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2019年10月1日火曜日

『フィジカルメディア』の7つの魅力

興味深いことに、企業の(Webサイトなど)「デジタルメディア」への取り組みが進んだ結果、あわせて「フィジカルメディア」への注目も高まっています。フィジカルメディアとは手で触れる「物理的なメディア」のことで、例えば、ポスターやパンフレット、DM、ステッカー、バッジ、Tシャツ、写真、パッケージ、などが含まれます。

フィジカルメディアが注目される理由として、以下のような(デジタルメディアとは違った)「7つの魅力」があることが挙げられます: 

1)自然と目に触れる機会が増える
2)部屋や持ち物などを飾れる

フィジカルメディアを普段人々が通ったり過ごしたりする「フィジカル空間」に貼ったり置いたりすることで、(そのメディアを使っている)ブランドが自然と人々の目に触れる機会が増えます。もちろん、電源の取れない場所や電波が届かない場所でも問題ありません。

しかも、気に入ったら持ち帰ってポスターなら部屋を、バッジやステッカーならスマホや財布、パソコン、お気に入りのバッグなどを飾ることもできます。Tシャツなら普段着ることができます。

気に入ったフィジカルメディアを日常生活の中で飾ったり着たりすることで、本人だけでなく、その家族や友人、同僚といった身近な人たちの目にブランドが触れる機会・時間も自然と増えます大切な人が身につけたりしていれば、そのブランドの好感度も大きく高まります。


3)取っておける
4)寿命が長い

ご自宅やオフィスの冷蔵庫に、近所のピザ屋さんやお弁当屋さんのメニューなどを貼ってある方は少なくないでしょう。机の引き出しや本棚、押入れには、昔手に入れた思い出のパンフレットやポスター、包み紙、切り抜き、ノベルティグッズなどが入っているかもしれません。

昔のポスターといえば、例えば、前田美波里さんの水着写真が使われた資生堂ビューティケイクのポスター(1966年)、「ムーラン・ルージュ」など1890年代にロートレックがデザインしたポスター、赤ワインの入ったグラスを女性が胸元に掲げているサントリー「赤玉ポートワイン」のポスター(1923年)などは、多くの方がパッと思い浮かべることができると思います。

資生堂初代社長福原信三氏の口癖のひとつに「ブランドは世界に通用しなければならない」というのがあったそうです。今なら、「ブランドは時代・世代を超えて通用しなければならない」とも仰るかもしれません。

寿命が長いフィジカルメディアは、時代・世代を超えて通用するブランドづくりに貢献する大切な資産です。多くの優れたフィジカルメディアが残ることで、ブランドの魅力はより高まります。


5)形や大きさ、素材がいろいろ
6)折ったり、開いたり、貼ったり、はがしたり、めくったり、切ったり、破ったり、食べたり、丸めたり、クシャクシャにしたりできる
7)五感で楽しめる

フィジカルメディアは形や大きさ、素材などを工夫することで、いろいろな見え方・手触りなどを楽しめるようにできます。例えば、雑誌の「袋とじ」付録は、袋を破る時の手ごたえや音も楽しめます。最近では食べ物に印刷する技術も開発されていることから、香りや味の付いたフィジカルメディアもできます。

視覚に加えて触覚や聴覚、味覚、嗅覚など五感を使った「体験」を(デバイスなしに)提供できること。これもフィジカルメディアならではの特徴です。

このような魅力を持つフィジカルメディアは、「拡散力」「瞬発力」「柔軟性」などに優れたデジタルメディアと組み合わせることで、より効果的・効率的なコミュニケーションを実現できます。マーケターの皆さん、ぜひフィジカルメディアも積極的に活用しましょう!

もし、フィジカルメディアの使い方・つくり方のご相談先を探されるときには、ブライター・レイターまでお気軽にお声がけください (^ ^)