれら4つの取り組みは、コロナショックを乗り越えることはもちろん、コロナショック後の売上・利益増大やBCP(事業継続計画)力向上にも役立ちます。ぜひ、このピンチをチャンスに変えて、持続的成長を実現しましょう!

2020年1月17日金曜日

drupa2020予測:”Smart drupa” “SDGs drupa”


今年6月、世界最大で4年に1度の国際印刷機材展 drupa2020 がドイツ・デュッセルドルフで開催されます。まだ半年先ではありますが、どんなトピックが中心となるのかdrupa予測好きの私としては気になって仕方ありません(笑)。

これまでを振り返ると、1990年以降、毎回drupaには以下のようなニックネームが付けられてきています(「XX drupa」のXX部分が、その回の中心的なトピックです):

  • 1990年:DTP DRUPA
  • 1995年:CTP DRUPA
  • 2000年:Digital DRUPA
  • 2004年:JDF DRUPA
  • 2008年:Inkjet drupa
  • 2012年:Inkjet drupa again
  • 2016年:Package/ B1drupa

最新の印刷機材・ソリューション・資材が展示されるdrupaは、印刷市場の現在だけでなく、今後数年間の市場トレンドも示される場とも言われています。こういう視点から考えると、今回(2020年)は以下のようになるとブライター・レイターは考えます:

  • Smart drupa
  • SDGs drupa

もちろん、前回大きな注目を集めたインクジェット機や後加工機、パッケージ向け機材などは、今回も引き続き話題となるでしょう。それらに加えて、今回は IoTやビッグデータ、AI、ブロックチェーン(!)、5Gなどを活用してそうした機材を効果的・効率的に活用するための仕組み = スマートな仕組みが、様々な出展企業から提案されることが見込まれます。

また欧州を中心に、異常気象やプラスチック汚染などを受けて「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」「脱プラスチック」などの動きが進んでいます。こうしたトレンドを含む、印刷会社/印刷業界の社会的役割・責任を考え実行する「SDGs」に関する提案が多く見られることも期待されます。

ただ、SmartとかSDGsといったテーマは、出展企業にとって見せ方が少々難しいところがあります。また、概念的な部分もあるため、見る側にとっても理解に時間がかかるかも知れません。

そこでブライター・レイターでは、皆さまのdrupa視察をより効果的・効率的にするための「drupa2020 視察ツアー!」を開催いたします!現地集合・現地解散、お一人でも・1日だけでも参加可能、drupa事前レポート・報告レポート付き、など魅力的なツアーになっております。ツアーの詳細はこちらでご確認ください。

 個人でdrupaに行かれる皆さま、自社ブース以外もしっかり視察したい出展企業の皆さま、ぜひご参加ください!

2020年1月16日木曜日

ブライター・レイター『drupa2020 視察ツアー!』のご案内

今年6月、世界最大で4年に1度の国際印刷機材展 drupa2020 がドイツ・デュッセルドルフで開催されます。drupa2020では、デジタル印刷やAIを活用した仕組みなどを含む最新の印刷機材・資材が紹介されます。ブライター・レイターは「デジタル印刷の今、そしてこれからを自分の目で確かめたい」皆さま向けに、以下のような『drupa2020 視察ツアー!』を企画いたしました。ぜひご参加ください!

  • 対 象:
    • 会社あるいは個人でdrupaに行かれる印刷会社の方。
    • 自社ブース以外の展示をしっかり視察したい出展企業の方、など
  • 日 程:2020年6月17日(水)〜20日(土):
    • 上記期間のうち、ご都合のよろしい日にご参加ください。
    • 1日だけの参加も可能、4日間フル参加も大歓迎!
  • 会 場:メッセ・デュッセルドルフ(ドイツ)


【ツアーの特徴】
  • あなたのご都合・ご興味に合わせてdrupa会場をしっかり視察!
    • 1日だけでも4日間ずっとでもOKです!
  • ガイドはデジタル印刷の第一人者 ブライター・レイター 山下 潤一郎!
  • デジタル印刷の「今」と「これから」が分かります!
  • 現地(drupa会場)集合・現地解散!
  • 開催前の直前見どころレポート・ツアー後の報告レポート付き!
  • 最大5名/日の少人数制!

【こんなあなたにピッタリ!】
  • デジタル印刷の最新動向と今後の展開を知りたい!
  • 印刷の仕組みを「スマート化」するポイントを知りたい!
  • 専門家のガイド付きでdrupa会場をしっかり視察したい!
  • 飛行機やホテルは自分で手配したい!

【ツアー内容(予定)】
  • あなたのご都合・ご興味にあわせて、デジタル印刷機材・資材ブース、ソフトウェア・クラウドサービス関連ブースなどを中心に視察します:
    • あわせて、IoTやAIなど新技術関連ブースもできるだけ視察。
    • 事前にご興味のある分野などお教えください。
  • 毎日、drupa会場に10時集合、drupa会場で17時解散:
    • 昼休みは1時間程度を予定。その他休憩時間は適宜取ります。
  • ただし、ツアー内容は展示内容などにより適宜見直します:
    • 早めにお申し出いただけましたら、ご希望にあわせたアレンジも可能です。

【料 金:5万円/日(お一人さま、税別)】
  • 料金に含まれるもの:
    • ツアーガイド料(10時〜17時)
    • ツアー時に使用する無線通信機材レンタル料
    • drupa2020 開催前 直前見どころレポート・報告レポート
  • 料金に含まれないもの:
    • 現地までの交通費(飛行機代、電車代、など)
    • 現地での宿泊費、食費
    • drupa入場料(各自で事前にお申し込みください)
    • ツアー中の事故などに対する保険料、など

【お申し込み締め切り】
  • 2020年4月28日(火)
  • 料金のお支払い:お申込み後2週間以内:
    • お申し込みいただけない場合はキャンセルとさせていただきます。

【注意事項】
  • ツアーの日程や内容は変更することがあります。最新の状況は適宜お問い合わせください。
  • 諸般の事情によりツアーが中止になることがあります。ご了承の上、お申し込みください。

お問い合わせからこちらからお願いいたします。皆さまのご参加、心よりお待ちしております!

2020年1月6日月曜日

2030年の印刷市場トレンド予測


明けましておめでとうございます。
旧年中も大変お世話になりました。本年も何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

さて、今年は2020年代最初の年です。10年後の2030年、印刷市場はどのように変化/進化しているでしょう?新年にあたり、ブライター・レイターでは2030年の印刷市場トレンドを以下のように予測しました:

1)『一生モノの関係をつくる』サービスを提供
2)印刷物のデバイス化
3)職人技で差別化(ただし、職人はAIやロボットかも)
4)競合のさらなるボーダレス化
5)印刷会社のグループ化


例えば、「1)『一生モノの関係をつくる』サービスを提供」について。
マーケティングでLTV(Life Time Value, 顧客生涯価値)が注目されていることからも分かるように、顧客と中長期的な関係を築くことが企業にとって重要になっています。これは、多くの市場で成長が鈍化しており(あるいはマイナス成長となっていて)、新規顧客獲得が難しくなっていることが背景にあります。

ITの進化により、顧客行動について大量のデータを測定・収集できるようになっています。現在、こうしたデータは顧客の「今」この瞬間の行動や気持ちを理解したりするために使われています。

今後、さらに大量に蓄積されたデータ(ビッグデータ)を活用することで、少し先の「将来」の行動や気持ちも予測することができるようになるでしょう。顧客の「今」この瞬間そして少し先の「将来」の行動や気持ちに寄り添いながら「一生モノの関係をつくる」。10年後には、こうしたサービスが広く提供されていることが見込まれます。

しかも、そのサービスでは印刷物が大きな役割を果たしています。フィジカル(= 手で触れる、物理的)な印刷物は長期間(場合によっては一生)手元に置いておけるからです。2030年には、「一生モノの関係をつくる」印刷サービスが中心となっているでしょう。

その他トレンドについては、印刷・加工会社の経営層のための月次勉強会「ブライター・レイター・ナイト!」(BLN)などで詳しくご紹介&議論したいと思います。2030年に向けて持続的成長を実現されたい皆さま、ぜひご参加ください (^ ^)