印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2023年1月16日月曜日

スマートな印刷工場のつくり方

 昨年(2022年)11月に開催された国際印刷機材展 IGAS2022 では、「スマートファクトリー」がキーワードのひとつでした。ところで、「スマートな印刷工場」とは何でしょう?ブライター・レイターでは、以下のように考えます:

* ICT技術を活用した、持続的なスマート化(省力化・自動化・省人化、スキルレス化、働き方改革など)を実現できる印刷工場

* その実現には、以下のようなポイントを意識することが重要:

1)印刷機材をスマート化する
2)工程間連携をスマート化する
3)オペレータをスマート化する
4)持続的にスマート化する


1)印刷機材をスマート化する:

IGAS2022では、ネットワークへの接続機能や検査システム、AI(人工知能)などを搭載した高機能 = スマートな最新機材が数多く提案されました。スマートな印刷工場には、こうしたスマートな印刷機材が不可欠です。ただ、必ずしも機材を最新のものに置き換える必要はありません。既設の機材に検査システムや電流・振動・音などを測定するシステム、通信機能などを後付けすることで、スマート化することも十分可能です。


2)工程間連携をスマート化する:

印刷工場内の工程関連連携をスマート化することで、仕掛品の滞留時間削減など生産効率を高めることが可能になります。IGASでも、協働ロボットやAGVを活用して工程間連携をスマート化するデモが様々なブースで見受けられました。

工場内に加えて、上流工程の営業・制作などとの連携をスマート化することも重要です。最近、デジタルマーケティングと印刷物との連携への注目が高まっていますが、その効果・効率を高めるためには、上流工程とのスマートな連携も求められるからです。


3)オペレータをスマート化する:

紙捌きロボットなど、ITを活用してオペレータの負荷を軽減する様々な機材やシステムがIGASで提案されました。また、ARやVRなどを使ったトレーニングや機材のリモートサポートも紹介されました。

物価上昇を受けて、政府は企業に対して賃上げを要請しています。こうした動きに対応しつつ、スマートな印刷工場の運営に必要な人材を確保・育成するためには、オペレータのスマート化も大切です。


4)持続的にスマート化する:

顧客や「顧客の顧客」もDX化/スマート化に取り組むなど、市場全体のスマート化も進んでいます。こうした動きに着いていく、あるいは先んじるためには、持続的に印刷工場をスマート化することも不可欠です。そのためには、印刷機材・工程間連携・オペレータのスマート化レベルを常に測定・把握し、改善する仕組みを組み込むことも必要です。


今年(2023年)もペーパーレス化や資材費・燃料費・人件費上昇など厳しい市場環境となることが見込まれます。印刷工場のスマート化も進めることで、ぜひ売上・利益増大を実現しましょう!