2012年、筆者は”Disrupting the Future” という本を翻訳しました(邦題は「未来を破壊する」)。この本は2010年に出版されましたが、その「あと書き」部分には2020年の印刷市場の予測が書かれていました。2020年の今、改めてこの部分を翻訳します。「未来を破壊する」とはどういうことだったのか、実際にどの程度「未来を破壊」できたのか。こうした点を確認する際の参考にしていただければ幸いです。
AcCom社、新たなメディア環境で成功
2020年1月2日付 WhatTheyThink.com より, (いずれ)複製許諾済
Acmeコミュニケーションズ社(顧客にはAcCom社として知られている)のオーナー兼ファウンダーであるハロルド・スミス氏は、常に変化している。1990年生まれで常に新しいことに敏感な家族を持つ彼は、2000年代半ばにティーンエイジャーであった当時、すでにSNSを日常的に使っていた。2008年に大学に入学した彼は、叔父が経営する印刷会社でアルバイトをした。
「当時、彼らはまだ自分たちを印刷会社と呼んでいました」と、ITを活用したマーケティングの学位を2012年に取得したスミス氏は言う。「しかし、その会社には様々なコミュニケーション手法を扱える潜在能力があると、私は考えていました。なぜなら、私は個人的に様々なコミュニケーション手法を使っていたからです。」
大学4年のとき、彼はひらめいた。「大学の近くに、私たちが入り浸っていたピザ屋がありました。そのお店には印刷されたメニューがあり、また簡単なウェブサイトもありました。ある晩、少々ダイエット・コークを飲みすぎた私たちのグループは、突拍子もないマーケティングのアイデアを次々と出し始めました。例えば、配達スタッフが変わったお客様などについてのブログを書くことです。」
「ピザの配達スタッフは変わったエピソード、特に大学キャンパスでのエピソードには事欠きません。生物学の教授が彼の(生きている)ヘビのためにピザを注文した、という記事は特に人気の高かったもののひとつです。この記事はまず私たちの大学で読まれ、その後SNSで広まり、他の大学でも読まれるようになりました。」
「また、電子メールマーケティング戦略やお買い得品の通知、ピザの販売と関係ありそうなビデオやゲームなど注目度の高いコンテンツが書かれたニュースレターといったアイデアも思いつきました。例えば、メイン通り300番地からピザの注文があった時には、そのブロックの住人全員にiクーポンを送りました。」
「そうしたアイデアは、広告やマーケティングのようなものではありませんでした」とスミス氏は語る。「コンテンツが面白かったり有益だったりすれば、顧客が簡単に離れてしまう強引な販売よりも、それを提供する企業にとってずっと効果的なのです。」
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