新型コロナウイルスによる肺炎拡大は、株価の大幅な下落や様々な活動の自粛など、経済にも大きな影響を与えています。この自粛、どういう状況になったら止めて良いのかという目安がないことから、どのくらいの期間続くか予想するのが難しい状況です。また、コロナショック後の市場環境は、コロナショック前とは大きく異なったものになりそうです。
コロナショックを乗り越え、そしてコロナショック後も持続的に成長するために、印刷会社は今何をすれば良いのでしょう?ブライター・レイターは、この機会に以下4つの「高める」取り組みを進めることを提言します:
- オンライン印刷サービス力を高める
- オンライン営業力を高める
- オンライン協業力を高める
- オンライン講習などでスキルを高める
企業の出社禁止や打ち合わせ自粛が広まる中、オンライン印刷サービスを拡充したり新たに立ち上げたりすることは不可欠です。例えば、印刷通販やWeb to Printといった印刷サービスもまだまだ進化の余地があります。
AIアナリストといったアクセス解析ツールを活用することで、印刷通販サービスの効果・効率を高めることができます。欧州では、新しいビジネスモデルの印刷通販会社がこの数年間に大きく売り上げを伸ばしたりしています。AIを活用して自動的に印刷物をデザインするような印刷通販も、この機会に出てくるかもしれません。
セミナーやカンファレンスのオンライン化支援サービスなども考えられます。セミナーやカンファレンスの中には、参加者の安全・健康を考慮して開催形式をオンライン配信に変更するものも出てきています。
こうしたイベントへの参加を促進するための「招待状」や参加者への「お礼状」を作成・送付するサービス。参加者の興味関心に合わせてそれらをパーソナライズすることでより良い体験を提供し、効果を高めることができます。また当日は、Sparkupなどコミュニケーションを活性化するツールを提供してイベントの成功に貢献することもできます。
オンライン営業力を高める
顧客企業の出社禁止・打ち合わせ自粛などの措置は、日々の営業活動にも大きな影響を与えるでしょう。こうした状況に対応するため、Web会議の仕組みを導入・活用しつつ、これまで手が回らなかった自社サイトやSNSでの情報発信を強化することも有効です。ここでも、アクセス解析ツールで「見える化」することは大切です。
また、hachidori などのチャットボットを組み合わせて双方向性を高めたり、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)などと連携させてマーケティングや営業活動の効果・効率を高めたりもできます。
MAやSFAを活用して顧客とコミュニケーションを深めていく際、情報発信は電子メールだけでなく、意識的にDMなどの印刷物を活用することもオススメです。印刷物の効果を改めて確認できることに加えて、前述の「オンライン印刷サービス」のメニューとして顧客企業に提供することもできるからです。
オンライン協業力を高める
テレワーク(在宅勤務)の仕組みがあっても、それを活用しきれていないケースもあります。例えば、先日ある印刷物のお見積りをお願いしていた会社さんから「テレワークなのでお見積りに時間がかかっていて、いつ送れるか分かりません」というご連絡をいただきました。
テレワークの時でも普段と変わらない、あるいは普段よりも質の高いサービスを提供すること。それを実現できる、社内だけでなくパートナー企業も含めて使える協業ツールは数多く提供されています。この背景には「人手不足」や「働き方改革」があります。
先日開催されたpage2020でも、Web校正ツールや複数拠点間や印刷会社間でカラーマネジメントできるツールなどが紹介されていました。また、APIで他Webサービスとの連携し必要に応じて機能を拡充できるWebサービスも増えています。こうしたツールを活用することで、印刷会社はオンライン協業力を高めることができます。
オンライン講座などでスキルを高める
セミナーやカンファレンスがオンライン配信されることで、これまでそうしたイベントに参加する時間を取れなかった方々も受講できる機会が増えます。例えば、企業の広告・マーケティング担当者向けイベントBrand Summitは開催を延期した一方、基調講演を3月4日16時40分からライブ配信することを発表しました。
また、ビジネススルー大学(BBT大学)は、マネジメント・ビジネス基礎・問題解決・ロジカルシンキング・リーダーシップ等のオンライン講座の無償提供をスタートしました。この機会に、こうしたオンライン講座でスキルを高めることもオススメです。
印刷会社のオンライン活用力を高めるこれら4つの取り組みは、コロナショックを乗り越えることはもちろん、コロナショック後の売上・利益増大やBCP(事業継続計画)力向上にも役立ちます。ぜひ、このピンチをチャンスに変えて、持続的成長を実現しましょう!