私が参加した報告会などによれば、Landa型インクジェット機を実現するに当たっての主な課題として、以下ような点が挙げられます:
- ブースに展示してあった印刷サンプルに見られたスジをなくすこと。
- ベルト上に作成したイメージを紙やフィルムなどに100%(あるいは安定的に)転写すること。
- ベルト上で発生した水蒸気がインクジェットヘッドからのインクの噴出を妨げないようにすること、など
これまでの(つまり、Landa社が登場するまでの)インクジェット機の開発期間を見ると、こうした課題を18ヶ月以内に解決するのは簡単なことではないようです。特に、Landa社もdrupa期間中に提携を発表した小森コーポレーション・ハイデルベルグ・マンローランド(枚葉部門)もインクジェット機の開発についてのノウハウはそれほど多くないと推測されるため、多くの関係者は「難しいのでは」と考えているようです。
しかしLanda社は、こうした課題を解決するための技術を持つ会社と新たに提携するかもしれませんし、こうした技術を持つスタッフを新たに採用するかもしれません。あるいは、研究開発にこれまで以上の予算を投じることで、課題を解決するかもしれません。今の段階では、18ヶ月後の状況を予測するのは難しいと思われます。
ただ、その間にもLanda社やそのパートナー企業から進捗状況についての報告が行われるかと思いますので、そうした情報を収集・分析しつつ、Landa型インクジェット機の発売時期について評価していきたいと思います。
Landa型インクジェット機は、印刷速度の向上や画質の向上に加えて用紙対応性の高さなどから、デジタル印刷の利用範囲を拡大する可能性を持っています。また、大きなタッチスクリーン式操作パネルも、小ロット・多品種・多ジョブ化が進む中でひとつの方向性を示しており、大変興味深いデジタル機だと考えられます。これからも引き続き、Landa型インクジェット機の開発状況に関する情報を積極的に集めていきたいと思います。