印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2013年1月19日土曜日

Landa型インクジェット機の最新動向:2013年1月中旬時点

米国の市場調査会社 Infotrends社 のブログに drupa 2012 で大きな話題になった Landa型インクジェット機の最新動向が掲載されていましたので、その一部をご紹介します。なお、こちらの情報は、2013年1月15日〜18日に米国ラスベガスで開催された efi社主催のイベント "EFI Connect" での取材結果だそうです:

  • Landa社はこれまでに、世界中から430の契約書(LOI)を獲得している。特に、アジア大平洋地域からの注文が多い。
  • 2013年末までに当初計画通り βテストを開始するが、その際の機種は S10(B1サイズ枚葉機)の予定。また、解像度は当初計画の600dpiから1,200dpiに向上される計画。
  • βテストは商業印刷(1カ所)とパッケージ/フォールディングカートン(1カ所)が予定されている。地域は、米国と中欧となる見込み。
  • drupaで発表した提携相手(小森コーポレーション、ハイデルベルグ、マンローランド)に先駆けて自社製品を発売する予定。βテストでは、自社のサービスエンジニアを派遣する。
  • ワークフローソフトやフロントエンドは、自社製品を開発するのではなく、パートナー企業から調達する計画:
    • 今回ランダ氏はefi社のイベントで基調講演を行いましたが、イベントの前に「efi社がワークフローやフロントエンドのパートナーとして決まっている訳ではない」といった旨の発言をしていました。
Landa型インクジェット機については、開発・導入に関する進捗状況が発表される度に新たな驚きがあります。drupa 2012での登場が華やかだった分、実際の製品開発が進むと様々な課題が出てくるのでは・・・という懸念もありましたが、今のところ印刷会社(そして投資家)の大きな期待に支えられて順調に進んでいるようです。1年後にどのような製品を市場に投入しているのか、とても楽しみです。

ところで、ランダ氏は2014年に英国で開催される展示会 IPEX には出展しないことを発表しています。ということは、今年秋に開催されるPRINTが、実際に市場に投入される製品を間近に見て検討する良い機会になるかもしれません。私も、是非行ってみたいです。


2013年1月4日金曜日

2013年の新規印刷サービス機会

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

スマートフォンやタブレット端末の更なる広まり、SNSやAR(拡張現実感)の利用拡大、drupa 2012 で発表された新型インクジェット機やトナー機の市場投入など、印刷市場を巡る状況は、2013年も引き続き大きく変化を続けることが予測されます。こうした変化は既存の印刷サービスにマイナスの影響を与えることも見込まれることから、目を背けたいと考える印刷会社も少なくないでしょう。しかし、新たな市場機会を模索する印刷会社にとっては、こうした変化の動向を注視し、そこから生じる新たな市場機会を見い出すことが重要になります。

ブライター・レイターでは年頭に当たり、新たな市場を開拓し、売上・利益の拡大実現を目指す印刷会社が注目すべき新規印刷サービス機会として、以下の5つを挙げようと思います:
  1. スマートフォン向け・タブレット向け印刷通販:
    • アプリを活用した消費者や小規模事業者向けの印刷通販サービス。
  2. 海外市場向け印刷通販:
    • 日本の高品質な印刷物を海外市場に向けて在庫レスで販売する印刷通販サービス。
  3. SNS連動型印刷サービス:
    • フェイスブックやツイッターなどSNSで繋がったユーザーを、印刷物を活用することでリアルの店舗やベントに誘導するサービス。
  4. ARマーケティングサービス:
    • ARを活用することで、広告や印刷広告媒体の費用対効果向上を実現するサービス。
  5. 「『○○印刷』× DPS(Data Print Service)」サービス:
    • 『○○印刷』の部分には、商業印刷、新聞印刷、雑誌印刷、パッケージ印刷、シール・ラベル印刷などの印刷サービスが入ります。これらの印刷サービスにDPSのデータ処理や後加工のスキルを組み合わせるとでパーソナライズやカスタマイズを実現し、よりマーケティング効果の高い印刷物を提供するサービス。
もちろん、上記以外にも魅力的な印刷サービスは様々なものが考えられるかと思われますし、市場環境の変化に伴って更に新たな市場機会も現れてくるでしょう。2013年も印刷業界にとって刺激的な年になることは確実です。本年もこうした情報の提供、そして新規印刷サービスの立ち上げ・拡大の支援を通じて皆さまの事業拡大に貢献いたしますので、何卒よろしくお願いいたします!

ところで、以下の写真はiPhoneで名刺が制作・発注できるアプリベースの印刷通販サービス、「みんなの名刺」です(上記 1 の事例になります)。2012年11月にサービスが開始された「みんなの名刺」は、約140種類(2013年1月3日時点)のテンプレートからデザインを選び名刺を作成するというサービスです。名刺とはいえトレーディングカード風のデザインテンプレートもあり、利用者のアイデア次第でとても面白いカードを作ることができます。

また、40枚で1パックなのですが、1種類の名刺を40枚注文するだけでなく、40種類の名刺を各1枚注文することもできるようになっています。さらに、両面フルカラー印刷 + 両面UVニス加工で価格は840円(送料込み、片面印刷同価格)、13時までの注文なら当日発送という特徴もあることから、利用は順調に伸びているそうです。

1枚目の写真はテンプレート選択画面、2枚目は私が作成した40種類各1枚という名刺です。ちなみに、前回のブログで「ある海外の印刷通販会社のマネージメントの方々とお話しする機会があった」と書いたのですが、それはこの「みんなの名刺」についてでした。世界でも注目される「みんなの名刺」、とても面白いサービスなので是非ご利用ください (^ ^)