印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
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2020年12月14日月曜日

2020年発表/発売の主なデジタル印刷機材

2020年、世界最大の印刷機材展 drupa は延期されましたが(結局中止になりましたね・・・)、印刷機材メーカーは多くの新製品を発表しました。こちらでは、2020年に発表/発売された主なデジタル印刷機材をリストアップしました。ご参考にしていただければ幸いです。

なお、こちらのリストから漏れている新製品がありましたら追加いたしますので、お手数ですがご連絡いただければと思います:



2018年8月5日日曜日

IAGS2018速報!(18). . . シール・ラベル用デジタル印刷機

【UVインクジェット機】
  • SCREEN Truepress Jet L350UV+LM
    • アジア初出展
    • 食品パッケージ用ラベルや飲料用シュリンクラベルなどへのアプリケーション拡大を実現するハイエンドモデル
    • 低臭気が特長のローマイグレーション(低浸透)インクや、UV硬化を促進する窒素パージ機構を搭載:
      • LM:Low Migration
    • 会場では、バリアブルデータの高速カットのデモを実施
    • 最大6色:CMYK + White + Orange
    • 解像度:600 x 600 dpi
    • 最大印刷速度:60m/分
    • 最大用紙幅:350mm(最大印字幅:322mm)


  • EPSON SurePress L-6034VW
    • 2018年6月28日から受注を開始した新製品
    • 6色機(CMYK + ホワイト + デジタルバーニッシュ)
    • 解像度:600 x 1200 dpi
    • 印刷速度:15分/分(通常モード):
      • バリアブル印刷・長尺印刷・裏白の白印刷:7.5m/分
    • 最大用紙幅:340mm(最大印刷幅:330mm)


【水性インクジェット機】
  • 岩崎通信機 LabelMeister EM-250H(水性インクジェット機, 花王ブースに展示):
    • 2018年2月発売
    • 4色機(CMYK)
    • 最大解像度:600 x 1200 dpi
    • 最大印刷速度:25m/分
    • 最大用紙幅:250mm(最大印字幅:220mm)


  • KBD new solution pronew solution mini
    • 4色機(CMYK)
    • 最大解像度:1600 x 1600 dpi
    • 最大印刷速度:18m/分
    • 最大用紙幅:240mm(最大印刷幅:222mm)
    • mamjet技術を採用


【トナー機】
  • コニカミノルタ AccurioLabel 190
    • 4色機(CMYK)
    • 最大印刷速度:18.9m/分
    • 用紙幅:250mm(最大印字幅:240mm)


  • ムサシ EDGE850
    • 2018年5月発売
    • 印刷速度:最高 9m/分
    • 解像度:1200 x 600dpi
    • 最大用紙幅:216mm(最大印字幅:209.3mm)

2017年3月24日金曜日

「実は今、輪転IJ機の導入を検討しています」

先日、あるメーカーの印刷物発注担当者であるHさんから、「実は今、フルカラー輪転インクジェット式デジタル印刷機(輪転IJ機)の導入を本気で検討しています」とのお話をお伺いしました。

Hさんは現在、マニュアルの印刷をご担当されています。それらは数台のトナー系デジタル印刷機で生産されており、印刷量は月間およそ300万〜400万カウント(1カウント = A3片面)、そのうちカラーは100万カウントほどです。記事末の写真は、現在カラーのマニュアルを印刷しているフルカラーデジタル印刷機の内部です。

Hさんは、数台のトナー系デジタル印刷機を集約、上流システム+輪転IJ機+製本機による自動化でこれらの仕事を行う事を前提に考えています。その効果として、まずは以下を見込んでいます。
  • コスト削減
  • 納期短縮
  • サービス品質向上
  • 自動化・スキルレス化が進んだスマート工場化、など


あわせて、以下の実現も目指しています:
  • もっと分かりやすい・使いやすいマニュアルの実現:
    • 「分かりやすい・使いやすいマニュアルが、お客さまがウチの製品を選ぶ理由のひとつになってくれると良いですね」(Hさん談)
    • 私(筆者)は、マニュアルをもっと分かりやすく・使いやすくすることは十分可能だと考えています。例えば、Hさんの会社で生産している機器の利用状況・稼働状況のデータを収集・蓄積・分析して、もっと分かりやすい・使いやすいマニュアルに活かすこと。これは「IoT x マニュアルづくり」という仕組みをつくることで実現できます。
  • マニュアル以外の印刷物の提供:
    • 既存の仕事(マニュアル印刷)を輪転IJ機で置き換え、さらにスマート工場化することで、印刷機の稼働時間にはかなりの余裕が出ることが見込まれます。余裕が出た時間でマニュアル以外の印刷物を生産・提供することを考えています。
    • 私は、この実現も十分に可能だと考えています。上記のような機器の利用状況・稼働状況のデータがあれば、既存顧客向けに機器をもっと効果的・効率的に活用するためのアドバイスを提供する資料も提供できますし、新規顧客開拓用の営業用資料にも活用できますから。

Hさんは今、ビジョンや情熱を共有でき、また一緒に本気でそのビジョンの実現・進化に取り組めるパートナーを絶賛募集中です。とても刺激的な取り組みですので、きっとたくさんの会社から素晴らしいご提案があるのでしょうね。

どのようなパートナーを選び、どんな仕組みを実際に構築するのか。また、その仕組みをどのように活用するのでしょうか。とても興味のあるトピックですので、これからの展開もこのブログでご紹介できればと思います。
Stay Tuned

2016年12月28日水曜日

B0/ VLF枚葉インクジェット機はdrupa2020に出展されるか?

印刷業界の2016年を振り返る時、ドイツ・デュッセルドルフで開催された世界最大の国際印刷機材展 drupa2016に触れない訳にはいきません。とはいえ、drupa2016の内容を改めて紹介するのもナンですので、世界で1番早く次回drupaを予測するブライター・レイターらしく(笑)drupa2016を踏まえつつdrupa2020のトレンドを予測します。

さて、drupa2016の華はB1サイズ枚葉インクジェット式デジタル印刷機でした。Landa社と小森コーポレーション、富士フイルムとハイデルベルグ、ゼロックスとKBAといった、デジタル印刷機・オフセット印刷機のメーカーがそれぞれの強みを持ち寄って共同開発した機種は、非常に高い生産性・印刷品質・用紙対応性などを実現し、オフセット印刷機の一部の仕事を置き換えることも視野に入れています。

drupaの歴史を振り返ると、drupa2008・drupa2012ではB2枚葉インクジェット機が大きな話題でした。そして、drupa2016ではB1枚葉インクジェット機が注目の的でした。では、次回drupa2020(2020年開催)では B0(B倍)やVLF(Very Large Format)の枚葉インクジェット機が出展され、同じように大きな話題になるのでしょうか?

私は、十分に可能性はあると考えています。ただ、それは以下のような特徴を備えた印刷会社をターゲットにしたかなり尖った機種になりそうです:

  • 『B1枚葉インクジェット機 x スマート工場』という仕組みを武器に、小ロット/マスカスタマイゼーション(一品大量生産)向け紙器パッケージ印刷の仕事を十分に開拓できている(あるいは、開拓の目処がついている)印刷会社
  • ギャンギング(複数ジョブの多面つけ)のノウハウも武器である印刷会社
  • 自社が必要なスペックを機材メーカーに示すことができる印刷会社、など

こんなに尖った機種だと「drupa会場で紹介しなくても良いのでは」という声も出てきそうです。しかし、私はこういう尖った機種こそ、drupa会場に展示すべきだと考えます。印刷業界の可能性や気概を業界の内外に示すことができるからです。

この年末年始は、drupa2016を振り返りつつdrupa2020の動向を予測する記事を上げていく予定です。大掃除やおせちに飽きたら、ぜひこのブログを覗いてみてください(笑)!
(写真は drupa2016会場に展示されたB0枚葉UVオフセット機 KBA Rapida 145

2016年5月13日金曜日

drupa2016に向けて:ハイエンドA3枚葉トナー機の最新動向

気がつけば、もう長い間ハイエンドA3サイズトナー式デジタル印刷機は、国際印刷機材展で話題の中心になっていないような気がします。2008年以降はインクジェット機にスポットライトが当たるようになり、トナー機の分野でも安価で扱いやすいライトプロダクション機が注目されるようになったことが理由として挙げられます。

ただ、ハイエンドトナー機は着々と進化を続けており、新製品も発売されています。今回もHPからIndigo 7900、コダックからは、NexPress ZX3900といった新製品が発表されます。昨秋東京で開催されたIGAS2015では、以下のような機種が発表・展示されました:

前回(2012年)のdrupa以降、ハイエンドトナー機は「多色化(5色以上)」と「長尺化」といった点を中心に進化しています。多色化では、「5色機になった」だけでなく、「5色目として用意されたトナーの色」も話題になっています。例えば、IGASで発表されたiGen5では、オレンジ/グリーン/ブルーが5色目として用意されました。HPは、蛍光ピンクのトナーを発表していました。

そして今回、コダックは白トナーを発表しました(正確には「ホワイトドライインキ」です)。白トナー対応機はライトプロダクション市場では大きな注目を集めていますが、ハイエンド市場向けにはHP以外のメーカーからなかなか新製品が発表されませんでした。

長尺化も進んでいます。確かdrupa2012の時点ではiGenが最大幅 600mm でしたが、これに対抗するコダックはNexPressで最大 900mm に対応することを発表しました。コダックはさらに、drupa2016で 1200mm に対応したNexPressを発表します。

ところで、キヤノンやリコーといった日本のメーカーもこの市場に競争力のある製品を投入していますが、HPやゼロックス、コダックといった米国系メーカーがトレンドを作っています。「5色目」の展開もあまり積極的ではない印象ですし、長尺化に関しても後追いしているように感じます。

もちろん、色数を増やしたり長尺化を進めることが必ずしも良い訳ではありません。それらの進化が、ユーザーである印刷会社や印刷物発注者にとって重要な意味を持つことが大事なのです。

drupa会場ではぜひ、「なぜ、米国系メーカーは多色化・長尺化に積極的なのか?」といった点に注目することをオススメします。そこから、新しいデジタル印刷サービスのヒントやデジタル印刷サービスで競争力を高めるヒントが得られるかもしれませんから (^ ^)

また、ハイエンド機ならではの画質の高さもしっかり確認&楽しみましょう!個人的には大量に印刷した際の画質安定性にも興味があるのですが、それはなかなか展示会では確認することはできません・・・それが実感できる展示もあったら面白いですね。
やはりdrupaは見どころがいっぱいでとても楽しみです♪

2016年5月9日月曜日

drupa2016に向けて:B1デジタル印刷機比較!

2014年7月に「drupa大胆予測 (1):drupa2016は『B1 drupa』に!」という記事を書いたのですが、この記事中で触れたハイデルベルグ・Landa(+小森コーポレーション)・HPという3社のB1サイズデジタル印刷機がやっと出揃いました!

ただ、予想と少し違ったのは、HP社は枚葉機ではなく輪転機(連続紙用)のB1デジタル機を発表したことです。また、想定アプリケーション(印刷物の種類)も紙器に加えて軟包装・ラベルや商業印刷など、こちらも予想と異なる結果となりました。プレーヤーという点でも、富士フイルムが(ハイデルベルグと共同開発という形ですが)3社に加わりました。

こうした「予想外」の動きから、2020年に向けてデジタル印刷はさらに盛り上がることが見込まれます。なぜなら、前回(2012年)のdrupaで注目したキーフレーズデジタルをメインストリームに」の実現につながりそうな以下のような動きが想定されるからです:

  • 輪転機の登場 = さらなる(デジタル印刷の)生産性向上
  • 想定アプリケーション(印刷物の種類)の多様化 = 多くの市場におけるデジタル印刷のさらなる活用
  • プレーヤーの多様化 = 競争による製品の洗練化、など

drupa2016で展示されるB1デジタル機は来年(2017年)から出荷される予定で、drupa時点ではまだ試作機の段階です。それでもかなり作りこまれていることは確かなので、ぜひ画質や使い勝手などご自身の目でご確認ください (^ ^)
なお、各製品の詳細はそれぞれのリンク先をご確認ください:

2016年4月5日火曜日

drupa2016に向けて:最新インクジェット機のチェックポイント

インクジェットdrupaと呼ばれたdrupa2008(2008年開催)以降、インクジェット式デジタル印刷機(インクジェット機)は目覚しいスピードで進化しています。drupa2016でも、さらに進化したインクジェット機の提案が期待されます。

とはいえ、drupa会場に行かれる方々の中には、展示されたインクジェット機を見て「どのあたりがどんな風に新しいのか?」がピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、これまでインクジェット機の進化を継続的に追ってきた方なら問題ありませんが、そういう方はそれほど多くないかと思いますので。

今回、下図のように最新インクジェット機のチェックポイントをまとめてみました。大きく分けて、「画質」「生産性」「対応用紙性」の3つの観点からチェックすることをオススメします。また、それぞれをさらに「定量的」「定性的」という切り口から確認すると分かりやすいと思います。

特に、「定量的」な情報はカタログの製品仕様の部分に記載されていますし、デモのご担当者にお伺いすれば教えていただけることも多いので、集めやすくまた比較し易いものです。実際、私が展示会の報告レポートを作成する際には、展示された機材の「定量情報」を比較することが多かったりします。

ちなみに、現時点(IGAS2015の時点)での定量的な仕様と今回の見どころは以下のようになっています:

  • 解像度:枚葉機も輪転機も 1200 x 1200 dpi が標準的に:
  • 印刷速度:
    • 枚葉機:毎時 3,000枚〜4,500枚程度:
      • Landa S10 の毎時13,000枚は驚異的
      • オフセット機なみの毎時10,000枚以上のデジタル機が他にも発表されるに注目。
    • 輪転機:毎分 200m〜300m機が市場投入済み:
      • 毎分400mや500mという、さらなる高速化が進むかにも注目:
        • 毎分400m〜500mは、商業印刷用オフセット輪転機とほぼ同じ印刷速度。
  • 用紙サイズ:
    • 枚葉機:B2サイズ機が中心:
      • こちらの記事でもご紹介したように、B1サイズ機が話題に
      • B3サイズ機の展示も期待
      • L版・K版といった紙器向けサイズ機の提案があるかにも注目。
    • 輪転機:520mm幅(B2サイズ)機
  • 紙厚:最大 0.6mm の用紙を想定したインクジェット機も:
    • パッケージ向けに厚紙対応が進んでいるため
    • Landa S10は 最大 0.8mm の用紙を想定
    • 逆に薄紙対応にも注目:
      • インクジェット機は裏抜けがあるため、薄紙は苦手とされているため。

もちろん、実際に導入・活用する際には、下図に示した以外の要素が重要になることも多いでしょう。例えば、以下のようなものが挙げられます:

  • 操作性(使いやすさ)
  • 既存設備(ワークフローや他機材など)との相性
  • 求められるスキルレベル
  • 筐体のサイズ
  • デザイン性、など

折角なので、drupaが始まる前に「自社が収集・分析すべき情報は何か?」を社内で検討した上で drupa会場に乗り込んでいただければと思います。その方が収穫は多くなるかと思いますので。
その際に、本稿が少しでもご参考になれば幸いです (^ ^)