印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2011年8月19日金曜日

国内フォトブック市場の世界シェア

フォトブック普及協議会が発表しているデータと7月に開催された『HPフォトビジネスセミナー』で使われたデータを組み合わせると、2010年における日本国内のフォトブック市場規模(冊数ベース)は世界全体の8.6%を占めていることが分かります。この比率について、皆さんはどのようにお感じになりますでしょうか?

私は、「高い比率」だと思いました。国内のフォトブック市場には、デジタル印刷機だけでなくミニラボを使って制作されたものも含まれています。また、海外市場の定義も、国内とは必ずしも一致していないと思われます。こうした状況を考慮したとしても、「高い比率」だと思います。日本市場が世界の数%を占めるデジタル印刷サービスは、それ程多くないと思われるためです。

また、日本市場シェアの推移をみても、増加傾向にあることが分かります。確かに、国内市場規模はフォトブック普及協議会が予測するように急速に伸びてはいません。しかし、日本市場シェアの推移を見る限りでは、少なくとも他市場と同じ程度かそれ以上に伸びていることが分かります。

同時に、デジカメやカメラ付き携帯電話の広まりによって、国内フォトブック市場の拡大の余地は大いにあります。こうした事業機会を上手くとらえて更に市場を大きく伸ばすことができれば、日本が世界のフォトブック市場を牽引する可能性も十分あります。

フォトブック市場には、「日本はデジタル印刷が遅れている」という決まり文句をひっくり返すポテンシャルがあるようです。また、フォトブック市場に取り組むことで、印刷会社は『BtoC型サービス』という広大で利益率も高い市場を開拓することも可能となります。

今年の夏休みに、沢山の写真を撮られた方も多いかと思います。また、この秋も残暑の頃は涼を求めて、その後は紅葉を楽しみにデジカメ片手に旅行される方も少なくないでしょう。こうした方々にフォトブックを作っていただくサービスを開発・提供することは、印刷会社さらには日本の印刷業界全体が、新しい世界をかいま見る良い切っ掛けになるかも知れません。