印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2012年10月24日水曜日

ノベルティにおける「小ロット対応」「カスタマイズ/パーソナライズ対応」の進展

先週(2012年10月17日〜19日)、東京・池袋サンシャインシティ文化会館において第46回インターナショナル プレミアム・インセンティブショーが開催されました。会場では様々なノベルティが提案されていましたが、ここでも「小ロット対応」「カスタマイズ/パーソナライズ対応」の進展が主要なトピックのひとつでした。

例えば、カンロブースで紹介されていたオリジナルプリントキャンディ「プリキャン」は、「100粒の小ロットから!」キャンディの個包装をオリジナルデザインにするサービスです。プリキャンは1年ほど前にスタートし、企業はもちろん、個人でも結婚式で配るためなどに注文される方などがいらっしゃるそうです。

クレハブースでは、クレラップの箱の6面中5面をオリジナルのデザインにできるサービスが紹介されていました。そのサンプルとしては、JAバンクや大和証券・大和ネクスト銀行といった金融機関のものが多く目につきましたが、ミサワホームなどのものも展示されていました。このサービスは「最低ロットが10,020個」ということなので、こうした大手企業が中心となっているようです。

大洞印刷(岐阜・本巣市)のブースでは、1枚単位でクリアファイルを印刷するサービスが紹介されていました。この展示で興味深かったのは、印刷は1枚からできるのですが「注文はセットで」という提案されていたところです。ブースには、野球チーム向けの「20枚で1セット」という例が紹介されていました。これは、各メンバーの打席シーンやチーム全員での写真を使って「20枚のクリアファイルで1セット」を作るというものでした。また、「47都道府県で各1枚づつ」というセットも提案されていました。

フォトブックのように、パーソナライズされた商品の注文点数は1点あるいは数点程度になることが多いと思われますが、これでは注文単価が限られてしまいます。しかし、「セット販売」にすることで注文単価を高めることができます。パーソナライズの取組みの際には、こうしたマーケティング上の工夫も求められることが分かります。

ところで、こうしたカスタマイやパーソナライズの進展に伴って、印刷工程や機材が見直されているのも印象的でした。カンロブースのご担当者によれば、プリキャンのサービスを実現するに当たって印刷工程を非常に工夫されたそうです。また、クレラップの箱は通常グラビアで印刷されているのですが、オリジナルデザインのものについてはオフセット印刷で対応されています。大洞印刷でも、昨年末に導入したデジタル印刷機を活用することで、パーソナライズしたクリアファイルを実現しています。

ノベルティにおける小ロット対応やカスタマイズ/パーソナライズの対応の進展は、印刷業界にとって新たな事業機会です。しかし、この事業機会を実現するには、マーケティング上の工夫や印刷工程・機材の見直しなど、これまでとは異なる取組み = 「未来を破壊する」取組みを積極的に進めることが求められます。是非、「小ロット」「カスタマイズ/パーソナライズ」といったニーズの取り込みを通じて、「未来を破壊」していただければと思います。