明けましておめでとうございます。
旧年中も大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願いいたします。
さて、コロナ禍以降印刷市場も大きく変わりました。例えば、非対面化・オンライン化・DX推進などの流れが強まる中、商業印刷・出版印刷・事務用印刷など多くの分野で『ペーパーレス化』が大きく進み、印刷市場が縮小するペースも早まりました。このペーパーレス化のトレンドは、残念ながら、2023年以降も続くことが見込まれます。原料やエネルギーコストも高騰しています。
この厳しい市場環境を乗り越えて印刷会社さまが売上・利益を増大させるためには、「サステナブル・ソリューション・プロバイダー」(Sustainable Solutions Proviver, SSP)へと進化することが不可欠だと、ブライター・レイターでは考えます。SSPとは、「顧客の売上・利益増大に貢献しながら、地域の経済・社会・環境問題も解決する」印刷会社さまのことです。
ところで、私は「未来を破壊する」という本を2012年に翻訳しました。皆さまの中にも、拙訳書をお読みいただいた方がいらっしゃるかと思います。この本では、印刷会社さまが印刷物を提供する「プリント・サービス・プロバイダー(PSP)」から顧客のマーケティングを支援する「マーケティング・サービス・プロバイダー(MSP)」に進化することで、(印刷会社さまにとって)厳しく暗い「未来を破壊」できることを紹介しました。
そのMSPからSSPへとさらに進化すること。これが、厳しい状況に直面する印刷会社様が「もう一度、未来を破壊」して売上・利益増大を実現する、重要なポイントです。SSPへの進化にあたっては、地域の経済・社会・環境問題への理解を深めるとともに、「AI(人工知能)」「(AR・VRなど)XR」「バイオマス利用技術」といった新しい技術や「知的財産」などを適切に活用することも求められます。
SSPとしての活動を具体化させるヒントとして、例えば「30by30(サーティ バイ サーティ)」があります。30by30は、昨年(2022年)12月にカナダで開催されたCOP15(国連の生物多様性条約締約国会議)で採択された世界目標のひとつで、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとするものです。
30by30で興味深いのは、「健全な生態系の保存」と「地域の経済・社会・環境問題の同時解決」の両方が視野に入っている点です。つまり、生態系を保護しながら、食や健康・いやし・脱炭素などを通じて、売上・利益も伸ばしていこう!という活動になります。これは、「もう一度、未来を破壊する」ことを目指す印刷会社にとって、参考になる考え方です。