印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2022年8月18日木曜日

自分達らしい「ヒューマンスケールの工場」をつくろう!

印刷業界では過度な価格競争を背景に、スキルレス化や自動化などによるコスト削減を進めてきました。一方で、価格競争を抜け出すための高付加価値化にも取り組んできています。さて、スキルレス化と高付加価値化のバランスをどうとれば良いのでしょう?

ところで、こちらの記事によれば、フランスの高級ブランド ルイ・ヴィトンの時計を製造する自社工場「ラ・ファブリク・デュ・タン(時の工場)」(スイス・ジュネーブ)には100名弱の従業員がいます。そのうち、4名の時計職人が比較的価格の低い(といっても50万円以上はしますが)時計を年間13,000〜18,000本、15名の時計職人が比較的価格の高い時計(中には数千万円するものも)を年間400本、それぞれ製造しています。

こちらの記事では、ラ・ファブリク・デュ・タンの責任者 ミシェル・ナバス氏はこの工場について、コスト削減を進めつつも「個々のスキルの恩恵を受けられる、ヒューマンスケールの企業でありたい」としています。例えば、「部品に関しては、すべてを内製するのではなく、最高のサプライヤーと協力して」いますが、「サプライヤーからの供給を受けた部品を、すべて手作業で仕上げている」といった高付加価値化も進めています。

印刷会社がスキルレス化と高付加価値化のバランスを取る方法として、ラ・ファブリク・デュ・タンのように、「高付加価値商品ライン」と「一般商品ライン」を分ける方法もあります。ワザを活かした高付加価値商品ラインと、自動化・スキルレス化した生産性の高い一般商品ライン、のように。

その際、自分達らしい「個々のスキル」とそのスキルを活かせる「ヒューマンスケールの工場」を意識することが大切です。工場は、コストセンターであると同時に付加価値を付ける場所でもあります。個々のスキルで付加価値を高められる部分にはどんどん付加価値を付け、そうでない部分は自動化やパートナーとの協業などを通じてコストを削減する、ヒューマンスケールの工場。

営業やマーケティングは、そのスキル、またそのスキルで作られた商品の良さ・魅力を伝えて、ファンをつくること・増やすことが求められます。ファンになっていただくのは、顧客はもちろん、自社のスタッフやお取引先さま、地域社会の皆さま、などステークホルダーも含まれます。

多くの印刷会社が取り組んでいるSDGsも、この「ヒューマンスケールの工場」と相性が良さそうです。ぜひ、自分達らしい「ヒューマンスケールの工場」をつくって、厳しい市場環境にマケズ、売上・利益を伸ばしましょう!

2022年8月3日水曜日

『イベントの脱プラ化』を進めよう!

SDGsへの意識が高まる中、様々な分野で「脱プラスチック」の取り組みが進んでいます。イベントを企画・運営されている皆さま、このトレンドに乗って『イベントの脱プラ化』を進めませんか?

例えば、イベントで資料を入れて配布するクリアフォルダーを「紙フォルダー」に変えること。紙フォルダーは様々な用紙で作ることができるため、心地の良い色や手触りの良い紙を使うことで、ご参加された皆さまに「より良い体験」をご提供することもできます。

また、廃棄予定のポスターなどを断裁して、紙フォルダーとして「再利用」することもできます。IRイベントでこの「アップサイクル紙フォルダー(仮称)」を使えば、御社の環境への取り組みをさらに強く投資家の皆さまにアピールできます。



お食事を提供するイベントでは、「紙食器」を採用することで脱プラ化を進めることができます。例えば、こちらの紙食器「beak」にはカップ・平皿・深皿の3種類があって、紙製のフォークとスプーンも付いています。しかもこのbeak、最初はA4サイズの(半抜きされた)シートの状態で、それを手で切り抜いて自分で折り込んで作る「体験」から始まります。

もちろん、機能的にも優れています。カップには熱いスープを入れることができますし、平皿にはカレー、深皿にはラーメンなどを入れることもできます。紙製なので、カップの側面に会社やサービス、イベントなどのロゴを印刷することもできます。





ブースの什器も紙製にするなど、イベントの脱プラ化を進める余地はたくさんあります。また、規模の小さなイベントにも対応できるよう、小ロットのご要望にもお応えできる体制も整いつつあります。イベントを企画・運営されている皆さま、ぜひ『イベントの脱プラ化』を進めましょう!そして、SDGsの目標達成に貢献しましょう!!

イベントの脱プラ化にご興味をお持ちの皆さま、お気軽にブライター・レイター(担当:山下)までお問い合わせください。

2022年7月27日水曜日

印刷物を発注されている皆さん、そのお悩み・不満・不安を印刷会社にぶつけてください!!

ジャパンイーブックス活用研究会が2022年7月26日に発表した調査結果によれば、行政機関・民間企業の印刷物発注ご担当者の74%が「印刷物を発注する前に、困ったことや疑問、不満や不安を感じたことがある」と回答しています。

また、抱えていらっしゃるお悩みや不満・不安として、「印刷物は今の時代にそぐわないのではないか(42%)」「印刷しても読まれないのではないか(35%)」「このまま印刷物を続けても問題はないのか(33%)」などが挙げられました。



しかし、印刷会社を選考するポイントは「費用(66%)」「納期(50%)」「希望どおりに印刷できるか(42%)」などが上位に来ています。この結果から、印刷物の制作や活用に関わるお悩みや不満・不安を相談・解決する相手としての印刷会社、という役割を期待されていないことが分かります。とてもとても残念です・・・


印刷物の発注をご担当されている皆さん、「印刷物をつくったけど成果が上がらない」「どんな印刷物をつくれば良いのか」「印刷物をどう活用すれば良いのか」「そもそも、印刷物をつくった方が良いのか」といったお悩みや不満・不安を、遠慮せずにどんどん印刷会社にぶつけてください!

印刷会社は皆さんのお役に立つために、日々印刷物を(つくり方も含めて)進化させています。また、様々なデジタルメディアを組み合わせたサービスも開発・提供しています。きっと、あなたの抱えるそのお悩みや不満・不安が大きいほど、改善の成果は大きくなるでしょう。

最後に、大事なことなのでもう一度繰り返します。
印刷物を発注されている皆さん、そのお悩み・不満・不安を印刷会社にぶつけてください!


なお、今回ご紹介した調査の概要は以下になります:

* 「DX推進における印刷物を発注する側の課題」に関する調査
* 調査日:2022年6月17日(金)
* 調査対象:行政機関・民間企業に勤めており印刷会社に印刷物を発注する方
* 調査人数:1,023人
* 調査方法:インターネット調査
* モニター提供元:ゼネラルリサーチ

2022年4月1日金曜日

ブライター・レイター、仮想空間内のデジタルメディアに『心地よい手触り』を加える技術を開発

注)最後まで必ずお読みください!

メディアの進化を支援するブライター・レイター(東京・新宿区)は、オンラインゲームやメタバースの中で提供されるポスターや新聞、雑誌、チラシなどに『心地よい手触り』を加える技術を開発いたしました。

この技術を使うことで「ふわふわなポスター」や「モフモフな新聞」「スベスベな雑誌」「しっとりしたチラシ」など、リアルでは実現の難しいあるいは実現不可能なメディア、仮想空間ならではのメディアを提供できるようになります。

デジタルメディアに『心地よい手触り』を加えることで、ユーザーは仮想空間をもっと楽しめるようになり、企業は仮想空間でのコミュニケーション効果をさらに高めることができるようになります。

現在、複数のオンラインゲームやメタバースでの実装を進めております。サービス開始時期が明確になりましたら改めてご案内いたしますので、楽しみにお待ちください。また、各ユーザーのお好みの『手触り』を実現するAIの開発にも取り組んでおります。

ただ、4月1日の発表ということで、実現されない可能性も多々あります。ご理解のほど、何卒よろしくお願いいたします。

2022年1月4日火曜日

2022年新春提言:印刷DXで『稼ぎ方』と『顧客との関係』を進化させよう!

明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願いいたします。

昨年は、印刷業界で「印刷DX」という言葉が広く使われるようになった年でした。「印刷DX」は、今年も引き続き国内印刷市場のキーワードのひとつになるでしょう。ところで、「印刷DX」とは何でしょうか?

ブライター・レイターは、印刷DXを「印刷会社がデジタル技術を活用して、『稼ぎ方』と『顧客との関係』を進化させること」と定義しています。『稼ぎ方』の進化には、例えば以下のような「売り方の進化」や「売りモノの進化」が含まれます:


<『稼ぎ方』の進化:売り方の進化>

  • 営業やマーケティングの24時間・365日対応:
    • 自社サイトやSNSのさらなる活用
    • パートナーのWebサイト/Webサービスとの連携、など
  • 課金方法の進化:
    • サブスク型印刷サービスの提供
    • ダイナミックプライシングの採用、など


<『稼ぎ方』の進化:売りモノの進化>

  • コミュニケーションの精度を高めるサービス
  • サステナブルな印刷サービス
  • 顧客の商材を販売するサービス
  • 商品やサービスの開発・リニューアルをスピードアップするサービス
  • 真作/正規品であることを証明するサービス
  • メタバース向けサービス、など


ところで、コロナ禍でリモート化・非対面化が進んだことを背景に、「Webを使って何かやりたい」と考える印刷物発注企業は増えています。また、SDGsへの注目が高まる中、「SDGsで何かやりたい」という企業も増えています。こうした状況は、印刷会社にとって大きなチャンスです。印刷DXを通じて、『顧客との関係』を進化させることができるからです。

多くの印刷会社が進めている「デジタル技術を使った見える化や自動化、効率化などの取り組み」も、『稼ぎ方』と『顧客との関係』の進化につなげることで、売上・利益をさらに大きく伸ばすことができます。

新型コロナウイルスの変異株が次々に現れる現状を見ると、2022年もコロナ禍の完全な収束を期待するのは難しそうです。しかし、印刷DXを通じて『稼ぎ方』と『顧客との関係』を進化させることで、コロナ禍にマケズ、印刷会社が売上・利益を伸ばすことは十分に可能です。

その際、ブライター・レイターでは以下のような「印刷DX実践ステップ」に取り組むことをオススメしています:


<ブライター・レイター流 印刷DX実践ステップ>

  • コロナ禍において、顧客が『成し遂げたい進化』を見つける。
  • 顧客の『成し遂げたい進化』を支援するように、自社の『稼ぎ方』を進化させる:
    • 稼ぎ方 = 売り方 x 売りモノ
  • 顧客の『成し遂げたい進化』への支援を通じて、『顧客との関係』も進化させる:
    • Webを活用して進化するためのパートナー
    • SDGsで進化するためのパートナー、など
  • 見える化や自動化、効率など化の取り組みも、『稼ぎ方』や『顧客との関係』の進化につなげる。


ブライター・レイターも印刷DXを支援するサービスを拡充させて、皆様の売上・利益増大に貢献する所存です。改めて、本年も何卒よろしくお願いいたします!

 

2021年5月17日月曜日

『サステナブル drupa』としての virtual.drupa 2021

 先月開催された virtual.drupa は、機材の観点からは前回記事でご紹介したように 『自動運転(autonomous)drupa』でしたが、印刷会社/印刷業界が取り組むべき課題という観点では『サステナブル(sustainable)drupa」でした。

オンライン英和・和英辞書データベース「英辞郎 on the WEB」によれば、サステナブルには「維持[持続]できる、持ちこたえられる」と合わせて、「《環境》持続可能な、環境を壊さず利用可能な、地球に優しい」といった意味もあります。

今回の virtual.drupa では、2019年の国連気候行動サミットを受け、また会期中の4月22日がアースデイでもあったことから、サステナブルが大きなトピックのひとつでした。ちなみに、菅総理大臣が「2050年カーボンニュートラル・2030年度の温室効果ガス46%削減(対2013年度)」を発表したのも4月22日でした。

多くのセミナーで、持続可能性を高めるためには循環型経済(circular economy)、3R(Reduce, Reuse, Recycle)、(パッケージやラベルなどの)簡素化などが必要だというメッセージが出されました。印刷会社は今後、廃棄物の最小化を目指す循環性向上、印刷量削減を含む Reduce 、前回drupaで注目された加飾とは対極にある簡素化、などのトレンドと自社の方向性を揃えることが求められるでしょう。

環境以外にも、「若手不足」といった印刷会社・印刷業界全体の持続可能性を阻害する課題をテーマにしたセミナーもありました。また、総合印刷機材展の来場者数が減少傾向にある中、drupaそのものの持続可能性も問われています。

サステナブルも、自動運転と同様、次回drupa(2024年5月28日〜6月7日開催)の主要テーマとなるでしょう。会場でどのような(環境以外も含めて)「持続可能性と競争力の両方を向上させることができる提案」が見られるか、今から楽しみです!

2021年5月11日火曜日

virtual.drupa 2021 は『自動運転 drupa』!

 世界最大の国際印刷機材展 drupa が先月(2021年4月)、コロナ禍の影響によりvirtual.drupaとしてオンラインで開催されました。drupaは毎回「Inkjet drupa」といった展示内容のトレンドを表すニックネームが付きますが、今回のvirtual.drupaは『自動運転(autonomous)drupa』だったと筆者は考えます。

自動運転の範囲は各機材だったり、(プリプレス・印刷・後加工といった)各工程だったり、工場全体だったり様々ですが、データとAIを活用して(オペレータではなく)システムが自律的に生産活動を行うという方向性は共通して見られました。特に、ハイデルベルグKBA小森コーポレーションといったオフセット機メーカが、自動運転のビジョンをサービス紹介動画やオンラインセミナーで提案し、存在感を高めていました。

とはいえ、印刷機材や印刷工場が急に「完全運転自動化」になる訳ではありません。今後は、自動車のような「運転自動化レベル」を指標として使いながら、印刷機材や工場の自動運転かレベルを把握・向上させていくことになるでしょう。次回以降のdrupaでは、「この機材はレベル3の自動運転を実現しています」「あなたの工場の自動運転化レベルを3にするサービスです」といった提案が出てくるかもしれません。とても楽しみです。


virtual.drupaでは、「循環型経済/ 3R」「加飾 vs 簡素化」「若手不足」といった様々な印刷業界が取り組むべき課題/印刷会社の競争力向上ポイントの指摘もありました。印刷会社は機材の進化に加えて、こうした点も意識をしながらコロナ禍を乗り越えて売上・利益の増大を実現することが求められます。自動運転化は、こうした課題を解決したりするための手段ですから。


次回drupaは、2024年5月28日〜6月7日にデュッセルドルフで開催されることが主催者から発表されています。今回注目された自動運転や循環型経済に対して出展企業からどのような提案があるのか、楽しみにしながらdrupa2024を待ちましょう!