印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2016年4月14日木曜日

drupa2016に向けて:シール・ラベル向けデジタル印刷機の見どころ

シール・ラベル分野でのデジタル印刷利用はまだ限られていますが、この市場に向けて多くのメーカーがデジタル印刷機を投入しています。例えば、IGAS2015などで出展されたこの市場向け最新デジタル印刷機(一部)をまとめたのが下図になります:

この図から、以下のような市場動向が見えてきます:

  • シール・ラベル用デジタル印刷機は輪転タイプ(連続紙用)が中心:
    • 既存のシール・ラベル用印刷機が輪転タイプが中心だから。
    • IGASの時、ラベル新聞の方が「枚葉(カットシート)機はラベル市場では新しい動き」とおっしゃっていたのが印象的でした。
  • 枚葉(カットシート)タイプは、シール・ラベル専用機ではない:
    • シール・ラベル「も」印刷できる商業印刷用デジタル印刷機。
  • 印刷方式は多様:
    • 粉体トナー、液体トナー、UVインクジェット、水性顔料インクジェット、油性顔料インクジェット、Memjet、など
  • 富士ゼロックス、キヤノン、リコーなど商業印刷用デジタル印刷機メーカーは、シール・ラベル専用機を発売していない、など

こうした動向を踏まえると、シール・ラベル分野におけるdrupaの見どころとして以下のような点が挙げられます:

  • 輪転機のさらなる進化:
    • さらなる高画質化:
      • 特色対応、高解像度化(インクッジェット機)、など
    • さらなる高速化・用紙対応性向上
    • 印刷方式のさらなる多様化
  • シール・ラベル市場向け枚葉機の発表の有無:
    • 枚葉機用後加工機も含めて
  • ゼロックス・キヤノン・リコーなど、主要プロダクション機メーカーからのシール・ラベル専用デジタル印刷機の発表の有無、など

機材に加えて、海外市場におけるカスタマイズ/パーソナライズされたシール・ラベルの事例や、そうしたサービスで使われているソフトウェア(組版や出力、ジョブ管理用とか)などにも注目したいと思います。デジタル印刷の活用分野がどんどん広まる中で行われる今回のdrupa、見どころがいっぱいで回りきれるか早くも心配です(笑)