先日、ある雑誌から印刷通販市場に関する取材を受けたのですが、その準備をしている中でそのような考えが浮かびました。国内印刷通販市場の特徴として、以下のようなものが挙げられます:
- 発注者の多くが印刷会社(全注文の半分以上が印刷会社という説も)。
- オープン型が中心(価格や納期を明示するタイプの印刷通販)。
- 完全データ入稿中心。
- 「価格と納期」が競合ポイント。
- 印刷通販サービスを提供している企業数が多い。
- 価格比較サイトが多い。
- 国内市場特化型が中心、など
では、国内印刷通販市場は何故、このように独特な形態へと進化したのでしょうか?そもそも、先に挙げた特徴の多くは国内印刷市場一般に当てはまります。印刷会社の仕事の多くは他の印刷会社から回ってくる「横持ち」で、特に昨今は「価格と納期」が受注のカギになっています。こう考えると、『日本の印刷通販市場は、国内印刷市場を映し出す鏡』のようです。
ただし、そのまま映し出す鏡ではありません。現在の市場トレンドを大きく反映させた姿を写しだす鏡です。例えば、「価格と納期」が重要な競合ポイントになった結果、「印刷価格比較サイト」という日本独自の仕組みが組み込まれたものになっています。つまり、日本の印刷通販市場が独特な理由は、「国内印刷市場自体が独特で、それを反映しているため」なのです。
もし、印刷通販市場が国内印刷市場を反映させたものならば、印刷通販市場の先行きは必ずしも明るくはありません。ペーパーレス化やさらなる価格競争によって印刷市場の規模や利益率の減少が見込まれる限り、鏡に映る市場も継続的な規模の拡大や利益の増大を実現することはないためです。
では、印刷通販会社あるいは印刷通販市場への参入を考えている印刷会社はどのようにすれば良いのでしょうか?そのヒントは、今月末発行の雑誌に掲載される予定です。また発売されたらこのブログなどで告知しますので、もう少々お待ちください (^ ^)
なお、こちらの写真は先日の通販ソリューション展におけるプリントパックブースです。「安い!」というメッセージが前面に打ち出されていることが分かります。