印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2014年8月25日月曜日

考えるな、感じろ!


米国ハーバード大学が出版する雑誌『ハーバード・ビジネス・レビュー 20147月- 8月号』に、”The Ultimate Marketing Machine”(究極のマーケティングマシーン)という、なかなか刺激的なタイトルの記事が掲載されています。これは、効果的・効率的にマーケティングの目的を果たす(あるいは課題を解決する)組織についての記事なのですが、この中で以下のような面白いモデルが紹介されています:
  • Think(考える)」「Feel(感じる)」「Do(実行する)」の3つの要素(能力)を組み合わせて目的を果たす:
    • Think(考える):データの収集・分析能力:
      • 市場調査担当者、メディアミックスの設計担当者、ROI最適化担当者などに求められる能力。
    • Feel(感じる):カスタマーエンゲージメント能力:
      • 広報担当者、顧客サービス担当者、SNS・オンラインコミュニティ担当者などに求められる能力。
    • Do(実行する):コンテンツの企画・制作能力:
      • コンセプトクリエイターやデザイナー、コンテンツ制作担当者などに求められる能力。
  • 目的・課題に応じて、3つの要素(能力)の組み合わせ比率を変える。
  • 目的達成に必要な人材は社内外から適宜集める。
  • 素早さがカギ。数週間〜数ヶ月程度の期間で、計画立案から目的達成まで。
  • マーケティング責任者の役割は、3つの要素(能力)の比率を決めて人材を揃えて素早く目的を達成する “Orchestrator(オーケストレイター、コーディネイトする人といった意味でしょうか)”

Don’t Think, Feel.(考えるな、感じろ)」というのはブルース・リーの有名なセリフですが、今の時代、印刷会社の中にも「考えるな、感じろ!」という役割のスタッフが必要なようです。

最近、「聞く力」や「共感力」などが話題ですが、これを従来のマーケティング活動にどう融合するのが良いのか、実は私には良く分かっていませんでした (^ ^; しかし、「Feel(感じる)」の一部だと考えると、スムーズに取り入れることが出来そうです。

さて、このモデルの観点からみると、印刷会社がマーケティング力を高めるためには、以下のような取組みが必要になります:
  • Do(実行)だけでなくThink‘(考える)やFeel(感じる)の能力を高める。
  • 課題に応じてThinkFeelDoの比率を変えるスキルを習得する。
  • 課題に応じて、外部資源を活用する能力を高める。
  • 素早く課題を解決する能力を高める。

なお、こうした能力・スキルは、社長やマーケティング責任者だけでなく、組織として習得することが求められます。この記事によれば、「マーケティングは、マーケティング担当者だけに任せるには重要すぎるものとなった。受付からITスペシャリストまで全ての社員が、マーケティングに従事しなければならないのである。」

こうした能力を高めること/スキルを習得することは、自社のマーケティング力を高めることはもちろん、顧客企業(印刷物発注企業)のマーケティング力向上への貢献力も高めることにもつながります。

他社とは違うマーケティング力を身に付けたい印刷会社の皆さん、ぜひこの「考えて、感じて、そして実行する」モデル作りに取り組みましょう!