印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2016年11月28日月曜日

ロバート・フランク写真展@東京藝大美術館

2016年11月11日〜24日、東京藝術大学美術館(東京・上野)で Robert Frank: Books and Films, 1947-2016 という展覧会が行われました。スイスの写真家・映像作家ロバート・フランク氏の写真・写真集・映像を包括的に紹介する展覧会で、規模はそれほど大きくありませんが、とても面白いものでした。特に、会場に繰り返し映されていたローリーング・ストーンズの「メイン・ストリートのならず者(Exile on Main St.)」当時の映像にすっかりヤラレました(笑)

このロバート・フランク展で興味深かったことのひとつに、新聞用紙が活用されていたことがあります。会場には、下の写真のように、ロバート・フランクの写真をロール状(トイレットペーパーをイメージしてください)の新聞用紙に印刷したものがそのまま展示されていました。また、一部の映像は、プロジェクターで背後から新聞用紙に映写されていました。会場で販売された展覧会カタログも、新聞用紙に印刷されたものでした(私が行った時には残念ながらこのカタログは売り切れていて、入手できませんでした)。

確かに、新聞用紙は最高の印刷品質を求めるには厳しい紙です。しかし、荒々しさとかライブ感、日常性を出すにはぴったりのもので、この展覧会の趣旨には合っていたように思います。また、今回のように世界50カ国で巡回するような写真展には、貴重な作品を移動させるよりも、データを送って現地で印刷・展示するという方法は適しています。

ローリング・ストーンズのアルバム「メイン・ストリートのならず者」のジャケットのように、たくさんの写真を並べる展覧会でも、ロール紙に印刷・展示というパターンは使い勝手が良いかもしれません。今回のロバート・フランク展は、印刷技術を活用した新たな展覧会の方法を示したという点でも面白いものでした。

もし、「大きなロール紙に印刷したものを展示したい」とか「新聞とかタブロイド紙っぽい展覧会カタログを作りたい」という方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。最新の印刷技術を使うことで、もっと小さな展覧会でももっと大きな展覧会でも、「ロバート・フランク展っぽい感じ」を出すことができます (^ ^)