印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2011年7月1日金曜日

フォトブック市場活性化のポイント:写真館向け市場

6月21日・22日、東京ビッグサイトにてフォトネクスト2011が開催されました。私は両日とも会場に足を運んだのですが、多数の来場者で盛り上がっていました。今回も話題の中心は『フォトブック』。前回までは消費者向けの気軽に作成できる低価格のものも少なからず見受けられましたが、今回は写真館向けの結婚式用を中心とした豪華なものの紹介ばかりが目に付きました。

その豪華なフォトブック、銀塩写真を使う10ページ程度のものもありましたが、多くは数十ページ、中には60ページ・80ページといったデジタル印刷機で印刷されたものでした。21日にセンターステージで行われた吉田写真館さんのプレゼンの中で、「デジタルカメラを使うようになってから、カット数が増えました。七五三の撮影では、和装300カット・洋装300カットの合計600カットから選び、フォトブックを作ります。」というお話しがありましたが、ページ数の多いフォトブックがフィーチャーされた背景には、写真館におけるデジタルカメラの利用が増えていることがありそうです。

ただ、来場者は必ずしもページ数の多いフォトブックには興味を示していないように感じました。考えてみれば、これまで写真館はいわば『究極の1カット』を目指して技を磨き、様々な機材を導入されてきました。しかし、ページ数の多いフォトブックは、これと正反対の方向を向いています。こうした方向性の違いというか多様化に、戸惑う写真館も多いと思われます。

写真館向けフォトブック市場が更に大きく発展するためには、『究極の1カット』とページ数の多いフォトブックは対立するものではなく、むしろ補完し合うもので、商材という点でも双方を揃えることで顧客にとって更に魅力的になることを、写真館にご理解いただくことが重要だと思います。そのためには、展示会においては機材・商材の展示に加えて、写真館のビジネスモデルについて議論するような場があっても良いかと思われます。

来年のフォトネクストは、どの様な話題が中心を占めるのでしょうか。今からとても楽しみです。