印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2014年1月29日水曜日

後加工機が印刷会社の受注できる仕事を決める!?

「所有している後加工機で、印刷会社の受注できるオンデマンドの仕事は決まる」

これは、ある印刷会社のデジタル印刷サービス責任者の方からお伺いした言葉です。確かに、オンデマンドの仕事では外注に出す時間的な(あるいは利益的に)余裕がない場合が多くあります。そのため、後加工まで含めて内製化できる仕事が、受注できる仕事内容になります。

改めて考えると、最近ではオンデマンド性が求められる印刷の仕事が増えています。ということは、先ほどの発言は「所有している後加工機で、印刷会社の受注できる仕事は決まる」と言い換えることも可能になりそうです。もちろん、納期(そして利益率も)を十分に確保できる仕事については、この言葉は必ずしも当て嵌まりません。しかし、そうした仕事は、皆さんもご存知の通り、減ってきています。

昨秋(201311月)に全印工連から「印刷産業性長戦略ビジョン2013 『印刷道』〜 ソリューション・プロバイダーへの深化 〜」が発行されました。この中で「ソリューション・プロバイダーの6類型」という、印刷会社が進化し得る6種類の方向性が示されています。このうちどのパターンを選んだとしても、オンデマンド印刷が含まれるサービスを提供する場合には、所有する後加工機がそのサービス内容に大きな影響を及ぼしそうです。

一昨年に開催されたdrupa2012以降、オンデマンド後加工機に対する注目も高まっています。昨年開催されたJGASでは製本の分野を中心にオンデマンド後加工が、ラベルエキスポヨーロッパではシール・ラベルのオンデマンド後加工ソリューションが大きな話題となりました。

今後は、これらの分野に加えて、市場の拡大が見込まれるパッケージ分野、あるいはさらなる効果・効率の向上が求められるDM分野などにおいて、面白いオンデマンド後加工ソリューションが出てきそうです。後加工ソリューションの進化に伴い、印刷会社の事業がどのように展開していくのか、とても楽しみです (^ ^)