5月16日の小売業に続いて、今回は外食産業における東日本大震災の影響を分析する。正会員・賛助会員を合わせて約850社を数える日本フードサービス協会の発表によれば、2011年3月における会員社の売上合計(全店舗)の売上高前年同月比は89.7%であった。
これを業態別にみると、パブレストラン/居酒屋(80.2%)やディナーレストラン(80.5%)などにおける落ち込み幅が大きいことが分かる。ディナーレストランとは、日本フードサービス協会の定義では、「イートイン中心」「食事中心」「客単価は高い」業態のことである。また、パブレストラン/居酒屋の客単価は「やや高い」となっている。今回の震災では、客単価が高いあるいはやや高い業態への影響が大きいことが明らかになった。
5月16日のブログで分析したように、小売業においてもデパートや自動車小売業、家電製品など機械器具小売業といった、比較的高額な商品・耐久消費材を扱う業態で大きな影響が表れていた。この結果から、震災後に「不要不急」とされたものは、比較的高額な商品・サービスであることが分かった。
では、この分析結果は印刷会社にとってどの様な意味を持つのか。私には、「印刷会社にとって、今が比較的高額な商品やサービスを提供する店舗との絆を深めるチャンスであること」を示しているように思われる。
比較的高額な商品・サービスを提供する店舗は、顧客リストを保有しているところも多い。印刷会社は、こうしたリストを活用して既存顧客に対してDMを送付して来店を促す提案をすることが可能である。この際、消費者の欲望を煽るのではなく、紙メディアの特徴を活かして手触りの良い用紙や安心感を伝える言葉を使い、消費者と店舗の「絆」を再確認し、更に深めるようなクリエイティブにすることが重要であろう。
クリエイティブも含めた消費者(印刷会社から見れば、顧客の顧客)との紙メディアを使ったコミュニケーションのノウハウは、「絆」が求められる今こそ活用が求められている。こうしたノウハウは、震災前に大きな問題であった「過剰な価格競争」を回避することに役立つであろう。今回の震災は、印刷会社が顧客(印刷物発注者)との関係を見直し、新たな関係を構築する絶好のチャンスだと考えられる。
印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
2011年5月24日火曜日
2011年5月16日月曜日
東日本大震災の小売業における影響
経済産業省が4月27日に発表した「商業販売統計速報 平成23年3月分」によれば、2011年3月における小売業全体の販売額は、前年同月比で▲8.5%であった。スーパーと百貨店の売上高前年同月比増減率は、スーパーは▲1.5%と比較的落ち込みは小さかったが、百貨店は▲15.4%と大きく減少した。
小売業の業種別の動向をみると、燃料小売業は5.1%と伸びており、また飲食料品小売業は▲0.1%と微減であった。震災の影響で燃料や水、食料品など生活必需品の買い占めが起こったと報道されたが、これはデータでも示される形となった。
その一方、織物・衣服・身の回り品小売業は▲8.5%、家電を含む機械器具小売業 ▲17.3%、また自動車小売業 ▲32.8%と大幅に減少した。「不要不急」とされて買い控えられたものは、服やアクセサリー、家電、自動車など多岐に渡ることがデータから示された。
2011年4月26日火曜日
セミナーのご案内:『印刷会社が震災を乗り越えるための新規ビジネス』
私も運営に携わっております印刷会社様の新規事業成功を支援する『10→30戦略室』の5月度セミナーが、以下のように開催されることとなりました。是非ご参加いただければと存じます: ▼------------------------------------------------▼ 『10→30戦略室』第3回セミナー(2011年5月度) 【テーマ 】『印刷会社が震災を乗り越えるための新規ビジネス』 【開催日時】2011年5月31日(火) 13:30〜16:30 ※受付開始 13:15 〜 【会 場 】日本写真会館3階会議室 〒160-0004 東京都新宿区四谷 1丁目7番地 【アクセス】JR四ッ谷駅 四ッ谷口 徒歩3分 東京メトロ 丸の内線1番出口 徒歩5分 東京メトロ 南北線2番出口 徒歩3分 http://www.sha-bunkyo.or.jp/gallery/port.html (こちらのギャラリーが入っているビルの3階になります) 【参加費 】無料 【対 象 】印刷関連企業の経営者・新規事業担当者 【定 員 】36名 【内 容 】 第一部 『震災後に求められる印刷サービスとは』 講演者 ブライター・レイター 山下潤一郎 第二部 『震災から何を学ぶか』 講演者 株式会社バリューマシーンインターナショナル 宮本泰夫 第三部 『パネルディスカッション:ノウハウを武器に印刷会社が活性化する方法』 講演者 10→30戦略室 お申し込みは以下のサイトからお願いいたします: http://p.tl/IHdC 【参考情報】 山下 潤一郎:ブライター・レイター 代表 宮本 泰夫:株式会社 バリューマシーンインターナショナル 取締役副社長 ▲------------------------------------------------▲ セミナーに関してご質問などございましたらお気軽にご連絡いただければと思います。また、『10→30戦略室』につきましては、以下のサイトをご確認下さい: http://10-30.org/ 皆様のご参加、心よりお待ちしております。
こちらの写真は、今年1月に実施した第1回セミナーの模様です。
2011年4月10日日曜日
震災後の印刷業界の方向性
印刷界 2011年4月号に『緊急提言 震災後の印刷会社の方向性』というミニ特集が組まれているのですが、その中に私の『震災後に必要とされる印刷サービス』という記事も掲載されております。是非、お読み下さい。
尚、この『緊急提言 震災後の印刷会社の方向性』は、以下の記事で構成されています:
尚、この『緊急提言 震災後の印刷会社の方向性』は、以下の記事で構成されています:
- ブライター・レイター 山下潤一郎『震災後に必要とされる印刷サービス』
- 小森コーポレーション『印刷現場の予防保全 ― 地震・水害対策 ―』
- ハイデルベルグ・ジャパン災害緊急対策室『地震後の機械の取り扱いについて』
- 日本HP『Webオンライン会議システムなど無償提供』
ラベル:
HP,
ハイデルベルグ,
記事,
小森コーポレーション,
東日本大震災
2011年4月9日土曜日
二ツ星レストランの被災支援ランチ
市ヶ谷にある二ツ星レストラン『ル・マンジュ・トゥー』のお店の前に、4月30日より第1・3・5土曜日に震災支援ランチを始めるという案内が出ていました。売上の20%を被災地へ義援金としてお送りされるとのことです。美味しい料理を楽しんで、その料金の一部が義援金になるなんてうれしいことだと思います。この案内には書かれていませんが、このランチが風評被害で売上を落としている地域の食材を使ったものであったりすれば、更に貢献度は高まります。
先日このブログでご紹介した『FASHION GIRLS FOR JAPAN』のような、消費と被災地支援の両立を実現出来るイベントがもっと広まることも、被災地の一日も早い復興に繋がると思います。グルメの皆さん、是非『ル・マンジュ・トゥー』のランチを通じて、被災地の復興を支援して下さい。そして、こうした活動を広めて下さい。
先日このブログでご紹介した『FASHION GIRLS FOR JAPAN』のような、消費と被災地支援の両立を実現出来るイベントがもっと広まることも、被災地の一日も早い復興に繋がると思います。グルメの皆さん、是非『ル・マンジュ・トゥー』のランチを通じて、被災地の復興を支援して下さい。そして、こうした活動を広めて下さい。
2011年4月4日月曜日
NHKでも取り上げられました:FASHION GIRLS FOR JAPAN
先日こちらのブログで紹介したイベント『FASHION GIRLS FOR JAPAN 60+ DESIGNERS/ 60+ ROLLING RACKS』が、NHKのニュースでも取り上げられました:
NY被災者支援の特別セール:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110403/k10015070701000.html
東北地方そして日本全体が一日も早い復興を実現し、更にこれまで以上に発展するためには、経済の活性化が不可欠だと思われます。日本国内でも、こうしたイベントの積み重ねによって継続的な東北地方への義援金の流れを作り、また全国の企業活動を活性化する動きが広まることを期待します。
NY被災者支援の特別セール:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110403/k10015070701000.html
東北地方そして日本全体が一日も早い復興を実現し、更にこれまで以上に発展するためには、経済の活性化が不可欠だと思われます。日本国内でも、こうしたイベントの積み重ねによって継続的な東北地方への義援金の流れを作り、また全国の企業活動を活性化する動きが広まることを期待します。
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