今回、ad tech Tokyo 2014に参加して分かったのは、「パーソナライズされたメディアをタイムリーに提供すること」がデジタル・マーケティングにおける大きな話題のひとつだとということです。しかも、広告主の視点からみた場合、クロスデバイス/クロスメディアでタイムリーなone-to-oneマーケティングを実現することが求められています。
ad techらしく、会場では「ソーシャルメディア」「エンゲージメント」「ビッグデータ」など比較的広く知られているサービスに加えて、「ネイティブ広告」「SSP」「DMP」「プログラマティック」「キュレーションメディア」といったさまざまな新しい言葉/考え方/サービスが取り上げられていました。デジタル・マーケティングの世界では、これらを活用しパーソナライズされたメディアをタイムリーに提供しようとしています。
もちろん、これらの最新技術・最新サービスを理解し、自社の印刷サービスに組み込むことができれば、印刷会社にとって素晴らしいことだと思います。しかし、それは必ずしも不可欠ではありません。印刷会社にとって大切なのは、「パーソナライズされた印刷物をタイムリーに提供すること」です。そして、これはデジタル印刷を使えば可能です。
これまで、デジタル・マーケティングと印刷を全く別ものと考えていた方も多いかと思います。これは印刷会社に限らず、企業のマーケティングご担当者、デジタル・マーケティングに関わる方々でもそうだと思います。
しかし、デジタル印刷機が広く使われるようになり、デジタル印刷向けソリューションも充実してきている今、デジタル・マーケティングとデジタル印刷を組み合わせたサービスは、十分に現実的です。
ところで、下の写真はTwitter社によるキーノートで撮影したものです。Twitterは、自社をUnpredictable(予測できないこと)と位置付けています。また、会場でよしもとクリエイティブ・エージェンシーとの提携が発表されました。例えば、こうした動きをしているTwitterと組み合わせたデジタル印刷サービスには、どのようなものが考えられるでしょうか?
刺激的で市場規模も大きい魅力的な新規サービスを探している印刷会社の皆さん、この事業機会をぜひ実現してください!また、お手伝いが必要な際には、ぜひお声がけください (^ ^)
印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。
2014年9月24日水曜日
2014年9月22日月曜日
ad tech Tokyoに見る新規印刷サービス機会:アマゾンと楽天の相違から
2014年9月16日〜18日、東京国際フォーラムでデジタル・マーケティングのイベント、ad tech tokyo 2014が開催されました。私は今回が初めての参加でしたが、登壇者の豪華な顔ぶれや活気溢れる展示会に圧倒されつつも、また印刷業界からの参加にアウェイ感(笑)を覚えつつも、とても刺激的で楽しい時間を過ごしました。
キラ星のようなスピーカーの中には、楽天とアマゾンという日本と世界を代表するECサイトの方々が含まれていました。両社ともたくさんの優良なユーザーを抱え、また質の高い顧客データを大量に持っています。特に、年齢・性別・住所といったデモグラフィックデータではなく、ライフスタイルを切り口にしたセグメンテーションが求められる昨今、この両社が持つ購買データの価値はとても高いものになっています。
今回、この2社から「自社の広告プラットフォームとしての価値」という切り口でお話しがありました。面白かったのは、両社の(少なくとも私が受け取った)メッセージが、以下のような違いを持っていた点です:
データを欲しがっている方には、楽天のメッセージが有効かと思われます。しかし、結果を出すことを求められている多くの広告主にとっては、アマゾンのメッセージの方が魅力的だと思います。
ところで、楽天とアマゾンのメッセージの「データ」を「印刷機」に置き換えると、以下のような印刷営業トークになりそうです。皆さんは、どちらの営業トークが顧客にとって魅力的だと思いますか?あるいは、印刷会社の利益率を高めることができる営業トークは、どちらでしょうか:
そういえば、楽天がユーザーの効果的・効率的な「情報収集」に焦点を当てる一方、アマゾンは繰り返し"create experiences" (経験・体験を創造する)とおっしゃっていました。印刷会社も、単に情報を伝えるための印刷物ではなく、「経験・体験を創造する」印刷物を提供するよう転換するタイミングなのかもしれません。
ad techは、新しい印刷サービスを考える上でとても参考になるイベントでした。デジタル・マーケティングと印刷サービスは、私たちが考えているより近いもののようです。
次回も、ad techで得た新しい印刷サービスのヒントをご紹介します。お楽しみに!
キラ星のようなスピーカーの中には、楽天とアマゾンという日本と世界を代表するECサイトの方々が含まれていました。両社ともたくさんの優良なユーザーを抱え、また質の高い顧客データを大量に持っています。特に、年齢・性別・住所といったデモグラフィックデータではなく、ライフスタイルを切り口にしたセグメンテーションが求められる昨今、この両社が持つ購買データの価値はとても高いものになっています。
今回、この2社から「自社の広告プラットフォームとしての価値」という切り口でお話しがありました。面白かったのは、両社の(少なくとも私が受け取った)メッセージが、以下のような違いを持っていた点です:
- 楽天:ウチは、こんなスゴいデータを持っています!ちなみに、ウチのデータを使うとこんなコトができます:
- 例:楽天とサントリー製品の相性の良さが分かります。
- アマゾン:ウチを使えば、こんなスゴいプロモーションができますし、良い結果も出ます!その理由は、スゴいデータを持っていて、その使い方も知っているからです:
- 例1:ソニー 4Kテレビ
- 例2:ニベア
- 例3:ペプシコ フレッシュ・ジュース
- 例4:日産 Versa(日本名:ティーダ)
- 例5:アイリスオーヤマ
データを欲しがっている方には、楽天のメッセージが有効かと思われます。しかし、結果を出すことを求められている多くの広告主にとっては、アマゾンのメッセージの方が魅力的だと思います。
ところで、楽天とアマゾンのメッセージの「データ」を「印刷機」に置き換えると、以下のような印刷営業トークになりそうです。皆さんは、どちらの営業トークが顧客にとって魅力的だと思いますか?あるいは、印刷会社の利益率を高めることができる営業トークは、どちらでしょうか:
- A社:ウチは、こんなスゴい印刷機を持っています!ちなみに、ウチの印刷機を使うとこんな印刷物ができます。
- B社:ウチを使えば、こんなスゴいプロモーションができますし、良い結果も出ます!その理由は、スゴい印刷機を持っていて、その使い方を知っているからです。
そういえば、楽天がユーザーの効果的・効率的な「情報収集」に焦点を当てる一方、アマゾンは繰り返し"create experiences" (経験・体験を創造する)とおっしゃっていました。印刷会社も、単に情報を伝えるための印刷物ではなく、「経験・体験を創造する」印刷物を提供するよう転換するタイミングなのかもしれません。
ad techは、新しい印刷サービスを考える上でとても参考になるイベントでした。デジタル・マーケティングと印刷サービスは、私たちが考えているより近いもののようです。
次回も、ad techで得た新しい印刷サービスのヒントをご紹介します。お楽しみに!
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