例えば、中国の印刷市場について:まだ成長は続けているものの、その伸びが鈍化し始めていること。印刷物出荷額(約13.3兆円(2013年))の内訳は、パッケージ 75%、出版 15%、商業印刷 10% であること。商業印刷市場は、中国で最もアクティブで有望な市場分野とされていること。
実は、今回のセミナーで一番驚いたのはインド印刷市場の圧倒的なパワーです。例えば、会社数とその従業員数。日本の印刷会社数(2014年)は2万7,000社と日本の基準でいえば十分多いのですが、インドの印刷会社数はその6.5倍の17万5,000社(2012年)。そして、従業員数でみると、インドは日本の8倍以上の250万人(2012年)。
日本からみれば中国の印刷市場は巨大ですが、その中国と比較してもインドは印刷会社数 2.6倍、従業員数 1.3倍 と、さらにその上をいきます。そして、インドの枚葉オフセット印刷機の設置台数(2015年)は、新台 460台・中古 2,535台。インドの印刷物出荷額のデータはセミナーで紹介されませんでしたが、それ以外のデータで見ても、日本のスケールでは計れない規模感であることが分かります。世界は本当に広いです。
こうした大きくて成長している印刷市場にどう向き合い、またどう取り込むか。インド市場向けに輸出とかインドに生産拠点を持つなどの製造業的な動きから、現地の企業と提携してインバウンド需要づくりといったサービス業的な動きまで、いろいろ考えることができそうです。2020年に向けて成長事業をつくるために、インド市場の可能性にもぜひ目を向けてみるのはいかがでしょう。