また、デジタル後加工機はデジタル印刷機とセットでの運用が想定されています。drupa2016でも、デジタル印刷機の進化に伴い以下のような動きが見られました:
- B1サイズ用紙に対応したデジタル後加工機の発表
- 産業用印刷物向けデジタル後加工機の拡充:
- 産業用印刷物:パッケージ(紙器・軟包装)、シール、ラベル、など
- デジタル印刷機との連携性のさらなる向上:
- 特に、商業印刷市場向けや書籍・雑誌・新聞印刷市場向けなど
- インライン・ニアラインともに
会場では、以下のような動向も見受けられました:
- 型・版を使わないデジタル後加工機の増加:
- レーザーカッター、デジタルニス加工機・箔押し機、など
- 自動給紙や搬送機能付きで生産性向上も実現
- 小ロット向け 型・版ありデジタル後加工機の提案:
- スジ押し加工用
- 樹脂やプラスチック製スジ押し用テープなどを使ってオンデマンドで型を作成
- オフセット印刷物にデジタル後加工で加飾するデモ、など
こうしたトレンドを踏まえると、drupa2020では以下のようなデジタル後加工機が期待できそうです:
- デジタル印刷機の柔軟性に対応できるデジタル後加工機:
- 特に、パッケージ(紙器・軟包装)など産業用印刷物向け
- 「型・版なし」「型・版あり」ともに
- 印刷機の生産性とバランスが取れたデジタル後加工機:
- 生産性が向上された「型・版なしデジタル後加工機」
- 印刷機の品質とバランスが取れたデジタル後加工機:
- UVオフセット印刷機と組み合わせて使える「型・版ありデジタル後加工機」
- 印刷会社の所有する印刷機や仕事内容に合わせてセミオーダーできるデジタル後加工機、など
小ロット対応力の高い「型・版ありデジタル後加工機」が登場すれば、柔軟性重視型サービスに加えて品質重視型サービスを実現できることから、印刷会社が提供するサービスの多様性がさらに高まります。そうなれば、過度な価格競争からも脱却しやすくなります。
drupaなど印刷機材展では印刷機の進化に注目しがちですが、drupa2020では後加工機の進化にも注目しましょう!
ところで、添付の写真はdrupa2016のHPブースで紹介されていたSEI Laser社製のデジタル後加工機 PaperOne です。搬送機能付きのレーザーカッターで、プラスチック製テープ(英国 Man Mat社製)を使ったオンデマンドスジ押し機能も付いています。写真は、このスジ押し用の型を取り付けているところです(黄色い部分がスジ押し用プラスチック製テープです)。