- 長期利益を実現する。
- 違いをつくって、つなげる。
- 需要とブランドを創造する。
- 『顧客の顧客』からスタートする
まず、自社の利益を削り続ける過剰な価格競争から抜け出し、長期にわたって継続される利益(長期利益)の実現へと大きく方針を転換することが重要になります。その方針転換を確かなものにするためには、積極的に「違いをつくって、つなげる」ことで横並び意識から抜け出すことが求められます。
不況やインターネットの普及などを背景に、印刷業界は利益を出しにくい競争構造へと急速に変化しています。経営学者の一橋大学教授 楠木建氏によれば、利益を出しにくい競争構造にある業界では、「違いをつくって、つなげること」= 優れた戦略を立案・実践することが長期利益実現に当たって重要になります。
ところで、印刷会社の間ではここ数年「自社の強みは何か」を把握する重要性が指摘されてきましたが、「違い」と「強み」はどのような関係にあるのでしょう?「強み」は必ず「違い」です。「違い」は強みだったり弱みだったりしますが、考え方や取組みによって、印刷会社は弱みを強みにできます。つまり、「違い」は印刷会社の「強み」そのもの、あるいは「強みの種」なのです。「違いをつくって、つなげる」ことは、印刷会社の強みをどんどん増やすこと、「強み」をさらに強化することなのです。
また、他社の既存の仕事を価格競争で奪うことから「需要とブランドを創造する」ことへ、自社の設備ではなく『顧客の顧客』の潜在的な欲求からスタートすることへといった方針の転換も必要不可欠です。このあたりにつきましては、印刷出版研究所「プリントソリューション2014」やプリテックステージニュース 2014年1月5日号(18面)「2014年への提言」などにも書かせていただいておりますので、こちらもあわせてお読みください。
印刷会社にとって、これらの新しい『基本方針』へと転換することが、2014年に売上・利益の拡大に向けた逆襲につながります。では、方針転換を実現するためには、どのような取組みが必要なのでしょう?次回は、そうした取組みの例をご紹介する実践編です。お楽しみに (^ ^)