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ラベル トナー機 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2019年2月12日火曜日

BL流 page2019速報(1)トナー機

今回のpageでは、(「何でもできる」ではなく)ターゲット市場が明確な『尖った』トナー機が数多く出展されていたのが印象的でした。これは、メーカー側が「(トナー機の)販売台数を増やす」ことから「販売台数は少なくても、しっかり回してもらう」ことに戦略をシフトしつつあることが背景にあります。「台数シェア」から「印刷枚数」にKPI(重要業績評価指標)を変えつつあるというか。また、トナー機向けメディアも増えています。アルミ蒸着紙とか布とか不織布とか。

IGAS2018ではインクジェット機に押されてあまり目立たなかったトナー機ですが、page2019では大きな注目を集めていました。



富士ゼロックス Iridesse Production Press
富士ゼロックス 7171P Model-ST
コニカミノルタ AccurioPress C83hc サンプル
竹尾 DEEP L OFF METAL

2018年7月28日土曜日

IGAS2018速報!(3). . . トナー機

【カラー機】
  • 富士ゼロックス Iridesse Production Press
    • 6色機:
      • トナーの種類は CMYK+金・銀・クリア・ホワイト
    • トナーを入れる順番を変えることができる:
      • 上刷り・下刷りいずれも可能
      • 金・銀を下刷りすることで、メタリックな表現も可能
    • 印刷速度:120枚/分



  • リコー Pro C9210
    • リコーのフラッグシップ機種(4色機)
    • 印刷速度:135枚/分(A4ヨコ)
    • 長尺印刷:1,260mm(片面)・1,030mm(両面)
    • 紙厚:470gsmまで対応
    • オペレーションの省力化と品質の安定化を実現:
      • 新技術IQCT* for High End により色味調整(キャリブレーション)や画像位置調整などの作業をマシン内部に搭載したセンサーによって自動化
      • 印刷中の色変動を自動で抑制する新機能も搭載
    • 新技術 スイング&シフト式レジストレーションを採用:
      • 用紙の直角精度の影響を受けにくい、表裏見当精度向上を実現
    • 2018年7月26日発売


  • コニカミノルタ AccurioPress C3080
    • 2018年6月14日発売
    • 印刷速度:81枚/分(A4サイズ)
    • 対応用紙坪量:62〜350gsm
    • 長尺印刷対応(1,300mm)
    • 「インテリジェントクオリティーオプティマイザー」のオプション接続が可能:
      • 濃度管理、色調管理、表裏見当調整を自動化:
        • 今までのようなマニュアル測定や数値入力を不要
      • 調整時間の短縮と、オペレーターの技能差による調整時間のばらつき解消を実現


  • リコー Pro C7210S
    • 5色機:
      • CMYK + スペシャルカラー(ホワイト・クリア・ネオンイエロー・ネオンピンク)
    • ブラックとスペシャルカラーのユニットを入れ換えることで、スペシャルカラーの先刷りが可能


  • キヤノン C10000VP
    • 印刷速度:100枚/分(A4)
    • 2015年10月発売


  • HP Indigo 12000 HD:
    • B2サイズ液体トナー機(7色機)
    • 印刷速度:4,600枚/時


  • HP Indigo 7900
    • A3サイズ液体トナー機(7色機)
    • 印刷速度:160枚/分


  • HP Indigo 6800p:
    • フォトビジネス向けの輪転液体トナー機
    • 国内初出展



  • Xeikon 9800:
    • 輪転乾式トナー機(最大5色 x 5色)
    • 印刷速度:21.5m/分
    • 最大印刷幅:504mm
    • 能書からパッケージまで対応
    • 表裏見当精度が20ミクロンとオフセット印刷と同等:
      • 同時両面印刷と非接触の定着方式のため
    • 2018年4月に国内初披露


【モノクロ機】
  • 富士ゼロックス B9136 Light Publisher @ショーワブース:
    • 印刷速度:136枚/分(A4)


  • 富士ゼロックス Nuvera + C.P. Bourg Booklet Maker @ビーエヌテクノロジーブース:
    • 中綴じ製本機とのインライン接続

2016年5月13日金曜日

drupa2016に向けて:ハイエンドA3枚葉トナー機の最新動向

気がつけば、もう長い間ハイエンドA3サイズトナー式デジタル印刷機は、国際印刷機材展で話題の中心になっていないような気がします。2008年以降はインクジェット機にスポットライトが当たるようになり、トナー機の分野でも安価で扱いやすいライトプロダクション機が注目されるようになったことが理由として挙げられます。

ただ、ハイエンドトナー機は着々と進化を続けており、新製品も発売されています。今回もHPからIndigo 7900、コダックからは、NexPress ZX3900といった新製品が発表されます。昨秋東京で開催されたIGAS2015では、以下のような機種が発表・展示されました:

前回(2012年)のdrupa以降、ハイエンドトナー機は「多色化(5色以上)」と「長尺化」といった点を中心に進化しています。多色化では、「5色機になった」だけでなく、「5色目として用意されたトナーの色」も話題になっています。例えば、IGASで発表されたiGen5では、オレンジ/グリーン/ブルーが5色目として用意されました。HPは、蛍光ピンクのトナーを発表していました。

そして今回、コダックは白トナーを発表しました(正確には「ホワイトドライインキ」です)。白トナー対応機はライトプロダクション市場では大きな注目を集めていますが、ハイエンド市場向けにはHP以外のメーカーからなかなか新製品が発表されませんでした。

長尺化も進んでいます。確かdrupa2012の時点ではiGenが最大幅 600mm でしたが、これに対抗するコダックはNexPressで最大 900mm に対応することを発表しました。コダックはさらに、drupa2016で 1200mm に対応したNexPressを発表します。

ところで、キヤノンやリコーといった日本のメーカーもこの市場に競争力のある製品を投入していますが、HPやゼロックス、コダックといった米国系メーカーがトレンドを作っています。「5色目」の展開もあまり積極的ではない印象ですし、長尺化に関しても後追いしているように感じます。

もちろん、色数を増やしたり長尺化を進めることが必ずしも良い訳ではありません。それらの進化が、ユーザーである印刷会社や印刷物発注者にとって重要な意味を持つことが大事なのです。

drupa会場ではぜひ、「なぜ、米国系メーカーは多色化・長尺化に積極的なのか?」といった点に注目することをオススメします。そこから、新しいデジタル印刷サービスのヒントやデジタル印刷サービスで競争力を高めるヒントが得られるかもしれませんから (^ ^)

また、ハイエンド機ならではの画質の高さもしっかり確認&楽しみましょう!個人的には大量に印刷した際の画質安定性にも興味があるのですが、それはなかなか展示会では確認することはできません・・・それが実感できる展示もあったら面白いですね。
やはりdrupaは見どころがいっぱいでとても楽しみです♪

2012年10月9日火曜日

TOKYO PACK レビュー(2):デジタル印刷の観点から

前回ブログの「目についたトレンド :6」でも触れたように、今回の TOKYO PACK ではデジタル印刷の存在感が高まっているように感じました。これは、特にラベル印刷の分野において実際に生産に使われるようになっているため、そしてその実績をもとにした提案型の展示が行われていたためだと考えられます。

ラベルのデジタル印刷化が進んでいる背景として、ジョブの小ロット化が進んでいることが挙げられます。例えば、エプソンのインクジェット機 SurePress L-4033A を4台導入している精工ブースでは、生産者(今回の展示では農家の方)の顔が印刷された野菜を入れたビニール袋に貼るラベルが提案されていました。この場合、季節によって販売する野菜の種類が変わりますので、小ロットでの印刷が必要不可欠になります。道の駅が広まるなど流通の多様化に対応して、こうした「生産者の直売」のための小ロット印刷サービスも広がっています。

あるいは、ネット通販が広まっていることから、個人や小規模な会社が輸入されたものをキレイなラベルを貼ってネットで販売したというニーズも増えているそうです。こうしたニーズに対応するための小ロット印刷サービスも立ち上がってきています。

また、精工ブースでは、今年5月に発表された HP社のB2サイズ対応ラベル・パッケージ印刷用ロール機 Indigo 20000 の導入が発表されていました。導入予定は2013年10月で、これはアジア1号機になるそうです。このデジタル印刷機の使い方については会場ではお伺いできませんでしたが、HPによる精工ブースでのプレゼンテーションをみると、One-to-one (パーソナライズ)のニーズに対応したサービス、しかもラベル以外にも軟包装も含めた印刷サービスの展開になるのかもしれません。

ところで、精工ブースでは、エプソンとHPが並んで自社製品をアピールしていました。エプソンは比較的「生産者直売」や「小規模メーカー」向けの小ロット生産を意識した提案、HPはナショナルブランドの One-to-one マーケティングを意識した提案とそれぞれ特徴がありました。これら2社の展示をみているとラベル・パッケージ分野におけるデジタル印刷の可能性の大きさを感じることができました。

また、エプソンはインクジェット機、HPは液体トナー機という共に注目のデジタル印刷方式のデジタル機を紹介していました。精工ブースはこうした観点からも、それぞれの特徴を比較検討したい印刷会社そして印刷物発注者には興味深い展示となっていました。

精工ブース以外でも、タカラ(大阪・大阪市)のデジタルラベルやミマキブースに展示されていた「CASIO ユポラベル対応オンデマンドカラーページプリンタ」(トナー式)を使った商品ラベルのサンプルなど、会場では興味深い展示が目に付きました。ちなみに、ユポラベル対応のCASIOのプリンターですが、価格は598,000円 + 消費税(5年間の保守サポート付き、トナー料金は別途)、ユポラベルの印刷速度はフルカラーで毎分9枚(厚手のもの)〜15枚となっています。昨年6月の販売開始以来、導入先の約半分が印刷会社だそうです。

今回は、ラベル向けデジタル印刷を中心にご紹介しました。次回は 、drupa でも大きな話題になった「紙器パッケージ」の動向について書きたいと思います。お楽しみに (^ ^)




2012年5月19日土曜日

drupa 2012まとめ:トナー機編

個人的に今回のdrupaで印象的だったのは、電子写真式デジタル印刷機(トナー機)の動向です。トナー機は「進化の余地は小さい」と言われていますが、drupa 2012では対応用紙サイズの拡大や生産性の向上、付加価値の向上が実現され、また後加工機を含めた『実用性の高さ』が訴求されていました。drupa会場に見られたトナー機市場の動向は、以下の様にまとめられるかと思います:
  1. HPによるB2サイズトナー機の市場投入:
    • Indigo 10000, 20000, 30000
  2. 既存機種の生産性・付加価値向上:
    • 印刷速度の向上
    • データ処理速度の向上
    • 新トナーの導入
    • 対応用紙の大型化
  3. インライン後加工機を含めたソリューションの提案:
    • 製本
    • カード作成
    • 型抜き、など
  4. パッケージ市場向け機種の強化:
    • HP Indigo 20000, 30000
    • ザイコン 3000シリーズ
  5. アプリケーション(印刷物)の展示
  6. 液体トナー機開発の進展:
    • ミヤコシ/リョービ Digital Press 7000
    • ザイコン trillium(トリリウム)
    • オセ InfitiStream(インフィニストリーム)
  7. オフセット印刷機メーカーによる自社ブランドトナー機の投入:
    • 小森コーポレーション Impremia C80
    • ハイデルベルグ Linoprint C901, C751
こちらにつきましても、前回のインクジェット機編と同様、まだまだ情報の収集・分析が足りませんので、引き続き進めていきたいと思います。