印刷会社の新規ビジネス成功支援を専門とするコンサルティング会社 ブライター・レイター のブログです。

2013年2月25日月曜日

page 2013 レビューレポートのご案内

2月6日〜8日の3日間、東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターTOKYOで印刷機材展 page 2013 が開催されました。今回の page の来場者数は、初日に雪が降ったにも関わらず、主催者発表で64,760名とほぼ昨年並み(65,610名)となりました。この背景として、昨年 drupa があったにも関わらず国内で大規模が印刷機材展がなかったこと、厳しい市場環境の中で生き残り、さらには事業を拡大させるためのヒントを得たいという印刷会社の熱意があったことなどが挙げられると思います。

ただ、page 2013 に「最新の印刷機材」を期待して来場した方々は驚かれたかと思います。これまで毎回のように新製品が発表されてきたデジタル印刷機材を含め、ほとんど新製品(参考出品を含めて)の発表がなったのですから。

その一方で、新しいソリューションやビジネスモデルを求めて来場された方々には得るものが大きかった展示会だと思われます。前回までは、「印刷会社の経費削減」のソリューションが会場での提案の中心だったのですが、今回は「印刷会社の売上拡大」のためのソリューションやビジネスモデルが数多く提案されていました。

さらに、「印刷会社の売上拡大」の提案内容に様々なものが見られたことも、今回の大きな特徴として挙げられます。例えば、顧客(印刷物発注者)のセルフサービス化やアウトソース化など「経費削減」に貢献するものに加えて、コンテンツの多媒体での活用やリアルとWebの連動など「売上拡大」に貢献するものもありました。

こうした内容をまとめたレポートを10→30戦略室印刷技術懇談会のサイトからダウンロードできるようにいたしましたので、是非ご参考にしていただければと思います。こちらの資料に関して何かご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください!

2013年2月21日木曜日

デジタル軟包装印刷サービスの事業機会とチャレンジ

昨秋開催された TOKYO PACK 2012 でも明らかになったように、消費者のエコ指向・低価格志向、生産側のコスト削減指向の結果、パッケージ市場において軟包装の存在感が高まっています(このあたりの分析については、こちらのブログをご覧ください)。こうした動向を追い風にしてデジタル軟包装印刷サービスを立ち上げ、拡大させるためにはどうすれば良いのでしょうか。

昨日、株式会社ビジネスコミュニケーション研究所の田中氏が講師をされたセミナーに参加したのですが、その内容を参考に「PB・OEM開発展 2013」の取材で見えてきた市場機会を以下のようにまとめてみました。


  • コミュニケーションのゴール:
    • 商品生産企業の活性化:
      • これは、地域活性化をイメージしていただければ分かり易いかと思います。パッケージを通じて商品自体の魅力を伝えることに加えて、その生産地の魅力やイベント情報などをお伝えすることで、印刷サービスの価値を高めることを目指すことです。
    • 商品販売企業の活性化:
      • パッケージを通じて、販売店の方々がその商品を売り易くなる、値引きしなくても売れるようになる、さらにはもっと売りたくなることを目指すことです。
    • 商品ご利用者の人付き合いの楽しみ向上:
      • パッケージの特徴のひとつに、利用の場所まで商品と一緒に運ばれることが挙げられます。そうした特徴を活かすことで、パッケージは商品をご購入・ご利用された方々の人付き合いを楽しくすることに貢献できます。
      • 例えば、旅行先のお土産や、ホームパーティなどへの手みやげ、あるいはお取引先へお伺いする際の手みやげなどでパッケージがひと工夫されていると、お渡しする際のコミュニケーションが活発になり、楽しくなります。こうしたご利用者の人付き合いの楽しみを向上させることを目指すものです。
    • これら『コミュニケーションのゴール』を印刷サービスに落とし込む際には、どれかひとつを選ぶということではなく、2つを組み合わせる(あるいは3つ全てを組み合わせる)ことも可能です。ゴールを組み合わせることで、よりサービスの価値は高まると考えられます。
  • メディアの選択・連携:
    • これは、上記のようなコミュニケーションのゴールに到達するために、パッケージ以外も含めたメディアをどのように選択し、また連携させるかを企画・提案・実現するサービスの機会になります。
    • この際には、フェイスブックやツイッター、LINEなどSNSとの連携、AR(拡張現実感)の活用、DMやチラシ、ポスター、フリーペーパーなど紙媒体との連携など、幅広い可能性を検討・提案することが求められます。
    • 図には「印刷物/Web媒体/その他媒体」と書きましたが、こちらのブログでご説明したような「ペイドメディア/アーンドメディア/オウンドメディア」といった切り口でのメディアの選択・連携も考えられます。
  • コミュニケーションの期間:
    • 消費者が店頭で商品を検討・選択する時間は非常に短いことから、瞬間的に消費者の心をつかむコミュニケーション力がパッケージには求められます。また、併せて継続的にその商品を購入していただくためのコミュニケーション力も求められます。
    • こうした瞬発力/継続的な力を、小ロット・多品種対応力を活かしたパッケージ、さらにはパッケージ以外のメディアの力も合わせて高める印刷サービスは、非常に価値の高いものだと考えられます。
    • 瞬発力/継続的な力を高める際には、商品自体あるいは生産企業・販売企業の『ブランディング』も重要となることから、ブランディングも印刷サービスに組み込むことが求められます。

このように、小ロット・多品種対応力(限定品生産力を含む)が高い印刷サービスを提供できることから、デジタル軟包装印刷サービスには大きな市場機会があると考えられます。ただ、こうした機会を実現するためには、例えばマーケティングの観点から以下のようなチャレンジも求められると思われます:
  • 印刷会社都合の最低発注ロットを無くすこと:
    • デジタル機によってグラビア印刷よりも最低発注ロットを少なくすることが可能になったと、「PB・OEM開発展」に出展されている印刷会社は訴求されています。しかし、その最低ロット数は必ずしも発注者の希望と一致しているとは限りません。
    • 例えば、『限定50個の特別なお茶のパッケージ』となると、対応していただくのが難しくなります。小回りの利いたサービスを提供できるデジタル印刷機を活かした、最低ロット数にしばられない印刷サービス、例えば『限定数100以下の商品しか販売しないという顧客のブランディングに貢献できる印刷サービス』の実現を目指していただければと思います。
  • 印刷会社都合の納期をもっと短くすること:
    • アマゾンや楽天などの利用が広まるに連れて、「注文した翌日には商品が手に届く」という期待が一般的に広まっています。最近では、宅配便の会社が「当日配送」にも力を入れており、さらに短納期化が進んでいます。こうした状況の中では、グラビア印刷と比較して短くなったとはいえ、およそ2週間の納期は長く感じられます。
    • 更なる短納期化には、印刷会社内のワークフローだけでなく後加工機自体の進化も求められる大掛かりな仕組みの変更が必要員なるかと思います。しかし、印刷・加工がサプライチェーン(あるいはコミュニケーションチェーン)のボトルネックにならないような仕組みを作り上げることは、印刷サービスの魅力を高めるために有効だと考えられます。

デジタル軟包装印刷サービスは、上記のようなチャレンジが残っていることも含めて、まだまだ発展する機会の大きな市場だと思います。私も引き続き、この市場に注目していきたいと思います!

2013年2月20日水曜日

国内デジタル軟包装印刷市場の最前線!

2月19日〜22日、東京ビッグサイトで開催されている「国際PB・OEM開発展 2013」では、日本HP社のブースを中心に国内でデジタル軟包装印刷サービスの最前線が紹介されています。この展示会では、HP社製デジタル印刷機 Indigo のラベル・パッケージ用ロール機を導入・活用しているおよそ20社の印刷会社が、事業拡大を目指して特徴ある印刷サービスを提案しています。

HPのご担当者や出展各社にお伺いしたお話から、国内デジタル軟包装印刷サービスについて以下の様な現状が見えてきました:

  • 国内の軟包装印刷市場においても10年以上前からデジタル印刷への取組みが進められていて、既に市場には多くのデジタル印刷による軟包装パッケージが導入されている:
    • 月産 40万メートルの印刷会社もある。
    • 新たにデジタル印刷機を導入するケースも続いている:
  • グラビア印刷サービスを提供している会社が、顧客の小ロット・多品種ニーズに対応する形でデジタル印刷機を導入したケースが目に付く:
    • 商材は、お茶やお米、健康食品など、商品の価格に占めるパッケージ費用の比率が比較的低めなものが中心。
    • 小ロット・多品種に対応したサービスを始めた結果、新たな顧客の開拓にも成功しているケースも多い。
  • 今回の展示会では、パーソナライズ型サービスも紹介されている:
  • パッケージをご提供することに加えて、発注企業のマーケティング/コミュニケーションを支援するサービスを提案している印刷会社もあった:
  • デジタル印刷機導入の際には、フレキソ印刷機もあわせて比較するケースが多い:
    • デジタル機を導入した印刷会社では、フレキソ印刷機の環境対応性や安全性よりも、小ロット・多品種対応力の方が市場性が高いと判断したと考えられる。
  • デジタル印刷機を導入する際には、HP社以外の製品を検討するケースは少ない:
    • 海外では、Xikon(ザイコン)社製品やdotrixなども導入・活用されている。
  • 昨年のdrupaで発表されたB2サイズに対応したロール機 Indigo 20000 に対する興味は大きい:
    • これまでよりも大きなサイズのパッケージを生産できるようになるため。
    • 国内1号機(アジア1号機)は、今年10月に精工(大阪・大阪市)が導入予定。

次回のブログでは、こうした現状から伺えるデジタル軟包装印刷サービス市場の新しい市場機会について分析したいと思います!

2013年2月11日月曜日

2013年にWebマーケターが注目するテーマ・キーワード Top 5 . . . (2)

前回のブログでご紹介した「Webマーケターが注目するテーマ・キーワード Top 5」の第2位にランクされたのは、「オウンドメディア(Owned Media)」です。


これは、お金を払って広告を掲載する「ペイドメディア(Paid Media)」や Facebookなど他社メディア上で情報を提供する「アーンドメディア(Earned Media)」との対比で使われる言葉で、自社の企業サイトやECサイトなどがオウンドメディアになります。

オウンドメディアが注目される背景として、アーンドメディアであるSNSなどは利用者数は多いもののマーケティング活動に制限があるなど、必ずしも使い勝手が良くないことが挙げられます。

オウンドメディアで面白いのは、自社の名刺や会社案内、パンフレットなどの印刷物もオウンドメディアだと考えている方もいらっしゃることです。こうした観点から捉えると、オウンドメディアという言葉が急に印刷業界にとって身近な考え方だという気がしてきます。この言葉が注目を集めているこの機会に、印刷会社はWeb媒体もあわせて提供するという取組みを進めることをお薦めします。

この際、拙訳書「未来を破壊する」に書かれているように、印刷会社はブランディングなどマーケティング活動を意識しながら、自社の名刺や会社案内に加えて自社サイトもあわせて制作・運用することが求められます。これは、自社での活動を通じて様々なオウンドメディアを組み合わせたマーケティング活動の効果を高めるノウハウを蓄積することができるためです。そうしたノウハウもあわせて提供することによって、より付加価値の高い印刷サービスが実現可能になります。

Webマーケティングの動向にも目を配ると、印刷会社にはまだまだ売上・利益を拡大できる余地が大きいことが見えてくるかと思います (^ ^)

2013年にWebマーケターが注目するテーマ・キーワード Top 5 . . . (1)

先月発売された「宣伝会議」2013年1月15日号に、Webマーケティングに力を入れている企業72社のWebマーケターが注目しているテーマ・キーワードのTop 5が紹介されました。この結果によれば、回答者の40%がリアルとWebの連動を実現する「O2O」に注目していることが分かりました。


O2Oについては、このブログでも何度か取り上げていますのでご存知の方も多いかと思います。先日東京・池袋で開催された印刷機材の展示会 page 2013 でも、リコーブースなどでO2Oが大きく取り上げられていました。

ただ注意したいのは、Webマーケターが注目しているO2Oは「Online to Offline(Webからリアルへ)」というものです。印刷業界では紙媒体からARなどを使ってWebへ誘導するという「Offline to Onilne」が話題の中心ですが、WebマーケターはWebからリアルの店舗やイベント会場などに誘導するパターンに注目しています。

実際、昨秋(2012年秋)頃から急速にこのパターンのマーケティング活動事例が紹介されることが増えて来たように感じています。例えば、昨年11月に東京・千代田区の無印良品有楽町店で開催されたFacebookと連動されたイベントがあります。なお、こちらのイベントについては、私が「印刷情報 2013年1月号」に寄稿した記事「いかにして「未来を破壊するコミュニケーションプロバイダーになるか」をお読みください。

こうした「Online to Offline」パターンでも、印刷物は重要な役割を果たすことができると考えられます。例えば、Facebookのファンに対して店舗で実施されているキャンペーンやイベントの内容をDMで告知することで、ファンの「背中を押す」ことができます(こうした方法の詳細につきましては、こちらのブログを参考にしていただければと思います)。

注目度の高まるO2Oに対する取組みを進めること、これも印刷会社が「未来を破壊する」ための有効な手段だと思われます。