2011年3月、日本印刷産業連合会から発表された『印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査』によれば、デジタル印刷機(生産機)の設備を保有する印刷会社は53社、全体の40%であった。まだ6割の印刷会社がデジタル印刷機(生産機)を保有していないことから、デジタル印刷機材メーカーや商社の視点から見ると、まだ市場のポテンシャルは大きいように思われる。
しかし、今後のデジタル印刷機(生産機)の導入予定についての調査結果を見ると、回答数133社に対してカラー機10台・モノクロ機5台の合計15台に留まっている。これは東日本震災前の2010年5月に実施されたアンケートであることから、現在では更に導入意向が弱まっていることが考えられる。
不況の影響以外に考えられる理由のひとつとして、前回の記事で分析したように、デジタル印刷のジョブにおいて理想と現実にギャップが生じていることが挙げられよう。また、デジタル印刷の利益率についても理想と現実にギャップが生じていることも、その理由として考えられる。この点については、次回のブログで分析する。