印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2014年1月6日月曜日

2014年版 印刷会社に求められる戦略:基本方針編

比較的長めのお正月休みの間に、2014年の事業プランを練った印刷業界関係者も多いのではないでしょうか。今回、2014年の売上・利益拡大をより確かなものにするため、印刷会社が踏まえるべき4つの『基本方針』を挙げてみたいと思います。皆さんの事業プランは、これらの基本方針に沿ったものになっていますでしょうか:

  • 長期利益を実現する。
  • 違いをつくって、つなげる。
  • 需要とブランドを創造する。
  • 『顧客の顧客』からスタートする

まず、自社の利益を削り続ける過剰な価格競争から抜け出し、長期にわたって継続される利益(長期利益)の実現へと大きく方針を転換することが重要になります。その方針転換を確かなものにするためには、積極的に「違いをつくって、つなげる」ことで横並び意識から抜け出すことが求められます。


不況やインターネットの普及などを背景に、印刷業界は利益を出しにくい競争構造へと急速に変化しています。経営学者の一橋大学教授 楠木建氏によれば、利益を出しにくい競争構造にある業界では、「違いをつくって、つなげること」= 優れた戦略を立案・実践することが長期利益実現に当たって重要になります。

ところで、印刷会社の間ではここ数年「自社の強みは何か」を把握する重要性が指摘されてきましたが、「違い」と「強み」はどのような関係にあるのでしょう?「強み」は必ず「違い」です。「違い」は強みだったり弱みだったりしますが、考え方や取組みによって、印刷会社は弱みを強みにできます。つまり、「違い」は印刷会社の「強み」そのもの、あるいは「強みの種」なのです。「違いをつくって、つなげる」ことは、印刷会社の強みをどんどん増やすこと、「強み」をさらに強化することなのです。

また、他社の既存の仕事を価格競争で奪うことから「需要とブランドを創造する」ことへ、自社の設備ではなく『顧客の顧客』の潜在的な欲求からスタートすることへといった方針の転換も必要不可欠です。このあたりにつきましては、印刷出版研究所「プリントソリューション2014」やプリテックステージニュース 201415日号(18面)「2014年への提言」などにも書かせていただいておりますので、こちらもあわせてお読みください。

印刷会社にとって、これらの新しい『基本方針』へと転換することが、2014年に売上・利益の拡大に向けた逆襲につながります。では、方針転換を実現するためには、どのような取組みが必要なのでしょう?次回は、そうした取組みの例をご紹介する実践編です。お楽しみに (^ ^)