今年も多くの方々のお話をお伺いしたり、イベントや展示会などに参加したりしました。特に、今年はWeb広告研究会に参加するようになったことから、マーケティングという観点から印刷市場について考える機会が増えました。マーケティングの最新動向などから予測される2016年の印刷サービスのトレンドとして、例えば以下のようなものが挙げられます:
厳しい状況にあると言われる印刷市場も、マーケティングなど他の大きなトレンドと組み合わせて考えると、とてもたくさんの面白い事業機会が見えてきます。ぜひ皆さんもこの年末・年始はいつもと違った視点から印刷市場を見つめ直してください。
さて、次回は7月の投稿に続く2回目のdrupa2016 大胆予測!です。今度は、IGAS2015の結果などを受けての予測になります。お楽しみに (^ ^)
- 顧客や「顧客の顧客」と楽しさ・嬉しさなどを共有できる印刷サービス:
- 顧客と一緒に継続的にサービス品質向上に取り組むサービス。
- 顧客と一緒にPDCAサイクルを回すサービス:
- マーケティング分野のCX(顧客体験)重視の流れを反映したサービスが、印刷市場にも求められるようになる。
- 印刷物の「納品後」を意識することで実現可能。
- 「多品種 × メガロット」印刷サービス:
- 例えば、ナショナルブランド商品パッケージのパーソナライズに対応する印刷サービス:
- 新聞(特に全国紙)のパーソナライズも
- IGASで見られたように、生産性の高いパッケージ向けデジタル印刷機が増えてきたから。
- また、パーソナライズはCX向上にもつながるから。
- Data Driven 印刷サービス:
- デジタルマーケティング分野のツール(MarTech: Marketing Technology)と印刷を組み合わせたサービス:
- マーケティングオートメーション(MA)× 印刷
- ビジネスインテリジェンス(BI)× 印刷、など
- 例)Webサイトでアクセス数が急に増えたコンテンツの内容を反映させた店頭POPをタイムリーに印刷・配布するサービス
- このサービスにより、Webとリアルをさらに密接につなげることができる。
- 「ワンタッチ」印刷サービス:
- NFCなどを使うことで、「ワンタッチ」で印刷物からWebに誘導できるサービス:
- Web側のランディングページやWebへのアクセス状況、Webへの誘導後の行動などを分析し、サービスを改善する提案する仕組みまであわせて提供する。
- 英国の印刷会社 moo は、PAPER+ でこのサービスを開始した:
- 2015年秋にサービスイン。
- ARやQRでは、アプリのダウンロード・アプリの起動・マーカーの読み込みと複数のステップが必要。
- ただし、NFCを使ったサービスはiPhoneでは非対応(2015年12月時点)
- 定額型印刷サービス:
- 例えば、月額で継続的に課金できる印刷サービス:
- 「ワンタッチ」印刷サービスでWebのアクセス状況などを継続的に分析するサービスなど。
- 印刷物を提供する際には、別途課金する。
- エコシステムに基づく印刷サービス:
- 異なる強みを持つ複数の印刷サービスを組み合わせることで、顧客が受け取る価値の最大化を目指すサービス:
- エコシステム:価値の掛け合わせ
- 横持ち:作業の分担
- 総合印刷からの脱却/エキスパートとしての新たな展開を促進。
- 作業志向から価値志向への転換を促進。
厳しい状況にあると言われる印刷市場も、マーケティングなど他の大きなトレンドと組み合わせて考えると、とてもたくさんの面白い事業機会が見えてきます。ぜひ皆さんもこの年末・年始はいつもと違った視点から印刷市場を見つめ直してください。