Web & モバイル マーケティング EXPO は『スマートフォン & モバイル EXPO』と同時に開催されていることから、会場ではスマホ向けサービスの最新の状況を知ることもできます。私の見た感じでは、スマホでは「アプリの使い方」が大きなトピックでした。
例えば、NTTコムウェアのブースでは、AR(Augumented Reality、拡張現実感)を使ったデモが行われていました。そのうちのひとつが、2010年9月にJR小樽駅および小樽運河周辺エリアでの実証実験で使われたシステムのデモ。AR地図の写真をスマホで撮影すると、その写真部分が動画になって観光情報を提供するというものです。これは、紙媒体とスマホの協業を促すアプリの例です。
これとは逆に、印刷量減少につながるような、「カタログ」をアプリ化してスマホ経由で提供するというサービスも数多く紹介されていました。特に、バリスタというベンチャー企業が紹介していた『バリカタ』というサービスは印刷業界からみるとかなり刺激的です。「成果報酬型スマホ向けカタログアプリ」ということで、カタログ用データを用意してもらえれば、それをアプリ化(= 電子カタログ化)するのは無料、アプリがダウンロードされた段階でカタログ制作の依頼企業(発注者)に1回当たり100円を課金するというビジネスモデルになっています。
バリカタは、カタログのページ数によらず「制作費無料、ダウンロード1回につき100円」という料金設定になっています。会場では、OTC薬品メーカーのカタログの事例が紹介されていましたが、それは約9000ページのカタログでした。バリカタは更に成果報酬型ということで、自らターゲット顧客にカタログを知ってもらい、またダウンロードしてもらうための仕組み作りまで提供します。
データは用意する必要があるものの、カタログを無料で作成してもらえて、しかもその配布にも力を入れてくれるサービスがあれば、発注者としては大いに興味を持つと思います。先に挙げた製薬メーカーの他にも、家具メーカーなどがバリスタを使ってカタログの配布に取り組み始めたいうことでした。
印刷業界としては、こうした動きに同対応すべきなのでしょうか。9月に開催されたIGASでも「ワンストッププロモーション」のソリューションが多くのブースで紹介されていましたが、スマートフォンや先日こちらのブログで紹介したSNSまで含めたソリューションは見掛けなかったように思います。
こうしたインターネットを使ったサービスまで含めた「ワンストッププロモーション」を志向する印刷会社が出てくると面白いと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?ご意見をお伺いできれば幸いです。