印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2023年2月24日金曜日

ブライター・レイター流 東京インターナショナル ギフト・ショー レビュー!

 2023年2月15日〜17日の3日間、日本最大級のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「東京インターナショナル ギフト・ショー 春 2023」が開催されました。東京ビッグサイト東館1〜7ホールを使った大きな展示会で、主催者発表によれば、出展社数 2,774社・来場者数は 229,968人でした。

印刷物や印刷・加工技術を専門とするブライター・レイターが注目したのは、例えばインクジェット技術を使ったグッズやサービス。曲面に印刷したり、金属や布、人工皮革などに印刷したりするのに、インクジェット技術は適しています。インクジェット印刷機はオフセット印刷機に不可欠な「版」が不要なため、1点でも製作することが可能です。会場では、以下のようなグッズ・サービスに高い注目が集まっていました:

* 海鴻社(東京都葛飾区) 回転印刷加工
ビッグビジョン(北海道函館市) 写ボール
絆工房(兵庫県豊岡市) クッションカバー、オリジナルデザイン傘、など



また、以下のような、触っても楽しめる印刷物を紹介していたブースも、たくさんの来場者で賑わっていました:

新晃社(東京都北区)印刷加工実験室 SAWARIGAMI
千葉印刷(東京都渋谷区)さかなかるた、など


商業印刷や出版印刷系の展示会ではあまり見かけな印刷機も見受けられました。例えば、商品タグや品質表示タグ用の印刷機(熱転写方式)。こうした印刷機を使うことで、オリジナルのTシャツやエコバッグなどを制作する際、タグにもこだわることができます(写真は、フタバ(愛知県稲沢市)の「ラベル太郎」(アパレルタグプリンター)・「ネーム太郎 mini」(品質表示ラベル、洗濯ネームなど)です):


エコだったりエシカルだったりするグッズやサービスも、女性向けのものを中心に多く見られました。エコ・エシカルなパッケージ用の資材や印刷・加工技術も増えていますが、今回会場で提案されていたグッズなどでこうした資材・技術がどう活用されているかは、残念ながら時間がなくて確認できませんでした:


会場には他にも、レーザーカッターを使った装飾品(第一印刷所 きざむ)や地図を活用したグッズ(オフィス六・7)など、面白い様々なグッズやサービスが提案されていました。

こうした最新の印刷・加工技術を活用したグッズやサービスを通じて、顧客やファン、パートナーなどに「より良い体験」を提供することができます。日々の生活で手で触れたり目に触れたりできるフィジカルなメディアなら、より大きな効果を得ることも可能です。

マーケティング効果の高いフィジカルなメディアにご興味のある方は、お気軽にお声がけください。

2023年2月6日月曜日

武蔵美CI学科・CLコースの卒展@市ヶ谷キャンパスに行ってきました!

2023年1月20日〜22日の3日間、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで同大クリエイティブイノベーション(CI)学科・大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップ(CL)コース卒業・修了制作/研究が展示されました。

CI学科・CLコースはともに2019年に新設されました。CI学科は「社会的イノベーションに取り組み、新たな価値創造に寄与する人材を育成する」学科で、今年(2023年)の卒業生が1期生となります。

CLコースは、「同校が独自の造形・教養教育で培ってきた『創造的思考力』および『批判的思考力』をもとに、徹底したプロジェクト実践型のカリキュラムを展開することで、社会問題の解決や新しい仕組みづくりにおける『クリエイティブリーダーシップ』を身につけ、企業のマネジメントや、起業・スタートアップ、ビジネス戦略といったフィールドで活躍する人材の育成」を目指しています。

その卒展、社会課題解決を意識した学科・コースではありますがそこはさすが美大、(タイトルも含めて)個性全開の「作品タイプ」の制作/研究も展示されていました:

* 櫻井梨桜氏(CLコース)「ギャルマインドの定義と社会をアゲていく提案
* 藤田麻里氏(CI学科)「激アツメディアミックスIP『刹那・ザ・セツナ』
* 中村真理氏(CI学科)「もの モノ 物 もの」(家の全てのものを集めてみた)、など


もちろん、大学・大学院らしい「リサーチ型」の研究発表もありました。ただ、これらもやはり美大生らしい切り口でした。ボブヘアや新宗教の宗教美術で、例えば地域活性化などできたら面白そうです:

* 秋山裕俊氏(CLコース)「VR体験価値の体系化と理解促進のための探索的研究」
* 岩井彩音氏(CI学科)「日本のボブヘアの歴史 - 大正末期から昭和初期にかけて -」
* 小島響氏(CI学科)「新宗教における宗教美術」、など

社会課題解決を意識した学科/コースだけに、「お仕事型」の作品/研究もたくさんありました。大学と企業・社会がずいぶん近くなっていることが実感できました:

* チン イ氏(CLコース)「都市植生の調査による緑化媒体の提案」
* 乾友乃氏(CI学科)「『さびしい』という感情のビジネスチャンスの調査研究」
* 榊原宏介氏(CI学科)「サーキュラーエコノミーを考慮したスニーカーの作品研究」、など


この卒展を通じて、解決すべき社会課題やそれらを解決するアプローチには様々なものがあることを改めて理解しました。多くの印刷会社でも社会課題の解決に取り組んでいると思います。時に美大生に負けない(あるいは、上回る)大胆だったりクリエイティブだったりする課題解決方法も取りつつ、より良い/より大きな成果を目指しましょう!

#武蔵美卒展
#武蔵美市ヶ谷キャンパス