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2021年5月11日火曜日

virtual.drupa 2021 は『自動運転 drupa』!

 世界最大の国際印刷機材展 drupa が先月(2021年4月)、コロナ禍の影響によりvirtual.drupaとしてオンラインで開催されました。drupaは毎回「Inkjet drupa」といった展示内容のトレンドを表すニックネームが付きますが、今回のvirtual.drupaは『自動運転(autonomous)drupa』だったと筆者は考えます。

自動運転の範囲は各機材だったり、(プリプレス・印刷・後加工といった)各工程だったり、工場全体だったり様々ですが、データとAIを活用して(オペレータではなく)システムが自律的に生産活動を行うという方向性は共通して見られました。特に、ハイデルベルグKBA小森コーポレーションといったオフセット機メーカが、自動運転のビジョンをサービス紹介動画やオンラインセミナーで提案し、存在感を高めていました。

とはいえ、印刷機材や印刷工場が急に「完全運転自動化」になる訳ではありません。今後は、自動車のような「運転自動化レベル」を指標として使いながら、印刷機材や工場の自動運転かレベルを把握・向上させていくことになるでしょう。次回以降のdrupaでは、「この機材はレベル3の自動運転を実現しています」「あなたの工場の自動運転化レベルを3にするサービスです」といった提案が出てくるかもしれません。とても楽しみです。


virtual.drupaでは、「循環型経済/ 3R」「加飾 vs 簡素化」「若手不足」といった様々な印刷業界が取り組むべき課題/印刷会社の競争力向上ポイントの指摘もありました。印刷会社は機材の進化に加えて、こうした点も意識をしながらコロナ禍を乗り越えて売上・利益の増大を実現することが求められます。自動運転化は、こうした課題を解決したりするための手段ですから。


次回drupaは、2024年5月28日〜6月7日にデュッセルドルフで開催されることが主催者から発表されています。今回注目された自動運転や循環型経済に対して出展企業からどのような提案があるのか、楽しみにしながらdrupa2024を待ちましょう!