私は、印刷物を「最も人間味のある親密なメディア」だと考えています。手で触ることができ、気に入れば部屋に飾ったり、カバンに入れたりノートに挟み込んだりして持ち運ぶことができます。机の中や本棚にしまっておいて、何年も経ってから家族や友人、同僚にみせたりもできます。つまり、印刷物は引越しの準備や大掃除が進まない原因にもなります(笑)
デジタルツールと連携させることで、私たちは印刷物にもっと人間味や親密さを持たせることができます。データを通じてお客さまの理解を深めた上で、印刷物をお送りできるからです。
Web広告研究会の「2019年WAB宣言」(2019年3月25日発表)は、「Web/デジタルの枠を超えて、顧客の期待を超える体験を」というものでした。最近、データドリブン印刷物を活用した取り組みが増えているのは、より人間味のある親密な印刷物が(リアル領域で)顧客の期待を超える体験を提供するのに役立っているからだと考えられます。
データドリブン印刷物活用はこれまで海外が中心でしたが、国内でも増えつつあります。例えば、今年3月に発表された「第33回全日本DM大賞」では、ディノス・セシールさま「カート落ちDM」「小冊子DM」(金賞グランプリ)、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパー)さま「LTV向上 店舗誘導パーソナライズDM」(銀賞)などが表彰されました。
印刷メディアビジネスの総合イベントpage2019では、IDOM社の「乗り換え促進DM」の事例が紹介されました。これは、IDOMでこれまでに自動車を購入されたお客さまに対して、現在乗っているお車の推定査定額と推定ローン残高から「推定差額」を算出し、その推定差額を「乗り換え資金」としてご提案するDMです。
DM以外にも、以下のような様々なデータドリブン印刷物が考えられます:
- データドリブン 店頭POP
- データドリブン カタログ
- データドリブン 雑誌
- データドリブン 参考書・問題集
- データドリブン ラベル
- データドリブン パッケージ、など
ところで、データドリブン印刷物でもクリエイティブはとても大事です。印刷物に人間味を持たせ、効果を高めるのにクリエイティブは大きな役割を果たすからです。データドリブン印刷物の取り組みが広まるにつれて、こうした部分で知見を持つ印刷会社への期待はどんどん高まっていくでしょう。
データドリブン印刷物を活用した取り組みは、まだ始まったばかりです。ぜひこのタイミングでデータドリブン印刷物に取り組み、持続的成長力を高めましょう!
ディノス・セシールさま「カート落ちDM」スキーム |